2017年にシマノからカルカッタコンクエストBFSが登場し、2019年にはダイワからミリオネアCT SVが登場しました。
どちらもベイトフィネスクラスの超軽量ルアーをストレスなく投げる事が出来る、”丸形”ベイトリールと言う事で注目を集まています。
既に発売されているカルカッタコンクエストBFSの評判はご存知の通り、かなり良いですよね。
特に渓流でベイトタックルを使われる方にとっては、待望の丸形ベイトリールとあって、好評なんじゃないかと思います。
トラウトって何故だか丸形ベイトリールを使いたくなるんですよね。
何故でしょう?^^;
僕も丸形は好きと言ってもこだわる程ではないのですが、何故かトラウトに限ってはどうしても丸形が使いたくなります。
特に今回のミリオネアCT SVはリョウガやカルカッタの様な変形丸形では無く、アンバサダーの様な純粋な丸型です。
クラシカルな雰囲気が好きな方にとっては、たまらないんじゃないかと思います。
今回はミリオネアCT SVとカルカッタコンクエストBFSを比較しながら、どう選んでいけば良いのか等をお伝えしたいと思います。
まあ、ダイワ派の人にとってはミリオネア一択で、シマノ派の人にとってはカルカッタ一択なのかもしれませんが、「おれは気に入った方を使う派」でどちらを買おうか迷われている方が、少しでも参考になって頂ければ嬉しいです^^
目次
19ミリオネアCT SV 17カルカッタコンクエストBFS【比較】
まず両者、似ているところ、違うところ多々ある訳ですが、互角と思われるところはあえて省かせて頂いて、僕の独断で比較対象をいくつかピックアップしてお伝えしたいと思います。
両者を選ぶポイントになると思いますので、その辺りはご了承ください。
比較したいと考えているポイントは、
・スプール、糸巻き量
・ギア比
・フォルム(見た目)
以上の3点から、ミリオネアとカルカッタを比較していきたいと思います。
スプール、糸巻き量
まずスプール、これは一番の違いになると思います。
決定的に違うのはスプール径がミリオネアがΦ30、カルカッタがΦ32、そして、ミリオネアCT SVは「ベイトフィネス用ではない」と言うところです。
「ベイトフィネス用ではない」と言うのは大きな違いであり、どちらを購入するか選ぶ最大のポイントになって来るハズです。
ベイトフィネス用ではないと言うのは、いわゆるスプール強度の事です。
19ミリオネアCT SVのスプールは超肉薄ブランキング(穴あけ)加工された超軽量スプールでは無く、ダイワお得意であるG1ジュラルミン製SVスプールであるという事なのです。
G1ジュラルミン製SVスプールは軽量ルアーからビッグベイトまで対応可能な、現在ダイワで最も定評のあると言っても過言ではスプールです。
もし使ったことが無くても、評判くらいは聞いたことがありますよね?
SVスプールのスプールレスポンス、バックラッシュのしにくさ、飛距離は、使った人が「何でこれでバックラッシュしないの?」と感じる程ストレスなくキャストができ、それでいて軽量ルアーが投げられ飛距離も十分、ビッグベイトもキャストできる耐久性もある、というスプールです。
通常のΦ34のスプールでも5グラム程度の軽量ルアーもキャスト可能ではありましたが、CT SVではスプール径をΦ30まで落とす事によって、より軽量なルアーをキャスト可能になっています。
つまり、従来のスプール強度を保ったまま、完全にベイトフィネスの領域をカバーしているという事です。
対して、カルカッタコンクエストBFSは、軽量ルアーへの対応は間違いないのですが、スプール強度と言う意味ではどうしても劣ってしまいます。
もちろん、必要十分な強度はあり、ベイトフィネスで使う様なラインの強さ(8lb前後)で使用している分には全く問題ありません。
ですが、極限まで肉薄軽量化されたスプールで、ごんぶとラインを巻いて一気に引っこ抜くという釣りは流石に無理で、強度の問題からナイロンラインがNGであったりする事からも、ベイトフィネス以外の用途では厳しいと言わざるを得ません。
ですから、あえてベイトフィネス性能を互角として考えるとしたら両者の違いは、「太いラインでヘビーカバーを攻める(19ミリオネアCT SV)」か、「細いラインでライトカバーを攻めるか(17カルカッタコンクエストBFS)」の違いで選べばいいと思います。
「え?それなら太いラインを使えるミリオネアで、細いラインを使えばいいんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、実はそう単純な話でもないのです。
要は「大は小を兼ねない」と言う事なのですが、スプール径がΦ30とタダでも小さい上にそれなりの糸巻き量を確保しているので、ミリオネアCT SVは深溝スプールになっています。
ですから、ミリオネアCT SVに細いラインを巻いてしまうと満タンまで巻けば下糸が必要だったり、必要以上にラインを巻く必要あるのでスプール重量が増してしまい、従来のパフォーマンスを発揮できない可能性があります。
かと言ってラインを必要最低量しか巻かないと、糸クセが強く出てしまいます。
タダでも小さなスプール径に深溝スプールですから、スプール軸が相当細くなるという事はイメージ出来るんじゃないかと思います。
スプール軸が細くなると、ハンドル一回転あたりの糸巻き量も少なくなってしまいますしね。
ですからやはり、「大は小を兼ねない」という事になるのです。
もちろん、それらを自分の中で許容して使えばなんら問題ないのですが、「スプール」の違いから両者を選ぶとしたら、
「太いラインでヘビーカバーを攻める(19ミリオネアCT SV)」
か、
「細いラインでオープンエリア、もしくはライトカバーを攻めるか(17カルカッタコンクエストBFS)」
で選べばいいんじゃないかと思います。
スプール強度はあるに越したことはありませんが、このリールで「ビッグベイトを使うのか?」と言われれば、僕なら恐らく使わないと思います。
通常クラスのルアーを使う事はあると思いますが、やはりフィネス中心と言う用途にはなると思います。
それと、もしかしたらΦ30SVスプールで浅溝タイプも出るかも知れませんけどね。
他のベイトリールと互換性の有る汎用性の高さは、ダイワさんに軍配が上がると言っても良いと思います。
ギア比
ギア比に関してはミリオネアもカルカッタも、きっちりハイギアをラインナップに入れてきたのは「やってくれたな!」と思うばかりです。
ディープクランクの様な余程、引き抵抗が強いルアーじゃ無ければ、僕としてはハイギアの方が基本的に有利だと考えています。
ハイギアの方が素早くカバーからサカナを引きずり出したり、巻き感度などが良いという利点もありますが、渓流の様な強烈に流れが早いエリアでローギアだと「まるで話にならない」と言うレベルになってしまいます。
アップに投げるとラインスラッグの回収だけで本当に大変です。
アクションを掛けながらルアーを操作し、ましてや、そこから更にサカナが動き回る訳です。
ハイギアで素早く対応しないと、かなりきついです。
ですから、
ミリオネアCT SV ギア比7.2 巻き取り長さ67cm
カルカッタコンクエストBFS HG ギア比6.8 巻き取り長さ67cm
と言うハイギアのラインナップは、かなり有効に使えると思います。
ただし、同じ巻き取り長さならスプール径の大きなカルカッタの方がギア比は低く、パワフルに巻く事が出来ます。
ただ、ミリオネアにはギア比6.3もラインナップされており、ローギアを選ぶという選択肢もありますけどね。
まあ、ベイトフィネスリールでそこまで引き抵抗の強いルアーを使用するのか?という事もありますが、ローギア(と言っても結構ハイですが)がどうしても欲しいという方でしたらミリオネア一択でしょうが、ギア比で選ぶとしたら、
「巻き抵抗の大きいルアーを使うかどうか」
と言うところがポイントになって来ますよね。
と言うか、僕としては熱烈な要望として、ギア比7.2のミリオネアが作れるんだったら、Φ34クラスも作ってくれって言っておきます。
丸形ベイトリールって基本的にギア比が低すぎるんですよ。
「用途としてハイギアなんて求められていない」と言われればそれまでですが、トラウトではどうしても丸形使いたいですし、ハイギアじゃ無いと使い物にならないんですよ。
ですから、本流トラウト用にΦ34、ギア比7.2以上ののミリオネアを作ってください。
SVスプール、マグフォースZも換装出来れば、僕は絶対に買いますから^^
きっと需要はあるハズ!?
フォルム(見た目)
コレ、めちゃくちゃ大事ですよね。
ちょっと怒られてしまいそうですが、ぶっちゃけ丸形ベイトリールって見た目だけで選んでいる人がほとんどじゃないですか?
もちろん、メリットもある訳ですが、僕は70%くらい見た目で丸形ベイトリールを使用しています。(笑)
残りの30%は”質感”。
巻いている質感、握っている質感、クラッチを切った瞬間の質感、クラッチが戻る質感、あの金属的な質感がたまらなく好きなのです。
まあ、結局100%感覚的なモノを満たす為に使っている訳ですね^^;
機能で言えば、やっぱりフォルムの自由度が高いロープロファイルベイトリールには劣る部分は、仕方が無いでしょう。
コレばっかりはどうしても仕方が無いですし、だからこそ、それでも丸形ベイトリールを使う人と言うのはフォルム(見た目)にこだわりますし、やっぱり重要な要素の一つですよね。
そしてミリオネアCT SVとカルカッタコンクエストBFS、同じ丸形ベイトリールであっても、実はフォルムが全然違うんですね。
ちょっと比べてみて下さい。
コチラがミリオネアCT SVで、
出典:ダイワ
コチラがカルカッタコンクエストBFSです。
出典:シマノ
分かります?
カルカッタコンクエストBFSはギアボックスが大きく張り出していて、丸形とは言っても、変形丸形ベイトリールになっています。
一方、ミリオネアCT SVは純粋な丸形ベイトリールです。
アンバサダーの様な、クラシカルな雰囲気を醸し出していますよね。
どちらが好みなのかは人それぞれでしょうが、純粋な「丸形」を求めているのならやはりミリオネアの方がカッコいいなとも思いますし、丸形と言えど、機能的なフォルムが好きならカルカッタもまたカッコいいですよね。
ですから、ここは完全に好みです^^
僕としては合わせるロッドにもよりますが、コルクグリップだったらミリオネア、EVAグリップだったらカルカッタの方が合うのかなと、個人的には思っています。
【比較】19ミリオネアCT SVと18カルカッタコンクエストBFS 【まとめ】
ここまでの話をまとめますと、19ミリオネアCT SVと18カルカッタコンクエストBFS を選ぶ基準として、
①「太いラインでヘビーカバーを攻める(19ミリオネアCT SV)」or「細いラインでオープンエリア、もしくはライトカバーを攻めるか(17カルカッタコンクエストBFS)」
②「巻き抵抗の大きいルアーを使うかどうか」
③「クラシカルな丸形ベイトリール」or「機能的な変形丸形ベイトリール」
この辺りを基準に選んで頂けたらいいんじゃないかと思います。
正直に言うと、僕としてはベイトフィネス性能としては、このクラスまでくれば比較してしてもそこまで分からないと思います。
もっと言ってしまえば、アルファス エアでも十分と感じていますし、スコーピオン1000XTにアベイルスプールを組み込んでも3ぐら味う程度のルアーは十分にストレスなくキャストできます。
ですから、丸形ベイトリールが欲しいのならやっぱり「見た目」と言うのは、重要な要素だと思います。
ですから、色々書きましたが、結局「見た目で選ぶ」でも全然良いと思います。
ただ、使用用途として「太いラインを使いたいかどうか」と言うところだけでも押さえておけば、どちらを購入しても満足度の高いベイトリールである事は間違いないと思います。