ベイトリールは初心者には難しい
タマにそんな声も聞こえて来ますが、ベイトリールの特徴を理解して使えば、初心者だろうがベイトリールのメリットを最大限活かす使い方って、問題なく出来るんですね。
今回は「初心者がベイトリールを最大限活かす使い方」について書いてみたいと思います。
目次
初心者がベイトリールを最大限活かす使い方
出典:ダイワ
「ベイトリール初心者がどんな状況で使うのが、ベイトリールを最も生かせる使い方か」
と言う事を一言で言うのなら、
「ベイトリールの特徴を活かした釣り」
と言うことなんですね。
最近ではシーバスなどのソルトウォーターシーンでも、ベイトリールを使った釣りが脚光浴びています。
ですから、普段はあまり使わないけど「ベイトリールを使ってみたい」って言うソルトユーザーも結構いる様なのです。
まあ、シーバスをベイトタックルで釣るというのは以前からもあったわけですけど、一過性のブームの様な感じであまり続きませんでしたね。
ダイワも以前からシーバス用ベイトロッドを出してはいたのですが、いつの間にか廃版になっている、と言う様な感じです^^;
まあ、バスフィッシングをやる人にとっては当たり前の様にベイトリールを使っていますが、ベイトリールにはメリットもデメリットもあるのです。
ですからまず、スピニングリールと比べたベイトリールの特徴を説明したいと思います。
ベイトリールとスピニングリールの違い
1.巻き取る力が強い
ベイトリールの大きな特徴の一つに比べて巻き取る力が強い、という事が挙げられます。
スピニングリールは固定されたスプールの周囲をベールが回転して、スプールにラインを巻き付けていきます。
対してベイトリールは、スプールそのものが回転してラインを巻き取っていきます。
つまり、スプールに対してよりダイレクトに力を伝える事が出来るので、より強大なトルクを発生させることが出来るのです。
これにより、掛けた魚を一気に障害物から引き離したり、ディープクランクなどの巻き抵抗が強いルアーなどもグリグリ巻いてこれる訳です。
2.リールが頑丈で安い
上記でも説明したようにスピニングリールは、ハンドルの回転に対して回転の向きを変えなければならないので、どうしても構造が複雑になり部品点数が多くなってしまうので、価格が上がります。
対してベイトリールはスプールとハンドルの回転の向き同じなので、回転の向きを変える必要が無く、部品点数が少なくて作りが頑丈になります。
同じ価格ならベイトリールの方がより安く、よりタフなリールを作る事が出来るという事です。
つまり、同じ価格でよりハイエンドクラスのリールを使う事が出来るので、オトクな気分になれます^^
3.糸ヨレが無い
スピニングリールはベールが回転してスプールにラインを巻き付けていくというお話をしました。
ですので、構造上どうしても”糸ヨレ”が発生してしまいます。
スピニングリールはこれを避けて通る事は出来ません。
使えば使うほどラインがヨレてしまい、スプールからラインがズボッと抜けてしまう様なトラブルも多くなってしまいます。
対してベイトリールはウィンチの様にスプールそのものが回転してラインを巻き取っていきますので、糸がヨレるという事がありません。
4.太いラインが使える
スピニングリールで太いラインを使うと悲惨なものです。
太いラインと言うのはどうしても”巻き癖”も強くなってしまいます。
巻き癖が強いとキャストした時にスプール上ラインが膨れ上がってしまい、一気にズボっとラインが抜けてしまいます。
まあ、糸ヨレの時のトラブルと同じですね。
ですので、どうしても太いラインを使うのは難しくなってしまうのです。
太いラインを使えないという事は、ストラクチャー周りやハードなブッシュを果敢に攻める事が物理上、厳しくなってしまいます。
根が掛かりによるルアーロストも痛いですしね^^;
その辺りはベイトタックルの独壇場とも言えます。
太いラインが使えますのでルアーロストも恐れず、魚に潜られてしまう事も恐れず、ヘビーカバーの奥を果敢に攻める事が出来ます。
それとスピニングリールはラインの放出抵抗が大きいので、太いラインだと飛距離が出ないという事もあります。
5.キャストコントロールがしやすい
ベイトリールはスプールに直接親指を置いてラインの出方をコントロールできますので、キャストコントロールがしやすいという特徴もあります。
ここ!って言うピンポイントを狙ったり、ヘビーカバーの奥の奥へ投げ込んだり、非常にキャストコントロール性が良いです。
さらにスピニングリールに比べてロッドに近い位置に、一番の重量物であるリールがありますので重心がよりロッドに近くなります。
つまり、キャストした際にロッドがブレにくいという事になり、キャスト精度を上げてくれる要因の一つにもなります。
6.手返しが良い
ベイトリールは、
キャスト ⇒ リーリング ⇒ クラッチを切る ⇒ キャスト
と言う工程を非常にスムーズに行う事が出来ます。
スピニングリールだと、ラインを指に引っ掛けてベールを起こしてからキャストをします。
この工程がベイトリールだと、スプールを親指で押さえながらクラッチを切ってキャストと言う工程を、ロッドを振りながら行う事が出来る訳です。
マシンガンの様にキャストを繰り返すような釣りだと、この差はかなり大きくなってしまいます。
もちろん、釣り方にもよりますが、「キャスト数=釣果」と言っても過言ではありませんので、スムーズなキャストの連続はベイトリールの独壇場とも言えます。
7.ラインの出し入れがしやすい
ルアーの飛距離のコントロール、強風が吹いているときに少しでもラインスラッグを押さえたい時などは、親指一つでラインの出方をコントロールできるベイトリールは強いです。
また、河川や潮が流れている時などは、流れに合わせてラインを瞬時に出し入れできるのはもはやベイトリールならでは芸当です。
更にルアーのタラシの調整も、スピニングリールだともう一回ベールを戻してハンドルを回してもう一回ベールを起こして、しかもスプール一回転分の調整になりますから微調整も難しいのですが、ベイトリールは親指のさじ加減一つで自由に調整する事が出来ますので、ウルトラスムーズに出来る訳です。
ベイトリールのデメリット
ここまでベイトリールについていい事ばかり書いてきましたが、何でもかんでもベイトリール最強という訳ではありません。
ベイトリールにも欠点は存在します。
その欠点も理解してこそ、より的確にベイトリールを使いこなすという事につながってきます。
1.バックラッシュ
初心者にはベイトリールは難しいと言われる所以は、おそらくこのバックラッシュと言うトラブルによるものでしょう。
ベイトリールはその構造上、キャストした時にスプールが回転してラインが放出されて行きます。
つまり、ラインの放出量より、スプールの回転が多くなってしまうとスプール上でラインが膨れ上がってしまい、バックラッシュと言うライントラブルが起こってしまいます。
これは、構造上の問題ですので、初心者だろうがベテランの上級者だろうが起きるときは起きてしまいます。
これを防ぐ機能がスプールの回転を抑制するブレーキです。
ブレーキは主に、
マグネットブレーキ
遠心ブレーキ
デジタルコントロール(DC)ブレーキ
があり、これらを調整する事によってバックラッシュを防ぐ事が出来る訳です。
この3つにはそれぞれ特徴がありますので、それについてはまた後日説明したいと思います。
最近のベイトリールはこのブレーキ機能がかなりの高性能になっていて、上級者には物足りないと思えるほどのトラブルレスになっています。
ハッキリ言って、「初心者だから」と言う理由でベイトリールを避けるのは、もはや理由にならないと言ってもいいくらいだと思います。
2.軽いルアーのキャストには向かない
ベイトリールはスプールが回転してラインを放出するというのはお伝えしましたが、スプールが回転するという事はスプールを回転させるためにそれなりのエネルギーも必要となりますので、軽いルアーのキャストにはどうしても向いていません。
最近はベイトフィネスと言って軽いルアーも投げなれるベイトリールもどんどんでてはいますが、「軽いルアーのキャスト」という意味ではスピニングリールに軍配があがることは間違いないでしょう。
とは言え、現在では1グラム、2グラムと言ったルアーでもながることが出来るベイトリールもありますから、どうしてもベイトリールが使いたいのならそれなりに対応は十分に出来ます。
初心者がベイトリールを最大限活かす使い方 まとめ
ベイトリールの特徴をまとめますと、
太いラインが使え巻きとる力が強いし飛距離も出る、そして手返しが良くてキャスト精度がいい
という特徴を考えると、
魚をカバーから一気に引きはがす必要がある、カバーを狙っていく釣り
バイブレーションやクランクベイトなどの巻き抵抗があるルアー
に使用するのが最適だと思います。
カバーの奥の奥に狙いすませてルアーをぶち込み、一気に引きはがす。
着水と同時にバイトという事もよくありますし、ラインスラッグはどうしても最小限にしたいですからね。
バイブレーションやクランクベイトなどの巻き抵抗のあるルアーで、速いテンポで広いエリアを探っていくにもやはりて返しのいいベイトリールは最適なのです。
スピニングリールとの使い分けを考えるなら、
ベイトリールは重いルアーを使った速いテンポのストロングな釣り
スピニングリールは軽いルアーを使った遅いテンポの繊細な釣り
と言う感じでしょうか。
もちろん、重いルアーをを使った遅い釣りという事も十分にありますが、使い分けに迷ったらこんな感じで使い分けるのが、最も効率的にベイトリールを最大限に活かす使い方になるんじゃないかと思います。