ベイトリールは太いラインの方が飛距離が出る
スピニングリールは間違いなく細いラインの方が飛距離が出ます。
輪っかの状態でスプールから放出され、その輪っかかロッドガイドによって収束されて行きますので、細い方が抵抗が少なくなり飛距離が伸びるのです。
昨今のPEラインブームは、細くて強くてしなやかなPEラインをスピニングリールで使用すると、その飛距離、使用感から抜け出せなくなる為と言うのもあると思います。
そのくらいスピニングリールにはラインの太さが飛距離に大きな影響を及ぼします。
では、ベイトリールではどうでしょう。
一般的に細いラインの方が飛距離は出ると言われてはいますが、僕の考えはちょっと違います。
「ベイトリールはラインが太い方が飛距離が伸びる」
です。
まあ、異論も多々あると思いますが、とりあえず僕の考えをお伝えしますね。
目次
ベイトリールの飛距離はラインが太い方が出る理由
出典:シマノ
ベイトリールにおいて、ラインが細い方が飛距離が伸びるという理由は、
・ラインの放出抵抗
・ラインの受ける風の影響(空気抵抗)
これらのラインに受ける抵抗が、太ければ太いほど大きくなる、と言うのが主な理由だと思います。
では、「ラインが太い方が飛ぶ」と言う理由は次の通りです。
・飛距離を出すとどんどんスプール径が小さくなり、その抵抗がブレーキとなりキャスト後半でのブレーキ力が弱くて済む
・飛距離を出すとラインが放出される事によって、キャスト後半のスプール重量が軽くなり、ブレーキ力が弱くて済む
・ラインが受ける空気抵抗によってルアーの飛行姿勢が安定する
・ラインが揚力を生み、ルアーが失速しにくい
では順に説明しますね。
飛距離を出すとどんどんスプール径が小さくなり、それがブレーキとなりキャスト後半でのブレーキ力が弱くて済む
ラインが太ければ太いほど、遠投によってスプール径がどんどん小さくなっていくのは分かりますよね。
スプール径が小さくなればなるほど、スプールはたくさん回転しなければなりません。
つまり、これは抵抗となります。
抵抗が掛かっちゃ飛距離は落ちるんじゃないの?
と言うのはちょっと早計で、シマノの遠心ブレーキやダイワのマグフォースZと言ったブレーキシステムはキャスト後半にブレーキ力が弱くなっていくと言う特徴があります。
この仕組みは飛距離が伸びやすい反面、場合によってはキャストの後半でバックラッシュしやすくなります。
それを補うために、ブレーキ力を強くしたりメカニカルブレーキを少し締め付ける事によってバックラッシュを防ぎます。
ですが、キャスト後半にかけてスプール径が小さくなっていき、抵抗が増えていくという事は、ウルトラスムーズに無段階でエンジンブレーキが掛かっていくという事なのです。
つまり、遠心ブレーキやマグフォースを強くしたり、メカニカルブレーキを締め込むことなく、キャスト後半のみに飛距離に応じてブレーキが掛かるという事です。
という事はキャスト序盤のブレーキが弱くて済むので、初速を出す事ができ結果として飛距離が出る、と言う事です。
飛距離を出すとラインが放出される事によって、キャスト後半のスプール重量が軽くなり、ブレーキ力が弱くて済む
スプールの重量が飛距離に及ぼす影響はご存知かと思います。
※こちらにスプール重量と飛距離の関係を書いていますので、良かったら参考にして下さい。
まず、スプール重量が軽量であれば飛距離を出すという事に対して、大きなアドバンテージとなります。
それを前提にお話をしますと、先ほども書いた様に遠投をするとスプール径が小さくなっていきますよね。
ラインが太ければ太いほど、スプール径が小さくなっていくのが顕著になります。
つまり、ラインがどんどん放出されて、スプール径が小さくなればなっていくほどスプール重量が軽くなっていくという事です。
軽くなればなるほどスプールが持つ慣性力は小さくなり、不必要なオーバーラン、バックラッシュを防いでくれることになり、その分、ブレーキが弱くて済み、飛距離が出るという事になります。
そしてスプール径は小さいモノの、スプール重量は軽くなるのでルアーがラインを引っ張っていく抵抗になりにくい、と言う事にも繋がっていきます。
ちょっとここで一旦まとめますね。
ラインが太いと飛距離を出した場合、キャスト後半でスプール径が小さく軽くなり、それによってバックラッシュしにくくなる為、その分ブレーキを弱くすることができ、結果として飛距離が伸びる
と言うイメージで良いと思います。
ラインが受ける空気抵抗によってルアーの飛行姿勢が安定する
これは特にシーバスフィッシングをやる人は感じるところがあるんじゃないでしょうか。
ブラックバスの場合、超遠投するルアーはヘビキャロやラバージグ、バイブレーションなどのルアーが中心となりますから、それほど飛行姿勢に拘らなくても飛距離を出す事が出来ます。
けれどシーバスの場合、メインルアーがミノーである場合が多いです。
最近のシーバスミノーは飛行姿勢も良くかなり飛距離も伸びやすいのですが、それでもやはりミノーによっては上手くキャストをしないと飛行姿勢が崩れてしまい、クルクル回ってしまいます。
そうなると飛距離が伸びないのは必然ですよね。
けれどラインが太いと凧の足の様に、ルアーの飛行姿勢を整えてくれるのです。
飛行姿勢が安定すれば飛距離は伸びる、という訳です。
ラインが揚力を生み、ルアーが失速しにくい
太いラインが揚力を生むという理論は、正直に言うと僕のイメージだけで、本当にその様な事が起こっているかはちょっと証明できません。
クルマのエアロパーツの空力を測定するモノとかで見てみれば分かるかも知れませんが、流石に僕個人が実際に証明する事は出来ません^^;
ただ、これまでの経験上、「ラインが揚力となっているんじゃないか」と思ったことは確かにあります。
斜め前方にキャストしたルアーは、ラインで放物線を描いて着水しますよね。
放物線を描くという事は、ラインはルアーより後に着水するという事です。
つまり、ラインが太くて風の抵抗を受けやすいのなら、落下する際の空気抵抗も大きいハズです。
となると、「ラインが下に落ちる空気抵抗が、ルアーが下に落ちる力に対しての抵抗になるんじゃないか」と言うイメージです。
そしてキャスト前半の斜め前方に向かっているラインに対して揚力が発生し初速を維持し、ルアーに上方向に力が加わり後半の飛距離が伸びる、かなぁ^^;
こればっかりは僕のイメージで、そう言う現象が起きるときもあるんじゃないかと思っています。
肯定でも否定でも、上手く説明できる人がいらしたらよろしくお願いします。
ベイトリールの飛距離はラインが太い方が出る理由【まとめ】
・ラインが太いと遠投した際にスプール径が小さくなり、それがエンジンブレーキの様にナチュラルにかかる
・そして、ラインが放出される事によってスプール重量が軽くなる
これらによってブレーキを弱くすることが可能になる。
・太いラインが凧の足の様になってルアーの飛行姿勢を安定させる
・ラインが下に落ちるルアーの抵抗になり飛距離が伸びる
これらが僕が考える「ベイトリールの飛距離はラインが太い方が出る理由」です。
もちろん、これらは遠心ブレーキやマグフォースZの様なブレーキシステムで、重いルアーを一定以上の遠投をしたときに限定される現象であり、常にこの理由が適用されるわけでもなく、ましてや細いラインを使用した時に飛距離が伸びる事を否定するモノではありません。
軽量ルアーなら、細いラインの方が間違いなく飛距離は伸びると思います。
なぜなら、そもそも軽量ルアーは遠投と言ってもそれほどの飛距離を出す事が出来ないので、スプールに巻かれているラインが減っていくというメリットが生かせないし、ラインを引っ張っていく力自体が弱いからです。
太いラインの方が飛距離が伸びるという現象は条件、状況、キャストスキルによっても変わってくると思いますし、どちらかと言うとその様な状況になる事の方が少ないかも知れません。
ただ、ベイトリールはラインの放出抵抗がスピニングリールに比べて断然低いので、ラインが太くなることによる飛距離への影響は少ないことは確かです。
太いラインならスピニングリールより断然飛ばす事が出来ます。
要は軽いルアーで飛距離を出すなら、スピニングリールで細いラインを使用、
重いルアーを飛距離を出すならベイトリールで太いラインを使用する
と言うのが理にかなった使い方だと思います。
とは言え、ベイトリールジャンキーにとっては,
何が何でもベイトリールで飛距離を出したいですよね。
僕もそうです。
けれど飛距離を出すためにラインを細くする、と言うのではなく、太いラインを使わなければならないから太いラインで飛距離を出す、と言うラインの選び方の方が本来なのかなと思います^^
追伸
ベイトリールジャンキーのあなたなら、当然軽いルアーでもベイトリールで飛距離を出したいですよね。
そんなときは軽くて強いPEラインをオススメします。
▶【応用テク有り】ベイトリールに巻くラインの太さに迷われているあなたへ