ベイトリールは特徴を活かした使い方をすれば、初心者であってもメチャクチャ使いやすいリールです。
「ベイトリールは初心者には難しい」
タマにそんな声も聞こえて来ますが、ベイトリールの特徴を理解して使えば、初心者だろうがベイトリールのメリットを最大限活かす使い方って、問題なく出来るんですね。
僕はベイトリールジャンキーなんで全てのシチュエーションにおいてベイトリールを使っていますが、本来適材適所で使えばこれほど便利で使いやすいリールはありません。
その証拠にシビアな戦いをしているバスプロ達のタックルを見ると、ズラッとベイトタックルが並んでいます。
出典:ダイワ
- 難しい
- スピニングの方が使いやすい
なんて声も聞こえてきますが、ベイトリールは特徴を活かして使用すれば間違いなく便利で使いやすいリールです。
ザックリベイトリールの特徴を言ってしまうと、
- 重めのルアーが使いやすい。
- 太いラインが使いやすい。
- 「キャスト→巻く」が切り返しがスムーズ。
こんな釣りに使うとベイトリールはめちゃくちゃ便利で使いやすいです。
では今回は「初心者がベイトリールを最大限活かす使い方」について詳しく書いてみたいと思います。
目次
初心者がベイトリールを最大限活かす使い方
「ベイトリール初心者がどんな状況で使うのが、ベイトリールを最も生かせる使い方か」
と言う事を一言で言うのなら、
「ベイトリールの特徴を活かした釣り」
と言うことなんですね。
つまり冒頭でも述べた、
- 重めのルアーが使いやすい。
- 太いラインが使いやすい。
- 「キャスト→巻く」が切り返しがスムーズ。
こんな使い方で、その使い方がブラックバスにガチっとハマっているワケなのです。
ですが最近ではブラックバスに限らず、シーバスなどのソルトウォーターシーン、トラウトなんかでもベイトリールを使った釣りが脚光浴びています。
ですから、これまでスピニングリール一辺倒だったアングラーも、「ベイトリールを使ってみたい」って言う声も結構聞こえてきます。
僕の周囲にもベイトリールの沼にハマってしまった人がいます^^
まあ、これまでもシーバスをベイトタックルで釣るというのは以前からもあったわけですけど、一過性のブームの様な感じであまり続かなかったんですよね。
ダイワも以前からシーバス用ベイトロッドを出してはいたのですが、いつの間にか廃版になっている、と言う様な感じです^^;
バスフィッシングをやる人にとっては当たり前の様にベイトリールを使っていますが、ベイトリールにはメリットもデメリットもあるのです。
ですからまずベイトリールを最大限活かすために、スピニングリールと比べたベイトリールの特徴を説明したいと思います。
ベイトリールとスピニングリールの違い
1.巻き取る力が強い
ベイトリールの大きな特徴の一つに比べて巻き取る力が強い、という事が挙げられます。
ですから巻き抵抗の大きなクランクベイト、バイブレーション、スピナーベイトなどには非常に使いやすいです。
実際、ブラックバスでこれらのルアーを使う人の99%がベイトリールを使っていると思います。
(99%に根拠もデータもありません^^; そのくらい当たり前にって意味で)
巻きとりが強い理由はその構造にあります。
スピニングリールは固定されたスプールの周囲をベールが回転して、スプールにラインを巻き付けていきます。
対してベイトリールは、スプールそのものが回転してグリグリラインを巻き取っていきます。
つまり、スプールに対してよりダイレクトに力を伝える事が出来るので、より強大なトルクを発生させることが出来るのです。
要はウィンチの様なイメージです。
これにより、掛けた魚を一気に障害物から引き離したり、ディープクランクなどの巻き抵抗が強いルアーなどもグリグリ巻いてこれると言うことです。
2.リールが頑丈で安い
上記でも説明したようにスピニングリールは、ハンドルの回転に対して回転の向きを変えなければなりません。
そのためどうしても構造が複雑になり、部品点数が多くなってしまいます。
つまり、その分価格が上がります。
対してベイトリールはスプールとハンドルの回転の向き同じなので、回転の向きを変える必要が無く、部品点数が少なくて作りが頑丈になります。
同じ価格ならベイトリールの方がより安く、よりタフなリールを作る事が出来るという事です。
言ってしまえば、同じ価格でよりハイエンドクラスのリールを使う事が出来るので、オトクな気分になれます^^
3.糸ヨレが無い
スピニングリールはベールが回転してスプールにラインを巻き付けていく、と言うお話をしました。
ですので構造上、使用すればするほどどうしても”糸ヨレ”が発生してしまいます。
スピニングリールはこれを避けて通る事は出来ません。
特に大物に何度もドラグでラインが引き出されてしまうとラインがヨレてしまい、スプールからラインがズボッと抜けてしまう様なトラブルも多くなってしまいます。
対してベイトリールはウィンチの様にスプールそのものが回転してラインを巻き取っていきますので、糸がヨレるという事がありません。
糸ヨレはライントラブルの大きな原因であり、糸ヨレが発生しにくいというのはベイトリールの大きなメリットです。
4.太いラインが使える
太いラインが使いやすいと言うのは、ベイトリール最大のメリットと言っても過言ではないかもしれません。
実際、スピニングリールで太いラインを使うと悲惨なものです。
太いラインと言うのはどうしても”巻き癖”も強くなってしまいます。
巻き癖が強いとキャストした時にスプール上ラインが膨れ上がってしまい、一気にズボっとラインが抜けてしまいます。
まあ、糸ヨレの時のトラブルと同じですね。
ですので、どうしても太いラインを使うのは難しくなってしまうのです。
加えてスピニングリールでは太いラインを使うと、ルアーの飛距離が激減します。
ですがベイトリールでは太いラインを使っても飛距離に影響しにくいです。
太いラインを使えないという事は、ストラクチャー周りやハードなブッシュを果敢に攻める事が物理上、厳しくなってしまいます。
「サカナを獲る」と言うことに関して、太いラインが使えるというのはメチャクチャ強力な武器なのです。
根が掛かりによるルアーロストも痛いですしね^^;
ですからその辺りはベイトタックルの独壇場とも言えます。
太いラインが浸かればルアーロストも恐れず、魚に潜られてしまう事も恐れず、ヘビーカバーの奥を果敢に攻める事が出来ます。
5.キャストコントロールがしやすい
ベイトリールはスプールに直接親指を置いてラインの出方をコントロールできますので、キャストコントロールがしやすいという特徴もあります。
ここ!って言うピンポイントを狙ったり、ヘビーカバーの奥の奥へ投げ込んだり、非常にキャストコントロール性が良いです。
さらにスピニングリールに比べてロッドに近い位置に、一番の重量物であるリールがありますので重心がよりロッドに近くなります。
つまり、キャストした際にロッドがブレにくいという事になり、キャスト精度を上げてくれる要因の一つにもなります。
6.手返しが良い
ベイトリールは、
キャスト ⇒ リーリング ⇒ クラッチを切る ⇒ キャスト
と言う工程をウルトラにスムーズに行う事が出来ます。
スピニングリールだと、ラインを指に引っ掛けてベールを起こしてからキャストをします。
この工程がベイトリールだと、スプールを親指で押さえながらクラッチを切ってキャストと言う工程を、ロッドを振りながら行う事が出来る訳です。
マシンガンの様にキャストを繰り返すような釣りだと、この差はかなり大きくなってしまいます。
もちろん、釣り方にもよりますが、「キャスト数=釣果」と言っても過言ではありませんので、スムーズなキャストの連続はベイトリールの独壇場とも言えます。
例えば渓流ベイトの様なショートキャストを繰り返す、ブラックバスで葦際を流していく、そんな釣りには最適です。
7.ラインの出し入れがしやすい
ルアーの飛距離のコントロール、強風が吹いているときに少しでもラインスラッグを押さえたい時などは、親指一つでラインの出方をコントロールできるベイトリールは強いです。
また、河川や潮が流れている時などは、流れに合わせてラインを瞬時に出し入れできるのはもはやベイトリールならでは芸当です。
最近はやっている流れに合わせて流すドリフトなんかも、ベイトリールは使いやすいです。
クラッチを切るだけで自由にラインを送り込め、さらに送り込んでいる最中のアタリを取ることが出来るのはベイトリールならではです。
コレは手返しの早さにもつながるのですが、ルアーのタラシの調整もウルトラスムーズです。
例えばルアーを巻きすぎてタラシが短い、なんてとき、スピニングリールだともう一回ベールを戻してハンドルを回してもう一回ベールを起こしてラインを出してやる必要があります。
しかもスプール一回転分の調整になりますから微調整も難しいのです。
ですがベイトリールは、親指のさじ加減一つで自由に調整する事が出来ます。
慣れればキャストの動作中にミリ単位でタラシの調整をすることもできます。
ベイトリールのデメリット
ここまでベイトリールについていい事ばかり書いてきましたが、何でもかんでもベイトリール最強というワケではありません。
もちろんベイトリールにもデメリットは存在します。
その欠点も理解してこそ、より的確にベイトリールを使いこなすという事につながってきます。
1.バックラッシュ
初心者にはベイトリールは難しいと言われる所以は、おそらくこのバックラッシュと言うトラブルによるものでしょう。
ベイトリールはその構造上、キャストした時にスプールが回転してラインが放出されて行きます。
つまり、ラインの放出量より、スプールの回転が多くなってしまうとスプール上でラインが膨れ上がってしまい、バックラッシュと言うライントラブルが起こってしまいます。
これは、構造上の問題ですので、初心者だろうがベテランの上級者だろうが起きるときは起きてしまいます。
ですが最近のベイトリールは性能がメチャクチャいいので、過度にバックラッシュにビビる必要はありません。
バックラッシュを防ぐ機能が、スプールの回転を制御するブレーキです。
ブレーキは主に、
- マグネットブレーキ(主にダイワ)
- 遠心ブレーキ(主にシマノ)
- デジタルコントロール(DC)ブレーキ(主にシマノ)
があり、これらを調整する事によってバックラッシュを防ぐ事が出来る様になっています。
この3つにはそれぞれ特徴がありますので、それについてはまた後日説明したいと思います。
最近のベイトリールはこのブレーキ機能がかなりの高性能になっていて、上級者には物足りないと思えるほどのトラブルレスになっています。
ハッキリ言って、「初心者だから」と言う理由でベイトリールを避けるのは、もはや理由にならないと言ってもいいくらいだと思っていいです。
2.軽いルアーのキャストには向かない
ベイトリールはスプールが回転してラインを放出するというのはお伝えしましたよね。
つまりスプールが回転するという事はスプールを回転させるために、それなりのエネルギーも必要となります。
ですので言い替えると、軽いルアーのキャストにはどうしても向いていません。
最近はベイトフィネスと言って軽いルアーも投げなれるベイトリールもどんどんでてはいますが、「軽いルアーのキャスト」という意味ではスピニングリールに軍配があがることは間違いないでしょう。
とは言え、現在では1グラム、2グラムと言ったルアーでもながることが出来るベイトリールもありますから、どうしてもベイトリールが使いたいのならそれなりに対応は十分に出来ます。
初心者がベイトリールを最大限活かす使い方 まとめ
ベイトリールの特徴をまとめますと、
太いラインが使え巻きとる力が強いし飛距離も出る、そして手返しが良くてキャスト精度がいい
と言った感じになります。
ではどんな釣り方に合っているのかと言うと、
- 魚をカバーから一気に引きはがす必要がある、カバーを狙っていく釣り
- バイブレーションやクランクベイトなどの巻き抵抗があるルアー
に使用するのが最適です。
- カバーの奥の奥に狙いすませてルアーをぶち込み、ランカーを一気に引きはがす。
- 着水バイトをガツンと合わせる。
- バイブレーションなどで広範囲を素早く探っていく。
- ショートキャストでテンポよく探っていく。
こんな釣りはベイトリールの独壇場と言えます。
スピニングリールとの使い分けを考えるなら、
- ベイトリールは重いルアーを使った速いテンポのストロングな釣り
- スピニングリールは軽いルアーを使った遅いテンポの繊細な釣り
と言う感じでしょうか。
もちろん、重いルアーをを使った遅い釣りという事も十分にありますが、使い分けに迷ったらこんな感じで使い分けるのが、最も効率的にベイトリールを最大限に活かす使い方になるんじゃないかと思います。
まあ、僕はベイトリールが好き過ぎて、デメリット関係なく使ってますが^^