出典:シマノ
当記事では、
「22バンタムと20メタニウム、どっちを買ったらいいの?」
と言う疑問にお答えします。
2018年に衝撃デビューをした18バンタムMGL。
今年2022年、ついにMGLⅢスプールを搭載してモデルチェンジをしました。
実は待ちに待ったって方も多いんじゃないですかね。
もちろん、僕もその一人です。
まあ、「もう一声!」と言う部分もありましたが、今回のモデルチェンジは「バンタムらしい」進化だと僕は思います。
18バンタムMGLのときも、確かにタフネスパワーベイトリールというポジションではありました。
けれども、
「別に16メタニウムMGLでよくね?」
という感は拭いきれなかったんですね。
確かに初採用となるコアソリッドボディは衝撃的でした。
けれどもメタニウムも剛性感は十分にありますし、
軽快でライトルアーも扱いやすいメタニウムと使い分ける程でもないかな~
と言うのが僕の正直な印象です。
さらに翌年にはMGLⅢスプールを搭載した19アンタレスが出るし、
更に翌年にはバンタムのお株を奪うかのように、コアソリッドボディをまとった20メタニウムが登場しました。
あくまでも僕の感想ではありますが、
「なんだか18バンタムMGLの使い所がどんどん微妙になっていくな~」
という感が強くなっていたんですよね。
けれど今回のモデルチェンジは、20メタニウムとくっきり使い分けることが出来るようになりました。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は「22バンタムと20メタニウムの使い分け」についてお伝えいたします。
「22バンタムと20メタニウム、どっちを買ったらいいの?」
と悩んでいる方がいましたら、是非参考にしていただければ嬉しいです。
目次
22バンタムと20メタニウムの使い分け
2022年登場の22バンタムと20メタニウムについては、より明確な使い分けができるようになりました。
以前と同じ
「パワーのバンタム、軽快でシャープなメタニウム」
と言うポジションは変わりません。
けれど22バンタムは、
「よりパワーフィッシング寄り」
になったんですね。
ザックリと言ってしまえば、以下のような感じで使い分ければいい感じで使えると思います。
- 16lbライン以上、14g以上のルアーを扱うなら22バンタム
- 12lbライン以下、14g以下のルアーを扱うなら20メタニウム
単純に使用するライン、ルアーウェイトで使い分けるとこんな感じです。
「軽快なメタニウムにパワフルな巻きのバンタム」ということを考えれば、
- 撃ちモノのメタニウム
- 巻きモノのバンタム
という使い分けもいいかと思います。
けれど僕的には、
- 撃ちモノでも20lbラインとかを使用してヘビーカバーに打ち込んだりするときはパワフルな22バンタム
- 7gくらいのライトプラグを巻いたりするときは軽快でシャープな20メタニウム
と言う使い方の方が向いていると思うんですよね。
ですからどちらかと言えば、
- 質実剛健パワーのバンタム
- 軽快でシャープな使い心地のメタニウム
という特徴を活かして、使用するラインやルアーウェイトで使い分けた方が、使い分けとしては明確でいいかなと思った次第です。
と言うか、22バンタムは今回のモデルチャンジで、かなりパワーフィッシング寄りになったんですね。
ですがそれは逆に言うと、
「軽量ルアーが使いにくくなった」
ということでもあるんです。
そのあたりも含めて、22バンタムの使い所を見ていきましょう。
22バンタムはよりパワーフィッシング寄りに
22バンタムの最大の進化はシマノハイエンド機種御用達である、MGLスプールⅢの搭載にあります。
MGLスプールⅢはただの軽量スプールではなく、慣性力を極限まで削ぎ落とされたスプールです。
慣性力って、「スプールの外側の重量」が軽くなればなるほど小さくなります。
ですからスプールは、「ただ軽ければいい」わけじゃないんですね。
重要なのは、「どこが軽くなっているのか」と言うことなのです。
ですから実はチタンシャフトとかって確かにスプールの重量は軽くなるのですが、スプール中心の軽量化なので、数字ほどの効果はないんですね。
ですからMGLスプールⅡのときはスプールのサイドウォールをブランキング(穴あき加工)されていて、「コレはまじで効果的」と思いました。
で、MGLスプールもⅢまで進化しました。
サイドウォールのブランキングこそなくなりましたが、極限まで肉薄化、そして幅が狭いナロースプールにすることで慣性力を抑えているんですね。
僕もMGLスプールⅢは、21カルカッタコンクエスト100HGを本流トラウトやシーバスで、昨年一年間結構ガッツリ使い込みました。
軽量ルアーの立ち上がりもよく、ルアーの伸びは「自分のイメージの更に向こうまで飛ぶ」って感じです。
「スプールの軽量感がすごく気持ちいい」
と言うのが印象的なスプールです。
そのMGLスプールⅢがバンタムにも搭載されたわけですが、もちろんただ搭載されたわけではありません。
なんと22バンタムには、スプールがΦ35mmまで大口径化されて搭載されたのです。
20メタニウムのスプール径はΦ34mm。
10g前後と言う、一般的によく使われるルアーウェイトが一番使いやすいスプール径です。
軽量ルアーの対応度、中重量級ルアーの遠投性、巻き取りパワー、どストライクな位置にあるスプール径がΦ34mmです。
で、今回の22バンタムはスプール径が1mm拡大されたΦ35mm。
本音を言えばΦ36mmにしてほしかったのですが、その想いはコチラの記事でブツけていますので、ココでは割愛します。(笑)
スプール径が大きくなるとどうなるのかと言うと、ザックリと言えば次のメリットがあります。
- 重いルアーの飛距離が伸びる
- 巻き取りパワーが増す
もちろん、逆にデメリットもあります。
- スプール重量が増すことによってレスポンス低下
- スプール慣性力増加によって軽量ルアーが投げにくい
スプール口径が大きくなるということはカンタンに言ってしまえば、
「軽いルアーが投げにくく、重いルアーが扱いやすい」
と思っていただければ良いと思います。
当サイトでもよく言っていますが、
「ベイトリールにおいて大は小を兼ねない」
と言うベイトリール界の代々伝わる掟があるのです。
その辺りも踏まえ、詳しく説明しますね。
スプール径が大きいと重いルアーの飛距離が伸びる
重いルアーと言うのは、総じてよく飛ぶルアーが多いです。
と言うか、飛距離を出したいならまず、
「重くて空気抵抗の少ないルアーを使え」
です。
それだけで飛距離なんて伸びるんですから、単純に「飛距離を出したい」と思うのなら、素直に飛距離が出るルアーを使えば良いんですね。
けれど、よく飛ぶルアーはスプールもよく回ります。
ルアーがよく飛ぶということは、ルアーがラインをたくさん引っ張り出して行ってくれるんですね。
ですから、スプールが空回りしにくくなり、バックラッシュは少なくなります。
バックラッシュは少なくなるけれども、スプール径が小さくスプール一回転あたりラインの放出量が少なくなると、飛んでいるルアーの抵抗になっちゃうんですね。
要はスプール径が小さいということは、
「ルアーがラインを引っ張って、スプールを回転させている」
と言う力が大きく働きます。
逆にスプール径が大きいと、スプール一回転あたりのライン放出量が増えます。
ですからスプール径が大きいとルアーがスプールを回転させる抵抗が減り、飛距離アップに繋がるんですね。
(飛距離アップの要素は他にもいろいろあります。)
22バンタムのスプール径は1mm大きくなりました。
「たかが1mm、されど1mm」ってところですかね。
ベイトリールって1mmスプール径が変わるだけでも、フィーリングは全然変わっちゃうんですね。
試しにお手元のベイトリールのライン量を1mmだけ減らしてみて下さい。
スプールレスポンスが上がって軽量ルアーが投げやすくなるハズです。
オマケにバックラッシュもし難くなる。
テキトーに投げてもバックラッシュしなくなるから、むしろ飛距離が伸びると感じることさえあるかも知れません。
けれども、重くて空気抵抗の少ないルアーをフルキャストした時に、飛距離の先詰まり感を感じると思います。
「思ったより伸びないな~」
と感じることがあるハズです。
ベイトリールのスプール径って、実はベイトリールを選ぶうえで超重要なことなのです。
好みで選んでいたら絶対に失敗しちゃうんです。
で、22バンタムは20メタニウムよりスプール径が大きい。
つまりは22バンタムは20メタニウムより、
「重いルアーの遠投に向いている」
と言うことなのです。
スプール径が大きくなると、巻き取りパワーが増す
同じ巻き取り長さなら、スプール径が大きい方が巻き取りパワーは大きくなります。
なぜなら、単純にローギア化されるからです。
先ほど、
「スプール径が大きくなるとスプール一回転あたりのラインの放出量が増える」
と言いましたよね。
ですからライン巻き取り時も同じ様に、スプール一回転あたりの巻き取り量が増えるワケです。
と言うことは、同じ巻き取り長さならギア比を低く設定できるんですね。
例えば、
「ハンドル一回転あたり80cm巻き取ることが出来る」
と言うベイトリールがあったとします。
同じ80cmと言う巻き取り長さなら、
- Φ34mmスプールならギア比7.5:1
- Φ36mmスプールならギア比7:1
※数字は仮です
と言う様に、ギア比を低く設定できるんですね。
ですからその分、巻き取りパワーが上がるという事なのです。
特に最近、めっちゃハイギアブームですよね。
かく言う僕もハイギアにメリットを感じており、XG[クラスのベイトリールをよく使います。
もちろん場合にもよるのですが、ほとんどのシチュエーションでXGクラスを使用しています。
少し前までギア比7:1くらいが超ハイギアだったのに、今ではほとんどのベイトリールで8:1超えが当たり前の様に設定されていますよね。
けれども同時に
「巻き重りが大きい」
「ハンドルが重たい」
なんて声もよく聞こえる様になりました。
けれども使用するルアーに合わせてベイトリールを選べば、例えハイギアを使ったとしても快適にパワフルに使うことが出来るんですね。
例えば巻き抵抗の大きいルアーって、基本、重いルアーが多いです。
ディープクランクやマグナムクランク、ヘビースピナーベイト、バイブレーションなど、
重量のあるルアーって引き抵抗が大きいモノが多いです。
もちろん単純に
「デカいルアー = 引き抵抗大」
と言うワケではありません。
けれども総じて重量のあるルアーは、引き抵抗が大きいモノが多いです。
そう言った大きなルアーを使うときは、スプール径が大きなベイトリールを使った方がキャスティングもしやすく、リーリングもパワフルにする事が出来るんですね。
同じ巻き取り長さのリールを使うなら、スプール径の大きなタイプのベイトリールを使った方がギア比を下げることが出来る。
つまりは「巻き取りパワーを確保できる」と言うワケなのです。
ですから、
「使用ルアーのウェイトに合ったベイトリールを使用する」
と言うのは快適な釣りには欠かせないポイントなんですね。
余談ですが、巻き重りを減らすのによくロングハンドル化で対応していることがあります。
メーカーの標準装備のハンドルが100mmなんて超ロングもチラホラ出てきていますよね。
(シマノ表記で言うと軸からの長さなので50mm)
確かにハンドルを長くすれば、巻き取り重さの軽減には繋がります。
けれどもあまり長くし過ぎると、せっかくのハイギアの意味が全く無くなっちゃうんですね。
なぜなら、ハンドルが長すぎると回しにくくなり、結局ハンドルを回す回転数が落ちてしまうからです。
ハイギアのメリットの一つに「回収スピードの早さ」があります。
ルアーを回収するときにハンドルが回しにくくて遅くなってしまったら、元も子もありません。
そもそもハンドルが長くなれば、「ノブを動かす距離」は長くなるワケです。
ですから同じハンドルの回転数を出そうと思ったら、ロングハンドルの方が早く手を動かす必要があります。
だとしたら、「やりにくく早く回すことが出来ないハンドル」はハイギアの意味が無くなっちゃうんですね。
ちなみに僕は長くて90mmくらいがちょうどいい感じです。
(シマノ表記で45mmね)
100mmハンドルも使いましたが、手首の動きが大きくなり、確かにパワフルに巻く事は出来ても「早く巻く」と言う事に関してはやりにくかったです。
もちろんハンドルの長さに関しては人それぞれな部分はありますし、使用用途にもよります。
けれどメタニウムやバンタムの使いどころを考えると、長くても90mmくらいが良いんじゃないかなと僕は思います。
ちょっと余談でした。
(ギア比の話になると切り離せない部分があるので^^;)
と言うことでスプールの大口径化は、「重いルアーを扱う」と言うことにいてメリットは大きいのです。
ですから同じMGLスプールⅢが搭載されたと言っても、
「20メタニウムより大口径の22バンタムはより「パワーのバンタム」のポジションが明確になった」
という事です。
【22バンタム&20メタニウム】使い分けてこそ活きる!【まとめ】
さて今回は、
「22バンタムと20メタニウム、どっちを買ったらいいの?」
と言う疑問にお答えしました。
結論としては以下の通り。
- 16lbライン以上、14g以上のルアーを扱うなら22バンタム
- 12lbライン以下、14g以下のルアーを扱うなら20メタニウム
こんな感じで選べば良い感じに使えると僕は思います。
もちろん、
「22バンタムが14g以下のルアーが扱えない」
「20メタニウムが14g以上のルアーが扱えない」
と言うワケではありませんので悪しからず^^
「14g以上のルアーなら22バンタムの方が扱いやすい」
「14g以下のルアーなら20メタニウムの方が扱いやすい」
と言うことですので、
「どちらをメインにするか」
で考えればOKです。
僕なら「オカッパリで一台だけ」と言うのなら、バーサタイルな20メタニウムを選ぶかな。
ただ
「Φ34mmクラスのベイトリールは持っているし、16lb以上を巻く、重めのルアー中心」
と言う状況なら、22バンタムを選びます。
22バンタムは使いどころが明確にはなりましたけど、逆に言えば単純に「好み」で選んでしまうと失敗します。
その辺りは注意した方がいいです。
今回の記事があなたの参考になれば幸いです^^