岸ジギをやるにはやっぱベイトリールでしょ!
フォールの釣りには絶大の威力を発揮するのがベイトリールです。
(フォールじゃなくても僕は全てにおいてベイトリールですが)
と言うことで今回は、
「岸ジギで使うベイトリールの選び方」
と言うテーマでお話しさせていただきます。
岸ジギとは、堤防などの岸壁沿いにジグをし垂直落とし、基本的にデイゲームでシェードに潜むシーバス狙うという釣り方です。
シーバスでベイトリールを使うなら、「最もベイトリールが活きる釣り方」と言っても過言では無いかも知れません。
今回、岸ジギで使うベイトリールを迷っているということでご相談を受けたので、シェアさせていただきます。
目次
岸ジギ用ベイトリールの選び方
今回頂いた質問はコチラ
―ここから――――――――――――――――――――
いつもお世話になっております。
今回は表題の件でご相談があります。
ここ何ヶ月かは岸ジギで良い思いをさせてもらってます。
そこで来年度もう少し良いリールを購入しようかと考えてます。
現在岸ジギで使っているのが20タトゥーラsvtw、
これにpeを7割程巻いて残りはフロロを巻くというケチケチスタイルなんです。
そこで質問なんですがマグネット、SV、遠心、DCと色々ありますよね。
岸ジギで何から選ぶのが良いかなんですよ。
ギアは僕の釣り方だとHG以上が理想です。
リールの剛性も強いに越したことはない。
この条件だけだと見つけるのは簡単なんですが、問題は外部ブレーキです。
エクスセンスdcssを岸ジギに使ったら、使いにくいことこの上なかったんですよ。
凄い個人的な感想なんですが、ジグのフォール程度の回転数だとDCが効いてない感じがしました。
なので着底する時にオーバーランしがちなんですよね。
なので外部ブレーキの効き方の理想としては、高速域で強く低速域で弱くかかるものが良いんですよ。
キャストの釣りにも対応できるようにしたいのでブレーキが強すぎるのも考えものですがなんせ低速域でじんわりと効くブレーキの種類はどのタイプなのでしょうか?。
SVが中々気に入って使いやすいので今のところジリオンSVTWかな?とは思っていますが。
―ここまで――――――――――――――――――――
メッセージありがとうございます。
さて今回のご質問のポイントですが、
- ジグが着底するときにスプールがオーバーランする
- それをブレーキで何とかしたい
この2点にフォーカスしてお話したいと思います。
まず、DCブレーキであるエクスセンスDCSSを実際にご質問者様が使っていて、非常に使いにくかったと。
確かに、もしかしたらエクスセンスDCはオーバーランと言う意味では一番気になるかもしれませんね。
DCブレーキは基本的にロングキャストを視野に入れたベイトリールです。
(もちろんモードによります)
DCブレーキは遠投する際、スプールが立ち上がって回転数がMAXになるまで基本的にブレーキ力ゼロなんですね。
(モードのよって違いがあると思いますが)
そしてスプールの回転数がMAXに立ち上がって、一番ブレーキ力が欲しいポイントで効果的にブレーキを掛けてくれるという、ある意味チープなブレーキシステムです。
イメージ的にはこんな感じ。
出典:シマノ
確かにそれだと、岸ジギの様にフォールのみの釣り方では全くブレーキは掛からないと思います。
で、着底後のオーバーランが気になる、
と言うのが今回のポイントです。
ただ、正直言いますと、
「DC、遠心力ブレーキ、マグフォースZ、SVでこの問題を解決するのは難しい」
と言うのが僕の意見です。
なぜなら、DCに限らず上記のブレーキシステムは、
「スプールの低回転時のブレーキ力を最小限にし、回転数が上がった所でブレーキを強く掛ける」
と言う意図のブレーキシステムだからです。
ですからどのブレーキシステムも基本的にフォール中はスプール回転数が上がらず、ほとんどノーブレーキに近い状態です。
と言うことは、フォール開始から着底まで低回転でほぼ一定のスプール回転の岸ジギを、上記のブレーキシステムで対応するのは難しいと思います。
むしろ、「フォールスピードに影響を与えない」と言うのがメリットのブレーキシステムです。
ただ、「ムリだ!」では何も解決に至っていませんよね。
そこで僕なりに問題を解決する方法として、次の方法を提案させていただきます。
岸ジギで使うベイトリールのブレーキについて
岸ジギで着底オーバーランが気になるなら、次の解決策はいかがでしょうか。
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順に説明しますね。
常時ブレーキのマグフォースを使用する
>低速域でじんわりと効くブレーキの種類はどのタイプなのでしょうか?
低回転からでも効果的に効くブレーキとして、ダイワのノーマルマグフォースがあります。
マグフォースZはスプールの回転数に応じてインダクトローターが移動して、低回転の時はブレーキ力が弱く、高回転の時はブレーキ力が強くかかる仕組みです。
それによってピッチングとロングキャストの飛距離を伸ばします。
対してノーマルのマグフォースは、インダクトローターが固定式で常に一定のブレーキが掛かっています。
つまり、
「低回転でも確実にブレーキを効かすことが出来る」
と言うことです。
着底オーバーランをブレーキで少しでも防ぎたいと言うのなら、こう言ったブレーキシステムが有効なんじゃないかと思います。
ただ、キャスティング時にメリット・デメリットがありますので、岸ジギ、キャスティングの両方で使うのなら理解しておいた方がいいです。
<デメリット>
- ピッチングなどの回転数が上がらないキャストだとルアーが浮き上がってしまう
- キャスト後半でルアーが失速してしまう
<メリット>
- 逆風などの悪条件下にバックラッシュしにくい
- 空気抵抗の大きなフィネスルアールアーやビッグベイトをキャストした時にバックラッシュしにくい
正直言ってしまうとノーマルマグフォースはデメリットの方が多く、最近ではダイワさんもラインナップにほとんどありません。
ただ、着底オーバーランが気になるということでしたら、こう言ったベイトリールを使うのもアリだと思います。
現状でダイワから発売されているのはコチラくらいだと思います。
シーバスをやるには非常に使いやすいスペックですし、18リョウガ1500番のマグフォースZスプールと互換性がありますので、キャスティング用と岸ジギ用と使い分けるのもおもしろいと思います。
メカニカルブレーキを締める
遠心やマグに頼らず、メカニカルブレーキを締めてしまうのも手段の一つです。
メカニカルブレーキはスプール自体を機械的に締め付けることでブレーキを掛けるので、常時ブレーキが掛かっている状態になります。
「ジグの着底のオーバーランを防ぐ」
となると、常にブレーキが掛かっている状態にならないと防ぐのは難しいと思います。
(DCとかで、低速でもスプールが空回りした瞬間ブレーキが掛かるモードとかがあればいいのですが)
ですから、オーバーランを防ぐのならフォール中も常にブレーキを掛けておく必要が出てきます。
そうなれば一番手っ取り早い方法が、
「メカニカルブレーキを締めて調整する」
と言う方法です。
「ジグのフォールスピードの影響を与えないレベルで、尚且つ着底後オーバーランを最小限にする」
くらいにメカニカルブレーキを締めてやるワケです。
この方法も物理的にはマグフォースと同じ理屈になりますが、持っているベイトリールで試すことが出来るので、一番手っ取り早い方法だと思います。
サミングで調整する
サミングで調整するのが、僕が一番オススメする方法です。
と言うか、ただ単にメカニカルブレーキをいじくるのがメンドクサイだけですが^^;
ベイトリールのキャスティングが出来る方でしたら全然難しくないと思います。
方法としては、クラッチを切ったらスプールに指が触れるか触れないかくらいのタッチで親指を当てておいて、スプールが止まったら即ストップ。
ただこれだと「着底ししてからのストップ」になるので、絶対にワンテンポ遅れます。
サミングが弱ければ弱いほど、着底でスプールはオーバーランをしてしまいますよね。
そこで、オーバーランをした分ロッドを軽く持ち上げてスプールを回転させてやるワケです。
ロッドを引くことでラインを引き出し、バックラッシュを解消してやるって感じです。
と言ってもほんの少しでロッドを持ち上げれるだけですし、慣れればサミングでテンションを掛けながら持ち上げてジグを着底後すぐに底を切ることが出来ると思います。
僕は岸ジギはほとんどやりませんが、ジギングや「キャスト ⇒ フォール ⇒ 底を取る」と言う釣り方は基本的にこの方法で行っています。
岸ジギ用ベイトリールはハイギアが良いのかローギアが良いのか
今回のご質問とは趣旨が違いますが、岸ジギ用ベイトリールの選び方として、ギア比の選択について少しお話しようと思います。
結論を言ってしまえば、
「あまり気にしなくていい」
と言うのが僕の本音です。
まあ、近距離のマシンガンキャスト(もといフォール)になるので、ハイギアの方が向いてはいます。
けれど、水深数メートルくらいですし、それほど気にしなくても持っているベイトリールで対応すれば良いと思います。
ただ、リフトとフォールを繰り返すことになるので、「リズム」が重要になってきます。
人それぞれなところもあると思いますので、まずは自分のベイトリールで一度やってみて、
- もう少しハイギアの方が良いなと思えばXG
- もう少しローギアの方がしゃくりやすいなと思えばPG
と言う様に選べばいいと思います。
あまり気にしなくていいとは言いましたが、水深2~3mくらいのところでやると、意外とリズムが変わってきます。
- XGクラスだとハンドル3~4回転
- PGクラスだとハンドル5~6回転
1.5~2倍近い差が出てしまうんですね。
PGだと長い時間誘えるなどもありますが、超近距離戦ゆえにリズム的に「やりにくいやりやすい」もあると思います。
やはりまずは自分のベイトリール、もしくは確認だったらとりあえずスピニングリールでも「とりあえずやってみる」ことをオススメします。
一度やってみて自分のリズムを確認してみるのが一番です。
岸ジギ ベイトリール選び方【まとめ】
さて今回は、
「岸ジギで使うベイトリールの選び方」
と言うテーマで話させていただきました。
背景として
- ジグが着底するときにスプールがオーバーランする
- それをブレーキで何とかしたい
と言う悩みがあるワケですが、結論として、
- 常時ブレーキが掛かっているマグフォースを使用する
- メカニカルブレーキを締める
- サミングで調整する
以上で対応するしかないと思います。
僕としてはサミングで調整が一番オススメですが、サミングであまりしっくりこないのでしたら、メカニカルブレーキで調整してやるのがいいんじゃないかと思います。
メカニカルブレーキだったら、今ある手持ちのベイトリールですぐに確認することが出来ます。
ですから、「岸ジギ用ベイトリールの選び方」と言う意味では、
「とりあえず手持ちのベイトリールでOK」
と言うことですね。
着底オーバーランは個人的にあまり気にならず盲点でしたが、やはり気になる人は気になると思います。
最初はとりあえず、メカニカルブレーキを締めるところからやってみるのが一番安上がりの方法ですので是非試してみて下さい。
補足としてギア比についても説明しましたが、
- 水深の浅いところをじっくり誘いたいのならローギア
- 水深の深いところをテンポよく誘いたいのならハイギア
と言う使い分けも良いと思います。
後は実際に手持ちのリールで試してみて、自分のリズムを掴めばOKです。
ご質問者様の言う様に、ジリオンSWTWは僕としてもオススメのベイトリールです。
バツグンの剛性感、豊富なギア比設定、加えて互換性のあるスプールのラインナップも豊富です。
僕も実際に使っていますが、ハイエンドクラスに劣らない性能でかなり幅広く使えるベイトリールです。
では今回はこの辺りで失礼します。
メッセージありがとうございました!