今回は、
- 21ジリオンSVTWの軽量ルアーのキャスタビリティってどうなの?
- どのくらいまで軽いルアーを投げられるの?
と言うテーマでお話します。
遅ればせながら僕は今年になって21ジリオンSVTWを購入し、本流トラウトのメインマシンとして使っております。
本当は昨年購入しようと思ったのですが、昨年は待望のカルカッタコンクエスト100のモデルチェンジもあり、ちょっと購入を見送ってました。
けれども本流トラウトをやってるとギア比がHGクラスじゃちょっと物足りなくなったという事もあり、2022年のメイン機として導入したのであります。
ですから購入したモデルはもちろんXHです。
さて僕が本流トラウトで使うルアーは10g前後のプラグ、10~18gのスプーンがメイン。
正に21ジリオンSVTWはドンピシャではあるのですが、時には5~7gくらいの軽量プラグも使いたい。
僕が21ジリオンSVTWに求めていたのは正にココ。
もちろん5~7gクラスのルアーを投げるのなら、もっと適したベイトリールがあるのも分かります。
例えば同時期に発売された21アルファスSVTWとか。
けれども僕の使用用途のメインはやはり10g前後。
ときには18gのスプーンを遠投することもある。
小径スプールでは飛距離や遠投時のキャストフィールがきっとモノ足りなくなる。
とは言っても、時にはもっと軽いルアーを投げたいこともある。
ですから僕が21ジリオンSVTWに求めたのは、
- 5~7g程度の軽量ルアーは投げることは出来る?
- 投げられるとしたらどの程度?
- 快適?ギリ使える?とても使えない?
この辺りが一番気になったところです。
と言うワケで半年近くガッツリ使ったので、21ジリオンSVTWの軽量ルアーインプレッションをお伝えします。
※21ジリオンSVTW関係の記事一覧はコチラ。
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▶21ジリオンSVTW【更新】
目次
【21ジリオンSVTW】軽量ルアーインプレッション
早速ですが結論から言いますと、
21ジリオンSVTWが一番快適に投げられる範囲の下限は7g以上。
けれども5g以上は十分に守備範囲
軽量ルアーに対して、「十分に使える」
と言うのが僕の結論です。
守備範囲と言っても「何とか投げられる」と言うレベルではありません。
例えば10gのルアーが100点だとしたら、僕的には70~80点くらいの満足できるキャストはできました。
例えばこのルアー。
シュガーディープ7cm、ウェイトは5.5g。
こんなルアーでもストレス無く投げることができています。
その理由としてはやはり、
- 軽量なスプール
- ブレーキ特性
21ジリオンSVTWの根幹でもあるこの二つ特徴が大きく寄与しています。
ただし、快適にキャストをするにはちょっと注意点もあります。
では注意点も含めて詳しく説明しますね。
軽量なスプール
21ジリオンSVTWのスプール重量はボールベアリング込みで13.5g。
同じクラスのベイトリールとしてはかなり優秀です。
軽量ルアーを快適にストレスなくキャストするには、軽量なスプールと言うのは欠かすことができない重要なファクターです。
「何とか投げられる」と言うレベルだと、キャストはできなくはないけどもスプールの回転が重たいんですよね。
何と言うか、重たいボールを投げる感じ?
例えば砲丸投げのボールを投げようと思っても重過ぎて腕を振り抜けないから、「よっこいしょ~」って感じになるでしょ?
それだととりあえず投げることはできたとしてもとても快適とは言い難いし、もちろん飛距離も伸びません。
軽いルアーと言うのは、まずキャスト時にルアーにエネルギーを持たせにくいです。
ですからスプールが重いと、軽いルアーの小さなエネルギーでは回転させてやることが難しいんですね。
それでもキャストしようと思ったら、遠心力を使ったり投げ方に工夫をしたりしてスプールをムリヤリ回転させてやる必要があります。
投げられなくは無いけど、快適とは言えない。
と言う状態です。
つまり軽量ルアーをストレス無くキャストしようと思ったら、「軽量スプール」と言うのは欠かすことができないんです。
ですからベイトフィネスと言う5g以下のルアーをキャストするような超軽量ルアー専用ベイトリールはまずスプールの軽量化が必須命題であり、
メーカーがルアーの使用上限を決めるほど軽量化の為にマージンを削っているんです。
もちろんブレーキの特性やタックルバランスも重要です。
ですが軽量ルアーをキャストするにはまずは物理的な意味として、「スプールの軽量化」は至上命題になります。
そのくらいスプール重量と言うのは軽量ルアーに対して重要なファクターです。
ですが21ジリオンSVTWはスプール径Φ34mmと、10g前後と言ったミドルクラスのルアーに対して快適なサイズ。
どちらかと言うと5~7gクラスの軽量ルアーに対しては、スプール径Φ32mmの方が適正サイズです。
単純な話、スプール径が小さければスプール自体が小型になり、重量も小さくすることができます。
それでも21ジリオンSVTWは5~7gクラスの軽量ルアーに対して、
スプール径Φ32mmが100点であるのなら70~80点くらいはあると僕は感じています。
実際に僕が多用している軽量ルアーの下限は、5.5gのフローティングミノー。
このクラスのルアーならストレスを感じることなくキャストすることができています。
ただし、使用するロッドにもよります。
詳しくは後述しますがベイトタックルで軽量ルアーをキャストするのなら、
しやすさ、しにくさはロッドも含めたタックルバランスがかなり重要になってきます。
タックルバランスさ間違わなければ、5.5gのフローティングミノーもストレスなくスプールが回転してくれます。
ですから10g前後のプラグをメインでキャストする傍ら、タマに軽いルアーを使いたくなっても特にストレスなくキャストすることが出来ています。
個人的な感想ですが軽量ルアーのキャスタビリティに関して言えば、「兄弟機種である22ジリオンTWHDより上」と言っていいでしょう。
やっぱSVスプールは「軽量」と言うのが大きな強みです。
同じスプール径なら、22ジリオンTWHDやスティーズATWに搭載されているマグフォースZスプールと比較しても軽量なんですね。
ブレーキユニットの分なのかなんなのかは分かりませんが、SVスプールは軽量な分、マグフォースZスプールより軽量ルアーのキャストは得意です。
もしSVスプールの21ジリオンSVTWとマグフォースZである22ジリオンTWHDを使い分けるとしたら、
「軽めのルアーを多用するか、重めのルアーを多用するか」
というところで使い分ければいいと思います。
どちらも同じΦ34mmのスプールで、10gくらいのルアーのキャストは得意です。
ですがブレーキシステムの特性上、
- 21ジリオンSVTWの方が軽めルアーをトラブルなくキャストしやすい
- 22ジリオンTWHDの方が重めのルアーのロングキャストがしやすい
と言う特徴を持っています。
ですから同じ10g前後のルアーを使用すると言っても、具体的には次の様に使い分けると言い感じで使えます。
- 10g以下のルアーを多用するなら21ジリオンSVTW
- 10g以上のルアーを多用するなら22ジリオンTWHD
こんな感じで使い分ければストレスなく使えるんじゃないかと思います。
ブレーキ特性
「軽量ルアーをストレスなく快適にキャストできる」
と言う21ジリオンSVTWの特徴に大きく寄与しているもう一つの要因が、ブレーキ特性。
21ジリオンSVTWはその名の通りSVスプールを搭載しています。
SVスプールはエアブレーキシステムが採用されており、
「向かい風などの悪条件下でトラブルなくキャストすることが出来る」
という特徴を持っています。
そして悪条件下と言うのは、何も向かい風などの気象条件だけではありません。
- 失速しやすい軽量ルアー
- 空気抵抗の大きなビッグベイト
- ベイトリールでは扱いづらいとされるPEライン
コレらも言ってしまえば、「悪条件下での使用」になります。
つまり21ジリオンSVTWは、特性からしてそもそも「失速しやすい軽量ルアー」のキャストにも向いているんですね。
実際に投げてみると良く分かるのですが、ブレーキを強めにしてもスプール回転は非常に軽快で、尚且つバックラッシュも起きにくいです。
少し強めにブレーキを掛ければ着水サミングすら不要なほどです。
スプールは軽い力で回るから一見ブレーキは弱そうに感じるけど、それでも着水時にはピタッとスプールの回転が止まるから、なんとも不思議な感覚です。
まあ、多少なりともサミングができる方ならそこまでブレーキを強くすることは無いと思いますが、
「トラブルレス」と言うことだけで言えば、現状SVスプールが最強なんじゃないかと僕は思います。
トラブルレスという観点で言えば、DCブレーキよりも上だと僕は感じています。
昨年、遠心力ブレーキの代表格とも言えるSVSインフィニティを搭載した21カルカッタコンクエスト100を使い倒したので少し比較しますと、
軽量ルアーのキャスタビリティは、「間違いなく21ジリオンSVTWの方が上」と僕は思います。
もちろん、21カルカッタコンクエスト100も軽量ルアーは投げやすいです。
低慣性にこだわったMGLⅢスプールを新たに搭載し、軽量ルアーのキャスタビリティはグンと上がりました。
けれどもやはり、トラブルレスと言う観点で言えばSVスプールの方が優秀だと僕は感じています。
さらに言うならば悪条件でトラブルが少ないということは、ベイトリールで扱いにくいとされるPEラインも使いやすいということです。
扱いにくいというか、要はピーキーなんですね。
少しのことでバックラッシュになったりラインが喰い込んだり、ナイロンラインがトラブルに至るまでの許容範囲が広いマイルドな感じなら、PEラインは許容範囲の狭いピーキーな感じ。
まあ、慣れという部分も大きいですけど。
けれどもPEラインはフロロカーボンはもちろんナイロンラインと比較しても比重が軽く、ラインを巻いたときのスプール重量を最も軽くしてくれます。
PEライン1.5号を150m、スプール適正量に対して満タン状態で20g。
正直、PEラインを使用した時のスプールの立ち上がりの良さは軽快そのものです。
僕は最近ほぼほぼベイトリールにPEラインを巻いていますが、この軽快感が止められないと言うのも大きな理由の一つです。
ただ、PEラインは軽量ルアーの様な失速しやすいルアーは、どうしてもバックラッシュしやすいんですね。
ベイトリールでPEラインを使用すると、飛距離が出やすい空気抵抗が少なく重いルアーはまだ投げやすいです。
ですがルアーの失速によってラインがスプール上で浮いてしまうと、ライン同士が絡むようにバックラッシュしてしまうのです。
そのバックラッシュを効果的に抑制してくれるのがSVスプールなんですね。
そのギミックについてはココでは割愛させて頂きますが、
このトラブルレス性によって軽量ルアーとPEラインの相性の悪い部分を消して更に相性の良い部分を活かしてくれるので、
「SVスプールは軽量ルアーを投げやすい」
と言う結論に大きく寄与してくれているのです。
この辺りは遠心力ブレーキと比較しても強い部分です。
飛距離は遠心力であるSVSインフィニティの方が出るのですが、軽量ルアーの投げやすさは間違いなくSVスプール。
と僕の中で結論に至っています。
21ジリオンSVTWで軽量ルアーをキャストするときの注意点
「軽量ルアーは投げやすいよ」
とお伝えした21ジリオンSVTWではあるのですが、快適に軽量ルアーをキャストするには一点注意点があります。
それは、使用するベイトロッドの硬さ。
21ジリオンSVTWは守備範囲が広く、5gクラスの軽量ルアーも投げることができれば50gオーバーのビッグベイトもストレスなく投げることができます。
ベイトリールとしては凄く幅広く色々なルアーをストレスなく投げることが出来るのですけども、それは「使用するベイトロッドありき」なんですね。
要は、
ビッグベイトをストレスなく投げることができるロッドでは、軽量ルアーを快適に投げることはできない。
と言うことです。
21ジリオンSVTWに合うベイトロッドについてはまた別記事で詳しく書きたいと思いますが、
軽量ルアーを扱うのならベイトロッドもルアーに合わせてライトなロッドにする必要があります。
具体的には、L(ライト)~ML(ミディアムライト)クラスのロッド。
メーカーによって表示ウェイトは違いますが、使用ルアーウェイトが5~18gくらいのベイトロッドに合わせれば軽量ルアーもストレスなくキャストすることができるハズです。
ただ、表示ウェイトはメーカーによっては全然当てハマらないこともあるんですよね。。。
例えば僕が21ジリオンSVTWに多用しているベイトロッドは、FishmanのBEAMSクローラ9.2L+。
ライトクラスではあるのですが、ソフトなティップに「+」の表記よろしく強めのバットを備えてます。
使用ルアーウェイトの表記は8~40g。
数字だけ見るとかなりハードな印象を受けるのですが、25~30cmのヤマメでもロッドはしっかり曲がり仕事してくれます。
(さすがロッドが強いですけど)
で、実際に使ってみた個人的な感想として守備範囲として5~25gくらい。
快適に使える範囲が7~18gくらいかな。
表記と使ってみた印象は随分違いました。
こう言うことってどんなロッドでも意外と多いんです。
表示されている範囲が「限界」なのか、もしくは「快適」なのか、
これもメーカーによって違いはあります。
BEAMSクローラ9.2L+は、ライトクラスのベイトロッドより少しティップに張りがある感じ、と思っていただければいいと思います。
マッチングで言えば、21ジリオンSVTWにはベストマッチと言えるロッドです。
このベイトロッドに21ジリオンSVTWを乗せて5.5gのミノーをキャストすると、
少し強めな感はあるもののしっかりとロッドを曲げてやればスパンとルアーが飛んでいきます。
もし5~7gのルアーがメインになるなら、もう少しソフトなロッドの方が投げやすいです。
Fishmanで言えばローワーシリーズとか。
軽いルアーであっても軽い力でロッドが曲がってくれて、ルアーをはじき出してくれるロッド。
そんなロッドでしっかりと曲げてやることができれば、21ジリオンSVTWの軽量スプールはストレス無く回ってくれます。
ですから逆に言えばM、MH、Hクラスと言ったヘビーなロッドだと、いかにスプールが軽く回ってくれたとしても軽量ルアーはとてもキャストしにくいことは間違いないです。
軽いルアーを投げたいのなら、ベイトロッドもルアーウェイトに合ったモノを使用しないと投げにくいと言うことですね。
ただ、先程もお伝えしましたが5~7gのルアーがメインとなるのなら、21アルファスSVのようなスプール経Φ32mmの方が投げやすいです。
とは言えロッドさえ合わせてやれば、軽量ルアーも70~80点くらいのキャストはできる。
と言うのが21ジリオンSVTWで軽量ルアーを扱った僕の感想です。
【21ジリオンSVTW】軽量ルアーをキャストしてみたけど…【まとめ】
さて今回は、
- 21ジリオンSVTWの軽量ルアーのキャスタビリティってどうなの?
- どのくらいまで軽いルアーを投げられるの?
と言うテーマでお話しました。
結論として、
- 21ジリオンSVTWが一番快適に投げられる範囲の下限は7g以上。
- けれども5g以上は十分に守備範囲
- 軽量ルアーに対して、「十分に使える」
と言うのが僕の正直な感想です。
その大きな理由として、
- 軽量なスプール
- ブレーキ特性
この2つが軽量ルアーを投げやすくしてくれています。
合わせるベイトロッドとしては、
軽いルアーであっても軽い力でロッドが曲がってくれて、ルアーをはじき出してくれるロッド。
適正ルアーウェイトが5~18gくらいのL~MLくらい。
ただ、最初から5~7gくらいの軽量ルアーをメインとして考えているのなら、小径スプールである21アルファスSVTWの方が快適に扱えます。
けれども、普段10g前後のルアーをメインとしていてタマに5gクラスも投げたい。
という方には21ジリオンSVTWはちょうどいい感じで使えると思います。
「じゃあ、最初から21アルファスSVTW使えばいいんじゃないの?」
そんな声も聞こえて来そうですが、たった2㎜でもスプール径の違いって大きいんですね。
特にオカッパリで遠投することも考えると、スプール径の大きさは思ったより大きいです(^^)
もう一つ、同じΦ34㎜の22ジリオンTWHDとどちらを買おうか悩まれているのなら、
- 10g以下のルアーを多用するなら21ジリオンSVTW
- 10g以上のルアーを多用するなら22ジリオンTWHD
こんな感じを基準にしておけば快適に使えると思います。
もちろん10g以下のルアーを22ジリオンTWHDで扱えないかと言われれば、そう言うワケではありません。
「21ジリオンSVTWの方が快適に扱える」
と思っていただければいいと思います。
軽量ルアーへの対応度、飛距離、トラブルレス性、剛性感、ギア比、パーミング性、コスパ、
21ジリオンSVTWはベイトリールに必要な要素のどれをとっても、ベテランでもビギナーでも満足できるベイトリールなんじゃないかと僕は思います。