ベイトリールを使う上でまず外せないのが「ブレーキ調整」。
ブレーキは使い方次第でベイトリールが活きもするし死にもしますので、「どんな初心者でもリールの性能をフルに活用するブレーキ調整方法」を説明したいと思います。
最後にブレーキ調整の応用編として、「より遠くへ飛ばすブレーキ調整方法」を書いていますので、是非最後まで読んで頂けると幸いです^^
「ブレーキ調整なんて俺は関係ない、ノーブレーキでビュンビュン飛ばすぜ!」
なんて方には関係ないかも知れませんが、そんなテクニシャンな人は確実に極々少数派でしょう。
特にフルキャストをノーブレーキで安定して投げれる人がいたら、そらもうバーニー・シュルツクラスの人です。(古い?^^;)
僕も場合によってはたまにはノーブレーキで投げる事はありますが、基本的はブレーキにしっかりと頼っています。
その方が安定して飛距離もコントロール性も高いキャストが出来ると思っているからです。
と言うより「無理にノーブレーキで投げる必要性を感じたことが無い」、と言った方が良いかも知れませんね^^
という訳で今回はベイトリールの性能をフルに引き出すブレーキ調整について説明したいと思います。
目次
ベイトリールの使い方 ブレーキ調整方法
出典:ダイワ
まずベイトリールには、どんなベイトリールにも基本的に以下の2つのブレーキがついています。
一つずつ順に説明していきますね。
1.メカニカルブレーキの調整
1つはメカニカルブレーキ、古い言い方だとキャスコン(キャストコントロール)って言ったりもします。
それともう一つがマグネットブレーキ、遠心ブレーキ、DC(電子制御)ブレーキのいずれかがついています。
遠心とマグネットのハイブリット、と言われるのもありますが、まあ、とりあえず「メカニカルブレーキ + 3種類のブレーキいずれか」と言う事になります。
この特性の違う二つのブレーキを調整していく事によって、バックラッシュを回避しより飛距離を出し、ストレスのないキャスティングをします。
まず最初に行うのがメカニカルブレーキの調整。
マグネットブレーキは種類にもよりますが、基本的にメカニカルブレーキ以外の「3種類のブレーキ」はスプールが回転していないとブレーキはほとんど掛かっていません。
(掛かるモノもありますが)
「スプールの回転数に応じて掛かる」、と言う優れものです。
で、常時ブレーキが掛かっているのがメカニカルブレーキと言う訳です。
このメカニカルブレーキというのは、リールのハンドル側にあるねじ式のキャップによって物理的にスプールを締め付けていくもので、単純に締め付ければ締め付ける程、スプールが押さえるけられてスプールの回転が押さえつけられる、というモノです。
以前(今も?)は、ルアーをぶら下げてゆっくり落ちていく程度までメカニカルブレーキを締め付けるなんて言われていましたけど、僕に言わせればちょっと「愚の骨頂」と言わざるを得ない調整方法です。
まあ、向か風が強い過ぎるとかより飛距離を伸ばす為に戦略的に締め付ける事はあると言えばあるのですが、スプールを物理的に押さえつけるので、いくら高性能のベアリングを使っていようが、精度の高いスプールやボディを使っていようが、全くの無意味になってしまいます。
要は、リールの本来の性能を物理的に殺してしまっている訳です。
で、そのメカニカルブレーキの調整方法ですが、
「スプールがカタつかない程度」
まで締め込んでいきます。
もちろん、緩すぎてスプールがカタついてもダメです。
指でスプールを左右に動かしてみて、カタカタと動かない程度まで締め込んでいきます。
ここでカタカタと動いてしまうと、もう一つのブレーキ(先ほど説明した3種類のブレーキですね)の性能をフルに活かす事が出来ないからです。
遠心やマグネットブレーキは、回転するスプールと固定されたボディとの摩擦、もしくは磁力によって掛けられていきます。
当然、あの小さなボディの中にものすごい精度でパーツが組み込まれているので、スプールがカタついてしまうと緻密に設計されたブレーキの調整が狂ってしまうからです。
遠心ブレーキだったら本来動くはずもない横方向への摩擦が生じてしまいますし、マグネットブレーキだったらローターの磁界への入り方が狂ってしまいます。
たかがコンマ数ミリの事かも知れませんが、安定したブレーキ性能を引き出すためには非常に重要な事です。
ですので、ベイトリールの性能をフルに引き出すためには、「メカニカルブレーキはスプールがカタつかない程度まで締め込む」という事を忘れないでください。
まずはこの状態を「メカニカルブレーキ ゼロ」と言う基本として、遠心やマグネットブレーキの調整に入っていきます。
※メカニカルブレーキゼロと言うのは、スプールの回転を最大限活かす為のあくまで基本の形です。
場合によっては多少なりとも締め付ける事もありますが、「スプールの回転を物理的に殺してしまっている」という事は頭に入れておいた方が良いです。
この辺りは下記の応用編で書いていますので、是非読んで下さい^^
2.遠心、マグネット、DCブレーキの調整
メカニカルブレーキを基本の状態まで締め込んだら、次はもう1つのブレーキの調整です。
遠心、マグネット、DCなどいろいろあり、それぞれの特徴はあるのですが、「調整方法」としては基本的に同じです。
ブレーキ別によるそれぞれの特徴などは、また後日書いていきたいと思います。
ここからのブレーキ調整は、キャストするルアーやロッド、ライン、風向きなどはもちろん、投げ方や投げる人によっても変わってきますので、「これが正解!」というブレーキ力は存在しません。
ある人がマグネットブレーキのダイアル5でちょうど良くても、他の人ではバックラッシュしてしまうという事もある訳です。
ですが、順々に調整していけばベイトリールの扱いに慣れていない初心者であろうとも、きっとベストな状態を見つける事が出来ると思います。
メカニカルブレーキをゼロの状態にしたら、もう一つのブレーキをMAXまで強くします。
遠心ブレーキでもマグネットブレーキでもDCブレーキでも、ブレーキ力MAXです。
そこからとりあえず投げてみます。
恐らく全然飛んでいないと思います。
投げた感じスプールがなんか重ったるい様な感じ急ブレーキがかかり、ほとんど飛距離は出ていない事と思います。
そこから順に一つずつブレーキを弱くして行きます。
オーバーならオーバーキャスト、サイドならサイドキャストと、出来るだけ同じフォームでのキャストが良いです。
明らかにブレーキが強いなと感じたら、2つ3つ一気に弱くしてもいいと思います。
徐々に弱くしていくと、いずれはバックラッシュしてしまうポイントがあると思います。
そこから1つ、ブレーキを強くした状態が、あなたがそのルアー、そのタックル、その状況でキャストするベストブレーキと言う事になります。
※着水時にはもちろんサミングは必要です。
その状態は今のあなたが、そのリールが持つ本来の性能を引き出した状態となり、安定したキャストコントロール、飛距離を生み出すセッティングとなります。
もちろん、あなたのスキルアップによってリールのポテンシャルをもっと引き出す事は可能です。
投げ方によっては、もっとブレーキ力を弱くしていく事も出来るでしょう。
そこは練習あるのみです^^
ブレーキ調整 応用編 より遠くへ飛ばすブレーキ調整方法
キャスト練習をする際は、バイブレーションやシンキングペンシルなどの空気抵抗の少ないルアーを使った方が良いです。
もしくは公園などで練習するときは、キャスティングシンカーなどを使うと良いと思います。
空気抵抗が少ない分失速しにくいので、バックラッシュのリスクも少なく、何より気持ちよく飛んでくれるので、キャストしていて楽しいです^^
空気抵抗の大きい、軽いルアー程ブレーキ調整は難しくなり、キャスティングのスキルも必要になってきますので、最初は投げやすいルアーから練習していった方が良いと思います。
それとブレーキ調整ですが、応用編としてメカニカルブレーキを使うと言うのもアリです。
先ほど説明した、「徐々に弱くしていって、バックラッシュが起きてしまうポイント」で遠心やマグネットブレーキを一つ強くするのではなく、あえてメカニカルブレーキを1クリック、2クリック程締め込みます。
使用するルアーなどにもよりますが、その方がより飛距離が出せる場合があります。
ただ、「メカニカルブレーキ ゼロ」と言う状態は少なからず感覚的な部分もありますので、ブレーク力がちょっと曖昧ですし、中にはメカニカルブレーキにクリック音が無いモノもありますので、調整も少し曖昧になってしまいます。
ルアーチェンジをした際にまたメカニカルブレーキまで元に戻すのは手間ですはありますけどね^^;
1ルアー、1タックルならいいかも知れませんが、1つのタックルでいろいろなルアーを投げたいと思ったら、メカニカルブレーキは基本的にゼロの状態、そして使うルアーによってブレーキ力を覚えておくとスムーズなブレーキ調整、キャスティングが出来ると思います。