今回は、
ベイトリールはラインを細くすると飛距離は伸びるの?
と言う疑問にお答えします。
早速結論を言ってしまうと、
理屈からすればラインを細くすると飛距離は伸びる。
けれど、こと実釣においては太いほうが飛距離が伸びる場合がある。
とお答えします。
色々と反論がありそうな結論ですが、先日ベイトリール大百科読者様のJさんから、
「ベイトリールで飛距離を少しでも出したいんだけど、PE0.8号を使うのは無謀ですか?」
と言ったご質問をいただきました。
何度かメールでやり取りをしたのですが、最終的にJさんは飛距離とかどうでも良くなったそうです^^
今回はいつものような形ではなく、そのやり取りを対談のような形でお伝えしたいとしたいと思います。
※サイトアップ用に編集、修正、プライベートに関わることなどは割愛してありますのでご理解の程お願いいたします。
【ベイトリール】ラインを細くして飛距離は伸びるの?
はじめまして。
いつも参考にさせてもらってます。
本題なんですがレイクトラウトで10〜18グラムのメインの釣りをしています。
これまで15カルコン101にpe1号で釣りをしていました。
これまで特に不都合はありませんでした。
今季カルコンの201XGを購入しました。
少しでも飛距離を出す為に細いpe0.8を巻こうと思いますが無謀ですか?
いつもご愛読下さりありがとうございます。
ご質問の件ですが、あくまでも個人の意見としては「厳しい」と思います。
もちろん個人のスキルが大きく影響しますが、僕ならやらないです。
正直、PEラインを1号から0.8号にしても、ビックリするほど飛距離は変わらないと思います。
ほんの少しでも飛距離が必要、と言うのなら分からなくもないですが、僕的にはリスクの方が大きいかなと。
僕の意見としてはこんな感じですね。
メッセージありがとうございました。
早々のご返信本当にありがとうございます。
飛距離があまり変わらないとの事ですが個人のスキルを抜きにして、例えばPE1号と1、5号でもそこまでの変化はないと言うことですか?
お時間がある時で構いませんのでご返信お願いします。
またもしコージさんが私と同じ状況下でキャスティングの釣りをするとした場合、どの様なタックルセッティングで行うか参考までに知りたいです。
宜しくお願いします。
物理的なことを言えば、ラインは細い方が飛距離は伸びます。
ですから1号と1.5号では、1号の方が飛距離は伸びます。
けれども、
・ベイトリールはスピニングリールほど太さで飛距離に影響が出ない。
・ベイトリールで細いPEラインは扱いがシビアになる。
と言うことを考えると、
「むしろ太い方が飛距離がでる」
と言えるんです。
要は、トラブルリスクの少ない太いラインの方が思いきってロッドを振り切れますからね。
「物理的に」と言うことと、「こと実釣において」では、結果が違うと言うことです。
一発の最大瞬間飛距離は1号の方が伸びるかも知れませんが、一日投げたトータルのアベレージ飛距離は、
「トラブル無く快適に投げられる1.5号の方が出る」
と言うことも十分にある、と言うことですね。
言い替えると、
・キャストフォーム、サミングが上手いベテランはラインが細い方が飛距離がでる。
・キャストスキルが拙いビギナーはラインが太い方が飛距離がでる。
と言う風にも言えます。
それを踏まえ、「ベイトリールはラインが太くても飛距離に影響を受けにくい」と言う特徴を考えるならば、
飛距離が欲しいだけでラインを細くするのは、ベイトリールの場合はリスクの方が大きいと言うことなんです。
僕だったらPE1.5号を使いますね。
18gのスプーンをフルキャストした場合、僕としては1号以下はちょっと心もとないです。
実際僕が7~18gのルアーを多用している本流トラウトでは、るPEラインは1.5号を使ってます。
本音としてはもっと太くしたいです。
けれども太くし過ぎるとラインが川が流れの影響を受け過ぎてしまいますので、この太さに落ち着いています。
実際のフィールドに立ってみないとなんとも判断しがたいですが、僕ならとりあえず1.5号をセットして、細くしたとしても1.2号だと思います。
あくまでも僕の場合ですが、少なからず「飛距離が欲しい」と言う理由でラインを細くすることはないと思います。
とても的を得た答え…本当にありがとうございます。
「飛距離が必要な釣りなんだから素直にスピニング使えよ」って周りに言われるんですが、どうしてもベイトに拘っていました。
今更スピニング持つ気もありませんので、どうしたらスピニング並の飛距離を出せるかと日々考えてました。
単純に長尺ロッドや細いラインではなく、キャスト時の心理や全体のタックルバランスを考えると、安心して投げれるのが1番なのかもしれませんね。
結局のところスキルや環境も含めて、タックルバランスになりますね。
絶対飛距離だけに固執すると危険です。
例えばいくら飛距離が出るからと言って、「40gのメタルジグにPEライン1号」とかって、実釣においてバランスが悪いです。
もちろん、
「そのくらいおれは余裕だぜ?」
て言うテクニシャンは問題ありません。
けれどもホンの少しのミス、ラインの傷、消耗が高切れに繋がります。
キャスティング大会をやってるワケじゃないんですから、ルアーウェイトに応じたラインの太さは必要です。
逆に言うと、「太いラインで飛距離が伸びる」と言うのがベイトリールの強みです。
重いルアーでPE2号を使うなら、スピニングリールより飛ぶ場合もあります。
ラインが太ければ重いルアーも安心してキャストが出来ますし、そもそも重いルアーはラインを太くしなければ釣りになりません。
ラインも太いなら太いなりのメリットがあるんですね。
例えば太いPEが使えれば、PEより弱いリーダーを使えます。
そうすればラインブレイクは基本ルアーの結び目ですし、メインラインのPEも痛みにくいです。
スピニングリールでは考えられない太いPEラインを使っていると、
「お前らそんな細いラインでビクビク使ってるの?」
「お前らまたライン切れたの?またシステム組んでんの?」
となるワケです。
結構ラフに使っても大丈夫ですし、大物とのやり取りの安心感、ルアーロストのリスクが小さくなるのは心理的に大きいです。
ですから「太いラインを活かす釣り方」をすれば、スピニング勢に負けるなんてことはないですよ(^^)
つまり、「わざわざ同じ土俵で勝負する必要なんて無いと」言うことです。
僕はレイクトラウトはやったこと無いですけど、あれってむしろ太いラインの方が使いやすい印象ですけどね。
例えばしゃくり上げてフォールするとき、ラインの浮力があればより垂直方向にスプーンが跳ね上がります。
まあ、そればっかりが良いと言うワケじゃないでしょうけど(^^)
「太くても飛距離が落ちにくい」
と言うベイトリールの強みを活かしたらどうでしょうか。
僕もベイトリールは止められません。
なぜなら、おもしろいから。
ベイトリールを使う理由なんてそれだけで十分じゃないですかね。
趣味なんですから(^^)
またお気軽にご質問、ご相談ください。
追記
スピニングリールより飛距離を出したいなら、重いルアーを投げることです。
重いルアーはラインも太くせざるを得ないですから(^^)
こんなにベイトリールの話でワクワクしたのは6年ぶりです…
レイクの釣りなんですが…
場所は〇〇湖なんです。
とても遠浅なフィールドでブレイクの釣りではなく、リトリーブの釣りになります。
なかなか特殊なフィールドで重いルアーを遠投しても、リトリーブ中にすぐにボトム着底してしまいます。
使えても15グラムが限界なんです。
みんなジグミノーメインで釣りをしますが、どうしてもスプーンに拘りたくて…
変な拘りばかりでここ5年釣果が本当に乏しいです…
ここまで来たら最後までベイトに拘りたいんですが、同じウエイトのスプーンを隣で投げられると明らかに飛距離が違います…
毎回毎回切なくて…
僕も話をするだけで楽しいです(^^)
ジグミノーやスプーンならベイトリールも頑張れるかもですが、まあ、スピニングの細ラインPEに飛距離で張り合うのはちょっと厳しいかも知れません…
ただ、考え方次第だと思うのですよ。
どうしても届かない先にポイントがあるのなら仕方ありませんが、ぶっちゃけ魚がいるのはほとんど手前です。
トラウトなんてほとんど岸際5mくらいだったりします。
「飛距離が出ない」と言うのは言い替えると、「キャスト数が増える」と言うことですよね。
1キャストのリトリーブしている時間が短いワケなのですから。
と言うことは、「魚のいる岸際を多く攻めることが出来る」と言う風に考えることが出来ます。
ですから飛距離は出ないなりに攻めることも出来るんですね。
こう考えると、けっこう飛距離とかどうでもよくなります。(笑)
まあ、僕も気持ちよくかっ飛ばしたいとは思ってますし、少しでも飛ばしたいと言う気持ちはありますけどね。
けれどもどれだけ飛んだかとか、他人との比較はホントどうでもよくなりました(^^)
スプーンをフルキャストしても、喰ってくるのは結局手前5mのカケアガリという事がほとんどだったりする…
こんな話に何度も何度も素敵な返信ありがとうございます。
嬉しいです…
なんか飛距離がどうでも良くなって来ちゃいましたw
でも釣果は全力で求めます。
ベイトでしか出来ない釣りをしたいと思います。
僕は永遠のベイトキャスターでありたいです!
イヤ、僕も楽しいですから(^^)
メッセージありがとうございます。
僕も永遠にベイトキャスターですね。
メリットとかデメリットとか、どうでも良いです。
楽しいですから。
釣り歴35年超えますけど、いまだにワンキャストごとに幸せ感じるのは、ベイトリールだからだと思います。
釣果はもちろん、楽しんでいきましょう!
ありがとうございます。
4月の解禁に向け1.5号のPEラインを巻きます。
とても清々しく堂々とベイトタックルで挑みたいと思います。
本当にありがとうございました。
誇り高きベイトキャスターとして、今後も飽くなき探究心と尽きることの無い情熱で楽しみます。
釣果報告は出来ないかもしれませんがまたメールさせてください。
ネットでの出会いに抵抗がある人間でしたが、今回の出会いは僕の中でとても価値のある出会いでした。
思い切ってメールしてよかったです。
~プライベートな事なので省略~
返信が遅くなってしまいしまいスミマセン。
僕もベイト仲間、それもトラウトマンとお話しが出来て楽しかったです。
海無し県在住なので、なかなか釣りの時間が取れない最近は近場のトラウト中心なのです。
何年もやってますけど、トラウトは何だかんだと一番悩み多き釣りな気がします(^^;
特に本流は、本気になればなるほど釣れない…
それだけにおもしろいんですけど。
~プライベートな事なので省略~
またお気軽にメールください(^^)
ベイトリールは太いラインが使いやすい、と言う強み
Jさんとのやり取りは以上になります。
ベイトリールを楽しまれている方とお話ができて、僕もとても楽しかったです。
今回は単純に質問に対するアンサーだけでなく、Jさんとのやり取りを聞いて貰いたかったので、あえて対談形式で書かせていただきました。
気持ちは痛いほどわかるのですが、皆さん飛距離にこだわり過ぎなんじゃないかと思います。
もちろん飛距離を出さなきゃ釣れない場合があると言うのも理解できます。
けれども飛距離を出したいからと言って使いにくくなるほどラインを細くしてしまったら、せっかくのベイトリールのいいところが無くなってしまいます。
もちろん僕も細いPEラインを使うこともあります。
0.8号、0.6号と言ったPEラインも使います。
けれどその場合は、それなりに軽いルアーをキャストするときです。
PE0.8号でしたら5~10gくらいの軽量ルアー中心のとき、0.6号でしたら5g以下のベイトフィネスクラスのルアーを使うときとか。
僕の場合はだいたいそんな感じです。
軽いルアーを使うときは、やはり細いラインの方が扱いやすいです。
軽いルアーはラインの喰い込みや高切れと言ったトラブルリスクも小さいですから、細いラインを使っても大きなトラブルに繋がりにくいんです。
ですからやはり、それも踏まえてタックルバランスなのですね。
せっかくベイトリールは、「太いラインが扱いやすい」と言うめちゃくちゃ強い武器を持っているのですから。
ですからせっかくベイトリールを使っているなら、「ベイトリールだから出来ること」を意識した方が快適に釣りが出来ます。
なによりその方が幸せです^^
【ベイトリール】ラインを細くして飛距離は伸びるの?【まとめ】
さて、今回お伝えしたかったことをまとめますね。今回は、
ベイトリールはラインを細くすると飛距離は伸びるの?
と言う疑問にお答えしました
僕の回答をまとめますと、
ラインを細くすれば飛距離は伸びる。
けれどもこと実釣においては、太い方が補距離が伸びる場合もある。
なぜなら、ラインが太い方がトラブルなく思い切って振り切れるし、そもそも飛距離の出る重いルアーを使うならラインを太くする必要がある。
で、それだった結局、
「ラインを太くすることのメリットを活かす釣り方をした方が良い」
と言う事です。
そもそも本当は、スピニングリールと同じ土俵で考えること自体がナンセンスなんです。
役割や特徴がベイトリールとスピニングリールとは違うんですから。
太PEラインベイトリールを使ってると、本当に釣りが快適ですよ。
トラブルは少ないしバックラッシュは直しやすいし、PEラインもリーダーも長持ちします。
ベイトリールは糸ヨレもほとんどないですしね。
ルアーロストはルアーは結び目なので、必要以上にラインを水中に残さないのもありがたいです。
「太いPEラインをベイトリールで使う」
と言うメリットは、思いの他たくさんあるんですね。
僕も飛距離を出したいという気持ちはとっても良くわかりますし、飛距離を出さなきゃいけないときがあるのも分かります。
けれど、サカナって大概手前にいるんですよね。
だったら、サカナをいるところにルアーをたくさん通した方が釣れる確率が上がる。
と言う考え方もわかると思います。
ですから、考え方次第ですね。
「自分の出来る強みを活かす」と言うことが出来れば、趣味の釣りはもっと楽しくなるんじゃないかと僕は思います^^
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