メンテンナンスが必要であることは分かるけど、ベイトリールのメンテナンスってどのくらいの頻度でやればいいの?
ベイトリールの性能をフルに引き出して、気持ちのいい釣りをしようと思ったらメンテナンスは必須です。
時にはコーヒー牛乳の様なマッディーウォーターにルアーを投げ込み、時には「これ、生活排水だけじゃね?」と言わんばかりのドブ川の様なところにもルアーを投げ込みます。
当然、ラインがその汚れをガンガン拾ってきて、キャストの際には毎分30000回転とも言われるスプールがミストシャワーをリールに浴びせます。
「メンテナンスなんて必要ない」訳がありませんよね^^;
適切なメンテナンスを適切な頻度で行う事であなたの大切なベイトリールを良好な状態に保ち、常にリールのポテンシャルを引き出せるようにしておけば、そのベイトリールを扱うあなたも絶対気持ちが良いハズです。
ですから、リールのメンテナンスは適切な頻度できちんとやる様にしましょうね^^
そこで、今回は「ベイトリールのメンテナンスってどのくらいの頻度でやればいいの?」という事についてお話したいと思います。
目次
ベイトリールの適切なメンテンナンス頻度を知っておけ!【重要】
ベイトリールのメンテナンスと一言に言っても、ざっくり分けると3種類のメンテナンスに分ける事が出来ると思います。
1.スプール周りのメンテナンス(オイルアップ)【メンテナンス頻度 高】
2.リール全体の汚れを落とすクリーニング的メンテナンス【メンテナンス頻度 中】
3.ギアボックス周りを分解するオーバーホール的メンテナンス 【メンテナンス頻度 低】
ざっくりとこの3種類のメンテナンスに分ける事が出来ると思うのですが、やはりそれぞれやる事は変わってきますし、当然、それぞれ手間も変わってきます。
あと多くの方が勘違いしている部分があるのですが、メンテナンスは「やればやるほどいいというモノではない」と言う事です。
つまり、「必要以上にいじくり回して調子を崩す事もある」という事です。
機械保全に関わっている人はよくご存じだと思いますが、「バスタブ曲線」というモノをご存知でしょうか?
出典:アイダエンジニアリング
機械の故障の割合や変化を表す曲線で、その形がバスタブに似ている事からそう呼ばれています。
このバスタブ曲線で言うと、整備した直後と言うのが一番トラブルを起こしやすく、その後しばらく安定稼働をして、またトラブルのリスクが増えていくという事です。
精密機械であるベイトリールもその例外ではなく、調子が良いモノをあまりムダにメンテナンスをする必要もないという事です。
まあ、精密な機械とは言え、ベイトリールって構造がとってもシンプルですのでトラブルが少なく頑丈なリールではあるのですが、適切なメンテナンスをする事によってベイトリールが持つポテンシャルをフルに引き出せれば、気持ちの良い釣りが出来るのは間違いないでしょう。
では、3種類のメンテナンスについて順に説明したいと思います。
1.スプール周りのメンテナンス 【メンテナンス頻度 高】
スプール周りのメンテナンスとは、スプールが回転するのに必要なボールベアリングのメンテナンスの事を指します。
このボールベアリングは正にベイトリールの命と言えるパーツで、ルアーの飛距離やキャストのコントロール性などに大きく影響します。
つまり、気持ちい~キャスティングをする為には、このボールベアリングがきちんと仕事をしてくれる必要があるという事です。
このボールベアリングのメンテナンスは、パーツクリーナーによるベアリングの洗浄と低粘土の専用オイルを注油する事です。
で、その頻度ですよね。
専用オイルを点すのは、釣行ごとに1滴で良いと思います。
このオイルは基本的に低粘土タイプを使用しますので、どうしてもオイル切れが起こりやすいという特徴があります。
ですので、その日の釣行のそのリールの使用頻度、使用状況にによっては、釣行中にもさらに1滴点してもいいと思います。
要は、シーバスフィッシングやオカッパリなど、1つのリールでフルキャストを長時間繰り返す様な釣りですと、一日持たずしてオイル切れの可能性もあるという事です。
パーツクリーナーによるベアリング洗浄は、激しい雨の釣行後や水没してしまった時、「最近イマイチ飛距離が伸びないな」と感じたら行えばいいと思います。
特にオープンベアリングだと回転が命のボールベアリングにゴミなどの異物が入ってしまいやすく、もし入ってしまうとスプールの回転が非常に鈍くなり、キャストフィーリングが途端に悪くなります。
スプールを抵抗のない状態で軽く回してみて、引っ掛かる様な感じがあったりブレーキがに回転が止まったりすれば、ボールベアリングにゴミなどの異物が入り込んでいると思っていいでしょう。
パーツクリーナーによる洗浄 ⇒ 雨の釣行後、飛距離が落ちてきたら
専用オイルを注油 ⇒ 釣行毎に1滴
2.リール全体の汚れを落とすメンテナンス 【メンテナンス頻度 中】
特に汚れやすい場所と言えばやはりレベルワインダー周りだと思います。
水とともに汚れを拾ってきて、キャスト時にスプールの回転で飛び散る水しぶきをモロに受ける場所です。
あなたのベイトリールもよく見てみて下さい。
よく見ると、結構ゴミだらけで汚れていませんか?^^;
レベルワインダーは、キャスティングの時もリーリングの時も常にラインが接触している部分です。
あまりに汚れいるとラインが傷ついてしまい、最悪ラインブレイクに繋がりかねません。
定期的にと言うより、汚れているのが気になったら綿棒でグリグリっと軽く掃除してやると良いと思います。
汚れ落としも兼ねて、海水での使用した時は毎回シャワーで水洗いをした方が良いです。
やはり、塩が侵入してしまうとパーツを痛めてしまいますし、海水が乾燥して塩噛みも発生してしまいます。
それともう一つ、頻度中程度のメンテナンスで、ハンドルノブへの注油があります。
こちらは釣行3~5回に一回で十分じゃないかなと思います。
レベルワインダー周り ⇒ 汚れていた随時
海水での使用時 ⇒ 釣行毎
ハンドルノブ ⇒ 釣行3~5回
3.ギアボックス周りを分解するオーバーホール的メンテナンス 【メンテナンス頻度 低】
最後になりますが、ギアボックス周りを分解して内部の洗浄、グリスアップを行うメンテンナンスです。
まあ、ほとんどオーバーホールですね。
あまりメカに詳しくない、興味が無いという人は素直にメーカーに預けた方がいいと思います。
使用頻度が少なければそれ程やる必要はありませんけど、逆に全く使っていない様だったら使う前に一度やった方が良いかも知れません。
何故なら、あまりに使用していないと中のグリスやオイルが固まってしまって、その機能を果たさないことがあるからです。
オークションなどで中古で購入したリールが「なんかハンドル重い様な・・・」と感じたことありませんか?
あまりに長年使われずに放置されていたベイトリールなんかだと、ハンドルを回した際になんか微妙に重かったり、違和感を感じたりします。
そう言う時は一度分解して古いグリスを全て拭き取り、新しいグリスを塗布した方がいいと思います。
まあ、要はオーバーホールですね。
そこそこ使う人だったら1年に1回くらいはやってもいいと思います。
特に海水での使用がメインとなる人は、水洗いを日頃からたくさんやっていると思いますし、中にも海水やリールを洗った時の水が浸入している可能性もあるからです。
ですので、そう言った方は1年に1回、オフシーズンに入ったくらいのタイミングで一度分解してメンテナンスをするか、メーカーにオーバーホールを依頼した方が良いと思います。
全く使っていなかった場合 ⇒ 使用する前にメンテナンス
ぼちぼち使用の場合 ⇒ 2~3年毎にメンテナンス
海水メインでがっつり使用 ⇒ オフシーズンに年に1回
▶【ベイトリール メンテナンス】海水使用後にやる5つの重要ポイントとは?
ベイトリールの適切なメンテンナンス頻度 まとめ
今回はメンテナンスを行う必要性別に、メンテナンス頻度をまとめてみました。
まあ、ただ実際のところ、「使用頻度、使用環境、日頃のメンテナンスによる」と言う部分が大きいですので、あくまでも目安として参考にして頂けたらなと思います。
モノである以上、良好な状態を保つためにも手入れは必ず必要ですし、ベイトリールは言ってしまえば精密機械です。
コンマ何ミリ、もしくはそれ以下のクリアランスや精度でパーツが組み立てられ、それを外で結構ハードに使い倒す訳です。
ただベイトリールって構造がシンプルで頑丈ですので、きちんとメンテナンスしていれば早々壊れたり、機能が低下するものでもありません。
僕も実際、ソルトメインで徹底的に酷使し、シーバスも三桁を軽く超える数を釣ってきたベイトリールがありますが、未だに元気いっぱいで第一線で使用しています。
分解によるメンテナンスに不安がある方は素直にメーカーに預けるのが一番ですし、自分で分解によるメンテナンスが出来る方もタマにはメーカーへオーバーホールに出した方が良いと思います。
以前はギアなども単品で購入できたのですが、最近は購入できないようなので、その辺りのパーツ交換はイヤでもメーカーに預けないと、やりたくても出来ないという現状があるのです。
丁寧に扱ったリールはオークションなどで販売しても高く売れますし、お気に入りのベイトリールもちゃんとメンテナンスしていれば生涯現役で使う事も十分出来ます。
ちゃんとメンテナンスをして、気持ちの良いベイトリールを使っていきましょう^^
▶【ベイトリール メンテナンス方法】性能をフルに引き出す4つのポイント