ベイトリールを使っているうちに「なんだか飛距離が落ちてきたな」と感じる事はありませんか?
僕はオカッパリでは複数のロッドを持たず、ほとんど1本のベイトロッドで釣り歩きますので、一つのベイトリールにかかる負荷がどうしても大きなモノとなってしまいます。
ですので実際のところ、投げているうちに「なんだか飛距離が落ちてきたな」と感じる事はちょいちょいあります。
今回はそんなときに確認するたった一つの事と、その対処法をお伝えします。
目次
ベイトリールの飛距離が落ちたと感じたとき、まず確認する1つの事とは?
出典:ダイワ
ベイトリールの飛距離が落ちる原因として、スプールの回転異常が考えられる訳ですが、その時に回転異常を判断するには、「スプールの回転の止まり方」を確認します。
スプールの回転の止まり方を確認するには、メカニカルブレーキはゼロの状態でクラッチを切りラインのテンションを完全に抜いて、チョンと軽くスプールを動かしてみて下さい。
その時に、動いたスプールが止まる様子を観察します。
スプールに掛かっている抵抗は完全にゼロの状態ですから、スプールの動きが止まる時の様子は、動いているモノが何も抵抗を受けずに自然な状態で止まるハズです。
もしこの時にスプールのボールベアリングに何らかの抵抗が掛かっていると、スプールの止まり方はブレーキが掛かった様な不自然な様子になるハズです。
言葉で表現すると分かりにくいですが(今度動画を撮っておきますね^^;)、正常なものと比べれば一目瞭然のハズです。
スプールベアリングが正常で抵抗が無い状態ですと、スプールはラインの結び目程度のほんの僅かな重みでも回転します。(結び目が重りとなって下に回転する)
人間がラインを引っ張った程度では感じる事が出来ない抵抗であっても、スプールの回転には大きな影響を及ぼしてしまうのです。
ですから飛距離が落ちてきたと感じたときは、まずはスプールのボールベアリングの回転の「止まり方」を確認する様にすると良いです。
止まり方が不自然だった場合はどうしたらいいの?
まず最初に確認したいのがブレーキです。
ルアーチェンジをした際にブレーキ調整をし忘れている、という事もままあり得ます。
もしくはメカニカルブレーキに不意に触れてしまい、意図せずして締め込んでしまったという事もあり得ます。
スプールの止まり方が不自然だった場合は、まずはブレーキの設定を確認すると良いと思います。
ブレーキは正常、けれど止まり方が不自然な場合は?
ブレーキを確認したけどいつも通りの設定、だけどやっぱりスプールの止まり方は不自然・・・
その様な場合はスプールのボールベアリングの異常が原因だと思われます。
スプールベアリングの異常は次の様な可能性があります。
・オイル切れを起こしている
・オイルをさし過ぎている
・異物が入り込んでしまっている
・劣化、破損している
考えられる原因はほぼほぼこんな感じだと思いますので、対処法を順に説明しますね。
ベアリングがオイル切れを起こしてしまっている
これはオープンベアリングを使用していたり、一つのベイトリールを使い続けるオカッパリだとよくある症状だと思います。
特に最近のスプールベアリング用オイルは飛距離重視で回転を重視するために、超低粘土のオイルを使用する事はよくあります。
オイル切れを防ぎたいのなら、オイルの粘土を上げるという方法も一つの手かも知れませんが、やはりそこは飛距離重視で行きたいですよね。
でしたらやはり釣行にオイルを持って行って、一日釣りをするのなら釣行中に一回か二回、まあ、一回で十分だと思いますが、オイルをさすようにするしかありません。
僕は1本のロッド、1つのベイトリールで一日使い倒す釣りをするときには、半日ほどで一回さすようにしています。
釣行にオイルを持っていくのなら、さしやすい事と携帯性が良い事が条件になりますので、僕も愛用していますがコチラのオイルは使いやすくてオススメです。
タックルボックスに忍ばせておくことが出来ます。
オイルをさし過ぎている
スプールのベアリングにさすオイルは1滴で十分です。
オイル切れの不安からついついさし過ぎてしまいがちですが、必要以上にオイルをさし過ぎてしまうと、逆にオイルが抵抗になってしまい、ベアリングの回転の妨げになってしまいます。
更に周辺に余計なオイルが周辺に飛び散ってしまい、オイルがついてはいけない場所にまでついてしまうとリールの調子を崩してしまう原因にもなります。
特に遠心ブレーキのリングなんかは、シューの摩擦抵抗が変わってしまいますので要注意です。
このオイルは「1滴」が非常にさしやすいですよ^^
異物が入り込んでしまっている
オープンタイプのベアリングを使用していると、どうしても起こってしまう事があります。
よくある異物は砂であったり、雨で流れ出たきたグリスであったりします。
これは現場で対処するのは少し難しいので、予防を心がけた方が良いです。
対処法
まず対処法としては、ベアリングを外してパーツクリーナーで洗浄します。
出来れば容器に入れて勢いよく洗い流してください。
パーツクリーナーの吹き出す勢いはけっこうなモノです。
ベイトリールからベアリングを外さずに行いますと、パーツクリーナーが他の場所に掛かってしまい、また余計なグリスや汚れが飛び散って二次被害が及ぶ事もあります。
必ずリールからベアリングを外して洗浄する事をオススメします。
ただやはり、釣り場でもやってやれないことは無いのですけど、部品をなくしたり落として破損させたりする可能性もありますので、あまりオススメはしません。
やる際には十分に気を付けてください。
予防法
ベアリングに入り込んでしまう異物の多くは砂粒である場合が多いです。
砂はリールにとって非常に天敵で、たった1粒でもベアリングに入り込んでしまえば調子は大きく狂います。
もちろん、調子が狂ってしまうのはスプールベアリングだけではありません。
ハンドルの軸やギアボックスなどに入り込んでしまったら最悪です。
「ゴリ感がでた」と言われる多くはコレが原因なんじゃないかと思うのですが、変なところに入り込んでしまえばメーカーオーバーホールしか手は無いと思います。
ですから対処法としては「砂の上には絶対に直接置かない」と言うのは最低限心掛けた方がいいです。
もちろん、砂に限らず、地面に置く際には十分に気を付ける様にして下さい。
雨でグリスが流れ込んでくるというトラブルは、ドライブギアやレベルワインダーにグリスを塗布し過ぎな場合が多いです。
塗布し過ぎていなくても軟化して流れ出てくることはどうしてもありますが、その時はベイトリールをメーカーに送るか分解してのメンテナンスが必要と考えた方がいいとも言えます。
スプールを外した際にピニオンギアにグリスがついているのが見える様でしたら、もうグリスが軟化してしまってしまっていると思いますので、一度古いグリスを拭き取って、新たにグリスを塗布し直した方がいいと思います。
▶【ベイトリール メンテナンス方法】性能をフルに引き出す4つのポイント
劣化、破損している
ボールベアリングをパーツクリーナーで洗浄後、オイルをさす前に軽くスプールを回してみて、回転の音をよく聞いてみて下さい。
その時に綺麗に一定の音が聞こえてくればいいのですけど、異音が混ざっている様だとそのベアリングはもう寿命と考えてもいいと思います。
※必ずオイルをさす前に確認します。オイルをさした後だと音が消えてしまいます。
ベアリングは消耗品なので、こればかりは交換が必要です。
まあ、余程酷使しなければ大丈夫だと思いますが、シーバスフィッシュングなど海水でフルキャストを繰り返す釣りだと結構消耗します。
僕は一つのベイトリールで年に一回くらい変えていました。
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ブレーキ調整、ボールベアリング以外に考えられる原因は無いの?
ベイトリールの飛距離が落ちる原因としてはブレーキの設定ミスや、消耗品であるスプールのボールベアリングが原因となっている場合が多いのですが、他に考えられる要因として、
・スプール、軸が歪んでいる
・スプールのエッジにゴミが付着している
これらの事も考えられます。
これらの事も「クラッチを切ってスプールの回転の止まり方の確認」で分かると思います。
スプールや軸が歪んでいたり、スプールのエッジにゴミが付着していたりする場合は、スプールを回転させた際に擦れた様な異音が発生するハズです。
エッジのゴミは拭き取れば大丈夫ですが、スプールや軸の歪みはおそらく修理も難しいと思いますので、交換になると思います。
起こってしまった場合の対処は難しいので、予防としてスプールに無理な負荷を掛けない様にするしか無いと思います。
具体的には、根掛かりを切る際には「必ずクラッチを切ってから”ライン”を引っ張る」、要はスプールをフリーにして過剰な負担は避けるという事です。
これは必ずやった方が良いです。
特にPEラインを使用している場合は伸縮性が無いので、タダでもスプールへの瞬間的な負荷が大きくなりますので、気を付けた方が良いです。
ベイトリールで飛距離が落ちたときに確認する”1つ”の事【まとめ】
「なんだかベイトリールの飛距離が落ちてきたな・・・」
と感じたら、まずクラッチを切ってスプールの回転の「止まり方」を確認する。
これを確認すれば、飛距離が落ちてきた原因がある程度判断できると思います。
・ブレーキの調整ミス
・ボールベアリングの異常
・スプール、軸の歪み、ゴミの付着
今回説明させてて頂いたこれらの要因が比較的カンタンに判断できると思いますので、良かったら参考にしてください^^