さて今回は、
「ベイトリールでPEラインを使用していて、バックラッシュしたときの超カンタンな直し方」
と言うテーマでお話いたします。
ベイトリールでPEライン使用時に最も厄介とされるトラブル、バックラッシュ。
実はナイロンラインよりPEラインの方が軽度で済んで、直しやすいって知ってました?
軽度で済むってことについてはコチラに詳しく書いていますので、今回は説明を省きますね。
▶ベイトリールの宿命バックラッシュ、実はPEの方が直しやすいって知ってた?
今回お伝えする方法は、PEラインのバックラッシュをモノ凄くカンタンに直せる方法です。
どのくらいカンタンかと言うと、
「ナイトゲームで灯りを点けずに、暗闇の中でも手探りで直せるくらいカンタン」
です。
あまりに重症だとサスガに灯りを点けることはありますが、僕の経験上、修復不能と言うことはまずなく、7割方は灯りを点けずに直すことが出来ます。
最近はベイトリールの性能が上がってきて、ライントラブルやバックラッシュも減ってきました。
けれど、バックラッシュは必ず起きます。
(徹底的に守りの設定なら起きないかもですが)
どんなベテランでも、ゼロと言うことはまずは無いハズ。
(俺はバックラッシュなんてありえん!と言う方は素直に称賛します)
プロの方がタイムロスを避ける為にマージンを取った設定にすることはあると思いますが、恐らくベテランであればあるほど、キャストフィールを求めてギリギリの設定しているんじゃないかな。
正直その辺は周りにベイトリールを使っている人がいないのでなんともですが、
僕は基本的に一番気持ちいい設定にしておいて、逆風の風などの状況変化にはサミングやキャスト方法で対応しています。
ですから程度の差はあれど、不意のバックラッシュは起こってしまうんですね。
まあ、それも、「いつでもカンタンに直せる」っていう前提があるからこそですが。
それでもやっぱり、
「ベイトリールでPEラインを使用するのは怖い」
と言う話しは聞くんですね。
ベイトリールでのPEラインの扱いなんてほぼ「慣れ」と言うレベルです。
とは言え、いきなり「バックラッシュ→修復不能」と言うのも悲しいお話です。
ですので、ベイトリールでのPEラインの使用に慣れていない方は特に、今回のお話はきっとお役に立てると思います。
目次
そもそもPEラインでバックラッシュってなぜ起こるの?
「サッサとやり方教えろや!」
と言う声もl聞こえて来そうですが、「なぜバックラッシュは起こるのか?」はバックラッシュを直すにあたってもの凄く重要です。
なぜなら、きちんとPEラインで起こるバックラッシュのメカニズムを理解していれば、何も難しいことは無くなるからです。
むしろちゃんと分かっていれば、回避の方法やブレーキ設定もキチンと出来る様になって、キャストも上達するハズです。
ですので、めんどくさがらず聞いてやってください^^
とは言え、バックラッシュのメカニズムなんて、とても簡単なことです。
基本的にナイロンラインとPEラインでは、バックラッシュのメカニズムは違います。
ココを理解出来ればPEラインのバックラッシュは、ナイロンラインよりカンタンに直すことができるんですね。
バックラッシュが起こる要因て、
「ルアーに引っ張って放出されるライン」より、「スプールが回転して放出しようとしているライン」の量が上回ってしまうとバックラッシュとなります。
ココまでは、ナイロンラインもPEラインも一緒。
で、PEラインの場合ですが、「スプールが回転して放出しようとしているライン」の量が上回って、「ルアーに引っ張って放出されるライン」を追い越してしまうと、
しなやかなPEラインは絡みついてしまい、ガツンとロックする様にバックラッシしてしまいます。
こんな状態ですね。↓
「スプールが回転して放出しようとしているライン」の量が上回って来ると、スプール上でラインが膨れ上がってきます。
ですから最後はこんな絡まり方をして、スプールがロックしてしまうんです。↓
コレがハリがあるナイロンラインだと絡まらずに、スプールから放出されるラインはそのまま膨れ上がっていきます。
ですので、バックラッシュに至るまでの過程は一緒ですが、最終的に決め手となってしまう要因はPEラインとナイロンラインでは根本的に違うんです。
- ガツンとロックしてしまうのがPEライン。
- グワッと膨れ上がってしまうのがナイロン(フロロカーボン)ライン。
すぐにロックしてしまう分、実はPEラインの方が重症化しにくいんです。
この辺りはラインやルアーウェイトとのバランスもありますので、また別記事で説明しますね。
と言うことでバックラッシュの決め手となる要因が異なれば、当然、直し方も違います。
単純な話、絡まっている部分を解いてやれば良いだけなんですね。
それがコレからお伝えする方法であり、全く灯りが無くても手探りで直すことが出来る方法です。
【ベイトリール】PEラインでバックラッシュしたときの直し方
PEラインでバックラッシュするとこんな感じになりますよね。↓
まずは「ルアーによって放出されるライン」を引っ張って、ルアーが放出される方向(レベルワインダーの外側)へスプールから引き出していきます。↓
軽度な場合は、そのまま引き出してやれば解消できます。
ですが引き出しているうちに、「ラインが引っ掛かって引き出せなくなるポイント」が出てきます。
ココの引っ張り力加減を言葉で伝えるのは難しいのですが、軽く引っ張って引っ掛かりが解消できるのなら、そのまま引き出してもOKです。
ですが、引っ掛かりが強い様なら、絶対にムリをしないで下さい。
※ムリをするとラインが喰い込んで行き、修復不能レベルまで重症化していきます。
「ルアーによって放出されるライン」の根元を見てみると、必ずこんな風になっているハズです。↓
先ほど説明した絡まりですね。↓
赤丸の様に「くの字」になって絡まっている部分が、必ずあるハズです。
重度なほどこの「絡まっている部分」がスプールへ喰い込んで行き、見えにくくなります。
ですが、必ずあるハズです。
見えない場合は、「ルアーによって放出されるライン」を放出方向に向かって、もう少し強めに引っ張ってみて下さい。
※あくまでも「少し強め」です。ムリをするとラインが喰い込んで重症化します!
そうすると「絡まっている部分」が、少しですが表面に出てきます。
※出てこない場合はかなり重症。
絡まっている部分が分かったら、くの字になって「絡みついているライン」を引っ張ってあげます。↓
※放出されるラインではないです。
指でつまめない場合は、ニードルがあると便利です。
僕は以前はラインカッターと一緒に安全ピンも持ち歩いていましたが、今はこんな便利なものがあります。
ラインカッターから、ニョキっとニードルが出てきます。
ニョキっと。
最近見つけたのでまだそれほど使い込んでませんが、今のところかなり便利ですので、記事の最後にリンク張っておきますね^^
※注意 PEラインにハリ先を差さない様に注意してください。PEラインの強度が低下してしまいます。 ちなみに釣り針では出来ませんし、カエシがラインを傷つけてしまうので絶対にやらない方がいいです。 |
「絡みついているライン」を引っ張リ出していると、どこか引っ掛かりを感じるハズです。
この引っ掛かりが悪さをしているので、そこを解消すれば基本的にバックラッシュの修復は完了です。
どの程度引っ張れば良いのかは、バックラッシュの程度によりまが、スプールを回転させながら、引っ掛かりを解消していきます。
この引っ掛かりは、少し強めに引っ張っても大丈夫です。
なぜなら、この引っ張るという動作は、「ラインの喰い込みを解消させる」と言う方向に動いているからです。
ですから、多少引っ掛かりがあっても解けていくハズです。
この時の力加減を伝えるのは難しいですが、多少強くても良いとは言っても、あまりムリはしないでくださいね。
場合によっては、また別のところで絡みついているかもしれません。
PEラインの「しなやか過ぎる」と言う特性は、こう言う時も厄介なのです。
イメージとしては、「逆洗」と言った感じでしょうか。
逆洗とは配管などが詰まった場合、逆から水を流してやることで詰まって部分を崩して解消してやることを逆洗浄の事です。
PEラインのバックラッシュの修復もそのイメージです。
- スプールからラインを引っ張ってバックラッシュを解消する
- 引っ掛かりを感じたら、引っ掛かっている部分をつまんで引っ張ってやって逆洗浄する
こんな感じです。
では手順をおさらいしますね。
1.ラインをルアーの放出方向に引っ張りだす
2.引っ掛かりを感じたら、引っ掛かり部分を指でつまんで引っ張り出す(逆洗) 3.ある程度引っ張ったら、再びラインをルアーの放出方向に引っ張りだす |
この繰り返しです。
カンタンですよね。
「悪さをしている部分」を解消できれば、カンタンに直るんです。
重度なバックラッシュは、「2.引っ掛かりを感じたら、引っ掛かり部分を指でつまんで引っ張り出す」と言う行為が、喰い込んでしまって逆洗が出来ないんですね。
ラインが細ければ細いほど、ルアーウェイトが重ければ重いほど深く喰い込んでしまい、引っ掛かり部分が分かりにくくなります。
ですからベイトリールでのPEラインは、太い方が扱いやすいって言われるんですね。
もちろん、ラインの太さと使用するルアーウェイトのバランスも重要です。
適切なバランスで使用していれば、バックラッシュもそれほど重症化せず、一瞬で直せちゃいます。
そして、このメカニズムが分かってくると、リーダーの重要性も分かってきますよね。
僕はリーダーは基本的にナイロンラインを使用して、最低でも1ヒロはとっています。
伸縮性のあるナイロンラインを使用する事によってバックラッシュの衝撃を緩和してくれるので、スプールへの喰い込みも軽くなるんです。
ベイトリールにとってのリーダーは、ただの摩耗対策だけでは無いんですね。
”ショック”リーダーとして、高切れ防止、PEラインへのダメージ防止と言った重要な役割もあるんです。
このあたりはまた詳しく書こうと思います^^
書いたらコチラの記事か、ツイッターでアナウンスしますね。
暗闇でも灯りを点けずにバックラッシュを直す方法
さて、バックラッシュの直し方は以上ですが、上記のやり方は手元を見なくても余裕で出来ます。
手順としては以下の通りでした。
|
手順「1」はいいですよね。
暗闇で分かりにくいのは手順「2」です。
手順「2」は、この悪さをしている部分を指でつまんでラインを引き出します。
コレを、
「手元を見ずに手探りでやってしまおう!」
と言うことです。
「そんなこと出来るの?見なきゃわかんねーじゃん」
と思われるかも知れませんが、出来ます。割とカンタンに^^
確かに悪さをしている部分を、ピンポイントでつまむのは難しいです。
けれど手探りでもその辺りを、「つまんで引き出す、つまんで引き出す」と言う行為を何度か行えば、
手応えで悪さをしている引っ掛かりを感じることが出来るハズです。
引っ掛かりを解消できたなと思えば、今度は手順「3」でラインを引き出してやればOKです。
どこまで引き出せばいいのかは、ロッドを持っている手でサミングをしながら、指当たりが良くなるまで引き出します。
スプール上でラインがごちゃごちゃっとなっているうちは、必ず指当たりで分かります。
指に何かデコボコした感触があるハズ。
そのデコボコした感触が無くなり指当たりが良くなったら、バックラッシュしている部分が完全に引き出されたと言うことです。
引き出す途中でまた強く引っ掛かりがあって引き出せない様だったら、再度手順「2」を行うって感じです。
僕は基本的にこのやり方で、7割方は灯りを点けずに直します。
まあ、ただ「慣れ」と言うのは大きいですので、慣れるまではムリをせず灯りを点けて直してください。
ムリをして重症化してもアホらしいので^^
と言うか、最初はちゃんと見ながら直した方がいいです。
ちゃんと、「どこがどう悪さをしているのか」「どこをどう、どの程度引っ張れば良いのか」と言うことを目視で確認することで、
手元を見なくてもイメージすることが出来る様になります。
ですから慣れるまではムリをせず、灯りを点けてやってくださいね。
PEラインのバックラッシュを直すときの注意点
今回お伝えした方法に限らず、PEラインのバックラッシュを直すときに必ず注意して貰いたいポイントがあります。
それは、引き出したラインの処理です。
ご存知PEラインと言うのは、非常に傷に弱いです。
何かに引っ掛けるとカンタンに傷が入ってしまい、その傷からいともカンタンにラインブレイクしてしまいます。
周囲の草木やコンクリート、ライフジャケットのファスナー部分とかに引っ掛けない様に注意しましょう。
特に細いPEラインを使っている方は要注意です。
細いPEラインは絡まりやすいし、細い分、傷にも弱いです。
そう言う意味でも、ベイトリールで太いラインを使うメリットって大きいんですよね。
もし、引っ掛かったなと思ったら、その時はムリに引っ張らず優しくほどいてやってくださいね^^
【ベイトリール】PEラインでバックラッシュした時の超絶簡単な直し方【まとめ】
さて今回は、
「超カンタンなベイトリールでPEラインを使用していてバックラッシュしたときの直し方」
と言うテーマでお話ししました。
手順は以下の通り。
1.ラインをルアーの放出方向に引っ張りだす
2.引っ掛かりを感じたら、引っ掛かり部分を指でつまんで引っ張り出す(逆洗) 3.ある程度引っ張ったら、再びラインをルアーの放出方向に引っ張りだす |
この繰り返し。
今日のお話をまとめると、たったコレだけです。
ベイトリールでPEラインを使うのって敬遠されがちですが、バックラッシュの解消も全然難しくないんですね。
要は、「悪さをしている根源」を見つけてやれば、PEラインのバックラッシュはカンタンに直せるんです。
闇雲にラインを引き出しても直せません。
ですが、
「なぜバックラッシュは起こったのか」
「なぜラインは絡まっているのか」
と言うことを理解出来れば、直すのはめっちゃカンタンなんです。
悪さをしている部分を的確にやっつけてやりましょう。
ですから慣れるまではきちんと目視して、
「はは~ん、コレが悪の根源だな」
と言うのを見つけてやってください^^
PS
今回の説明、分かりにくかったらスミマセン。
もっと分かりやすい画像が撮れたり説明が出来そうなら、随時更新していきますね。
本当は動画でお伝えできればもっと分かりやすいのかもしれませんが、それはまた機会があればやってみたいと思います。
「ベイトリール×PEライン」についてはコチラに記事をまとめていますので、良かったら読んで下さい。
きっとお役に立てると思います^^
PPS
そうそう、ラインカッターとニードルのコラボ商品のリンクです。