バスフィッシングで良く使用するラインと言えば、ナイロンラインとフロロカーボンラインは外せないでしょう。
で、どうしても気になっていまうのが、「結局どっちが良く飛ぶの?」と言う所では無いでしょうか?
まあ、本当は飛距離でラインを選ぶというのもちょっと違うのですが、気になるものは仕方がありませんよね。
とりあえず結論を先に言ってしまいます。
「ナイロンラインの方が飛距離が出る」
と思って頂ければ良いと思います。
と言うか、そもそもフロロカーボンラインは遠投に向いていません。
今回はその理由をお伝えしますね。
ただ、飛距離と言うより、「使い分け」と言うのも重要になって来ますので、その辺りにも触れて行こうと思います。
ナイロンラインとフロロカーボンライン、どっちを使ったらいいか迷っている方は必見です。
目次
フロロより、ナイロンラインの方が飛距離が出る
まあ、フロロカーボンラインよりナイロンラインの方が飛距離が出る訳ですが、その理由には両者のラインの特性の違いが大きく関わってきます。
それによってブレーキ調整や使うルアーも変わってきますので、よく理解しておくことをオススメします。
フロロカーボンラインと比較した場合のナイロンラインの大きな特徴としましては、次の事が挙げられます。
・比重が軽く軽量である
この一つの理由が圧倒的に大きな理由となり、むしろフロロカーボンラインが遠投に向いていない理由にもなります。
ナイロンラインはどのくらい軽いの?
ナイロンラインとフロロカーボンラインの比重を比較すると、
ナイロンライン - 1.44
フロロカーボンライン - 1.78
ナイロンラインの方が20%近く軽量になります。
更に言うのなら、同じ号数ならフロロカーボンの方が「太く」なります。
ですから、実際に同じ量のラインを巻いてしまえば、その差はもっと大きくなってしまいます。
例えば3号12lbラインを100mで比較した場合、
ナイロンライン - 7.64グラム
フロロカーボンライン - 13.16グラム
その差は何と5.52グラム!
スプール重量が5グラム以上軽くなるという事です。
まあ、ナイロンラインは吸水性がありますから、実釣においてはもう少し重くなるとは思いますが、それでも5グラムと言う重量差はかなり大きいと思います。
例えば、ダイワさんのG1ジュラルミン製SVスプールは、9グラムとなっています。
このスプールに3号ラインを仮に100m巻いたとすると(実際は100mも巻けませんが)、トータル重量が5グラム増える事になります。
ナイロンラインの場合 9グラム + 7.64グラム = 16.64グラム
フロロカーボンラインの場合 9グラム + 13.14グラム = 22.14グラム
単純に25%もスプール重量が増えたことになります。
メーカー各社、スプールの重量を1グラムでも削る為に凌ぎを削っています。
その中で使用ラインによって25%もの重量差が出るというのは、「いい影響を与える訳がない」と言うのは明らかです。
ラインが重いと何故飛距離が伸びない?
ラインが重い事による飛距離低下は更に2つの要因があります。
一つ目が今お話したスプール重量の増加、そして二つ目がルアーの失速です。
順に説明しますね。
スプール重量の増加
ラインの重量増によるスプール重量の増加は、スプールの慣性力を大幅に大きくしてしまう事に繋がります。
スプールの慣性力と言うのは、「一度回りだしたスプールが、自身の力で回り続ける力」の事を言います。
つまり、飛距離を出そうと思ってフルキャストして「ブーーン」とスプールが回りだしてしまうと、それを止めるのに大きな力が必要になってしまうという事です。
ブレーキを掛けないと、オーバーランによってバックラッシュ確定ですよね。
要は慣性力が大きくなってしまうと、その時に必要なブレーキ力が大きくなってしまうという事なのです。
ブレーキを強くする ⇒ 飛距離低下
と言う事に繋がってしまう訳なのです。
ですから、スプールの重量は少しでも軽い方が「小さなブレーキ力でも良く効く」と言う事なんですね。
ルアーの失速
ルアーは重い方が良く飛びます。
バイブレーションの様な重くて空気抵抗が少ないルアーは、キャストしていてもとても気持ちが良いですよね。
ですが、ラインが重たくなってしまうと、ルアーは失速してしまいます。
ルアーが重たいモノを引っ張って行かなければならないんですから、単純な話ですよね。
重たいものを引っ張った方が当然、失速してしまいます。
野球ボールを投げたとき、糸がついているか鉄の鎖がついているかをイメージして頂ければ分かりやすいんじゃないかと思います。
軽い方が良いに決まっていますよね。
ただ、重たい方が横風強いと言うメリットもありますけどね。
それでもやはり、飛距離を出すなら、引っ張られて行くラインは軽い方が断然有利と言っていいでしょう。
フロロカーボンラインが遠投に向かない理由
飛距離が出るのはナイロンライン、と言う理由は分かって頂けたと思いますが、冒頭でも少し触れましたが、そもそもフロロカーボンラインて遠投して使うシチュエーションに向いていないんですよね。
先程からずっと言っていますが、まず重いんです。
ですから、遠投してしまうとラインが比重で沈んでしまうんです。
飛距離を出せば出すほど出て行ったラインの重量は増えてしまうので、より沈んでしまいます。
となると、ルアーとロッドを一直線に結ぶ事も難しく、「遠投した先でアタリがあった、さあフッキング!」となった時に沈んだラインが浮くだけでフッキング出来ないんです。
確かにナイロンラインに比べると伸びが少ないので、一見遠くでサカナを掛けた際のフッキングは良さそうに感じるんですが、実はフッキング出来ていないんです。
ラインが沈んでしまえば根ズレのリスクもありますしね。
ですから、そもそもフロロカーボンラインは遠投して使うという事に向いていないんです。
ナイロン、フロロカーボンライン使い分け
細かく言い出せばキリがないのですが、シンプルに使い分けるなら、
・オカッパリはナイロンライン
・ボートはフロロカーボンライン
・太糸使うならナイロンライン
・細糸使うならフロロカーボンライン
と言う感じが良いんじゃないかと思います。
オカッパリだと飛距離を出したいシチュエーションもありますし、ボートだと近距離メインになりますし、ラインの角度をより鋭角に保つ事が出来ます。
太いフロロカーボンラインは糸グセが半端ないので、とても使いにくいです。
いくら太いラインを使いやすいというベイトリールでも、キャストの時はいいかも知れませんが、投げた先でラインがクルクルになっていれば扱いにくい事に違いありません。
その点ナイロンラインならしなやかで糸クセが付きにくく、更に吸水性と言う特徴によって使っているうちに糸クセもとれやすいです。
吸水性によるライン強度の低下も、太糸である程度カバー出来ますしね。
細いラインを使うなら糸クセが付きにくく、吸水による強度低下も気にしなくていいので、フロロカーボンラインの方が有利と言えるでしょう。
ベイトリールで細いフロロカーボンを使うって、まあ、ベイトフィネスの時くらいでしょうけど。
【結論】ベイトリールでナイロンの方がフロロより飛距離が出る理由を知っておけ【まとめ】
飛距離が出るのはナイロンライン、そもそもフロロカーボンラインは遠投する釣りに向いていない。
と言うのが今回の結論です。
まあ、「飛距離が出るから」と言う理由でラインを選ぶのではなく、どちらかと言えば「この釣り方、使い方にはナイロンの方が向いている」「フロロカーボンラインの方が向いている」、と言う様に使い分けた方が良いと思います。
その結果として「飛距離が出る」という訳なのです。
飛距離だけを言うのなら、僕はPEラインの方が出ると思っていますしね。
けれどそれも、使い方やシチュエーション、使い手による部分も大きいです。
今回の記事が少しでも参考になり、あなたの釣りライフがより楽しいモノになって頂ければ、僕も嬉しい限りです^^
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