今更ながらですが、Fishman ブリストベンダバール89Mのインプレッションをお伝えしたいと思います。
発売から数年、6年くらい? 経っていると思うのですがいまだに売れ続け、先日メーカー在庫完売なんてお知らせまでありました。
BRIST VENDAVAL8.9Mのメーカー在庫が完売致しました。
次回生産をお待ちください。
ご購入は在庫をお持ちの実店舗様やオンラインショップ様にてお求め下さい。●BRIST VENDAVAL8.9M
関連動画→https://t.co/oQDWN7isxe
製品ページ→https://t.co/Veroh8j7iL
関連記事→https://t.co/gcrHsZuf4O pic.twitter.com/T2NhpHtzYD— Fishman (@Fishman_BC) October 26, 2021
僕はここ数年スタイル的に出番が減っていたのですが、発売とほぼ同時に購入し、
数々のメモリアルフィッシュに出会わせて貰ったロッドで、とっても思い入れのあるベイトロッドです。
主にシーバス、トラウトで使っていたのですが、シーバスでは3分で入魂が完了し、初日に90オーバー。
その後も90、80オーバーを数本釣った記憶があります。
トラウトなんかもイカついブラウンだったり、
いいサイズのイワナも連れてきてくれました。
このロッドは何故かけっこうランカーハンターだったりします(^^)
と言うことで今回は、そんな過去の記憶を辿りながらインプレッションしてみたいと思います。
それなりに使い込みましたので、もちろん、良いところばかりではなくデメリットもありますよ。
それらも踏まえてお伝えしたいと思いますので、購入を検討している方は良かったら参考にしてください(^^)
目次
Fishman ブリストベンダバール89M 【インプレッション】
今さら言うまでもないのですが、このベイトロッドの特徴を一言で言うのなら、遠投特化ロッドです。
けれど、今さらそんな事をお伝えしても仕方がありませんので、
- どんな使用感なのか
- 本当に飛ぶの?
- どのくらいのルアーウェイトが使いやすいのか
- どんなシチュエーションが適しているのか
- どんなベイトリールを合わせればいいのか
などなど、実際に使ってみた特徴について詳しくインプレッションしていきます。
スペック的に近いロッドとして、ワールドシャウラ1832Rも所有していますので、比較しながらお伝えしたいと思います。
使用感について よく言えばオールラウンダー、悪く言えば…
まずはちょっとスペックをおさらいしてみますね。
- 全長:8.9フィート(268cm)
- 継数:3本
- 仕舞寸法:108cm
- 自重:240g
- ルアーウェイト:7~45g
- ライン:PE1~5号
- グリップ長:48cm
全長8.9フィートということで、シーバスをやる方とかだと長すぎず短すぎず、て感じでしょうか。
ブラックバスをやられている方には超長尺かもしれませんが^^;
僕としてはシーバスをやるのなら、小規模フィールドではちょっと長すぎて、大規模なオープンエリアではちょっと短いかな~と言った感じです。
あえて悪く言えば「中途半端」ですが、良く言えばオールラウンダー。
いろいろなシチュエーションで類い希な遠投性能を発揮してくれます。
ただ僕としては意外と使わない長さなので、正直使いどころで悩んではいたんですね。
けれど蓋を開けてみれば小中規模河川、外洋シーバスから本流トラウトまでいろいろと使っているんで、何だかんだでいろいろなシチュエーションで頼りにしてます^^
まあ、ピン打ちするベイトロッドではないので、取り回しも考えるとこのくらいの長さが一番使いやすいと言うか、多くの方が手に取りやすい長さなのかもしれません。
実際に手に取って持った感じとしては、同じ9フィート前後のベイトロッドの比較するとやはり重いです。
もちろん、それに伴ったパワーはあるですが、大味と言うか、剛竿と言う印象を受けるかも知れません。
バランスはいいので持ち重りは少ないですけど、絶対的な重さは否めません。
けれど、この重さが疲労に直結するかと言ったらそうでもないんですよね。
例えば同じMクラスのベイトロッドであるワールドシャウラ1832Rは152gです。
長さはベンダバール8.9Mの方が少し長いとは言え、240gあります。
90g近く重いです。
いくらベンダバール8.9Mがバランスがいいと入っても、持った感じの重さの違いは明らかに分かります。
けれど、実際にキャストしてみると、明らかにベンダバールの方が軽い力で飛ばせます。
実際に触れて見ればわかるのですが、同じMクラスのロッドでもベンダバールの方が明らかに「しなやか」なんですね。
どちらが良いとか悪いとかと言う話ではないですよ?
「ワールドシャウラ1832Rよりベンダバール8.9Mのほうが軽い力でよく曲がる」
と言うことです。
ワールドシャウラ1832Rも非常に飛距離の出るベイトロッドですが、
同じ飛距離を出すならベンダバール8.9Mの方が軽い力で飛ばすことが出来るという印象です。
Fishmanロッドってよく「重いけどバランスが良いからあまり気にならない」というインプレを見かけますが、
多分、軽い力でも曲げることが出来て飛ばせるから疲れないんだろうな~て、僕は思っています。
- ワールドシャウラ1832Rは軽量高反発だけど強いロッド
- ベンダバールは重くてしなやかだけど飛距離が出るロッド
同じ飛距離が出るロッドにしても、ロッドの性格、ルアーをシュートするまでのアプローチが全然違うんですね。
タマタマこの2本を持っていたので違いが面白く、ワールドシャウラ1832Rを購入してから頭の中で比較しながら使っていました。
言うならワールドシャウラ1832Rは素直にロッドの反発で飛距離を出します。
けれど、ベンダバール8.9Mはムチのようにしなやかにロッドがルアーを弾き出してくれます。
ですから触った印象としてはワールドシャウラ1832Rは硬く、
ベンダバール8.9Mは柔らかい。
という感じなるんですね。
どちらが良いのかは使用用途と好みですが、以下のような感じだと使いやすいと思います。
- ブラックバスとかナイロン、フロロカーボンラインを使った釣りならワールドシャウラ1832R
- しなやかな分、PEラインを使った巻き物の釣りならベンダバール8.9M
ちなみにベンダバール8.9Mにナイロンラインはオススメ出来ません。
実際に使ったことがあるのですが、感度どうこうよりボヨンボヨンしすぎて遠距離での合わせがかなり効きにくい。
過去にこんな経験がありました。
ナイロンラインを使用して河川本流の太い流れの中の50mくらい先で、10cmくらいのウグイをヒットさせたことがあります。
どんなアタリだったのかもわからないくらい、「なんか違和感」でアワセたんですね。
けれどサカナが掛かっている感触が全然ない。
あげてみると10cmくらいのウグイがちゃんとフッキングしていました。
ベンダバール8.9Mはちょっと大味と言うか、爆風でのロングキャストに特化した分、繊細な釣りには向いていないという印象です。
ナイロンラインを使用していて根掛かりをした時、ラインを弾いてロッドの反発を利用して外そうとするのですが、
ロッドがしなやか+ナイロンラインの伸びで全然上手く出来なかったんですよね。
その辺りの大味感を改善というか、進化させたのがベンダバール10.1Mなのだと僕は解釈しています。
(ベンダバール10.1Mはまたインプレッションしますね)
実際のところ、どれくらい飛ぶの? ワールドシャウラ1832Rと実測比較
結果から言いますと、ザックリ計算になりますがベンダバール89Mで28gのメタルジグが100m弱程度飛びました。
使用タックルは以下の通り。
- リール:スティーズA TW HLC
- ライン:PEライン2号
- ライン量:スプール満タンより気持ち多め
- 条件:無風、もしくは僅かに追い風
- ルアー:みんな大好きダイソージグ28g
こんな条件でざっくり計算で約100m飛びました。
けれど、正直測定方法がハンドル回転数なのでかなり曖昧です。
ハンドル一回転あたりの巻き取り長さは80cm、一応、糸フケは出来るだけ取って130回転。
ラインが放出されれば当然巻き取り長さは減るので、平均として75cm(適当です)にしときましょうか。
130回転×0.75m=97.5m
ざっと100m弱です。
まあでもほんと、ザックリ目安です。
ちなみにカウンターでも測定したことがありますが、山中のダム湖で爆風だったので、向かい風って横風って巻き散らかしてました。
そのときの測定結果がコレ。
88.3m。
※表示がマイナスなのは、ラインを押さえつけるバー?にラインが触れ得るのが嫌だったので逆に巻きつけているからです。
ですのでもしかしたら、スリップして少なく表示されている可能性があります。
爆風でまともの投げるのすら困難だったのですが、だいたい87~8mってとこでした。
ただ100m弱飛んだときは、明らかにそのときより飛距離が伸びたと言う実感はあります。
そのときは条件が良かったので、おおむね90mそこそこは飛ぶんじゃないかと思います。
で、実はこの時、ベイトリールを付け替えて、ワールドシャウラ1832Rも投げたんですよね。
つまり、
ワールドシャウラ1832R VS ベンダバール8.9M
です。
ワールドシャウラ1832Rの測定結果はコレ。
結果、ワールドシャウラ1832Rは85m前後で、僅かばかりベンダバール8.9Mが上回りました。
風がいきなり向かい風になったり横風になったり、全く同条件なんかで測定出来なかったのでなんとも言えない部分はありますが、全体的にベンダバールの方が飛んでいる実感はありました。
もしかしたら「爆風に強いベンダバール」が発揮されたからかも知れませんけどね。
ただ、まあ、実際にやってみると分かるのですが、ホントに正確に飛距離を計ろうと思ったら、グラウンドとか平坦な場所で巻き尺引いてやらないと、多分、ムリです。
ハンドル回転数であってもカウンターを使ったとしても、
糸フケ取って…
なんてかなり曖昧なモンですよ。
実際にキャスト後に意識して糸フケを取ってみると分かりますが、糸フケってけっこう出てます。
僕は多分、比較的ライナー気味の弾道じゃないかと思うのですが、それでも糸フケはけっこう出ます。
飛距離測定の動画見てると、「絶対もっと糸フケ出てるやろ」って感じるやつもあるんですよね。
見た感じ、あまりに糸フケの回収量が少ない。
下手したら全く取ってない動画もあったくらい。
「その人がキャストして他の何かと比較する」
と言うのなら条件を揃えれば良いだけですが、
皆さんが言っている飛距離の測定値を、絶対値として捉えない方が良いんじゃないかな~。
と、僕は思います(^^)
ちなみに僕は大いに「参考」にさせていただいてます。
ですから今回の測定結果も、あくまでも参考までにしといてくださいね。
とりあえず結論として言えることは、
ブリストベンダバール8.9Mは、間違いなくスーパーロングキャストロッド
と言うことです。
どのくらいのルアーウェイトが使いやすいのか
結論から言ってしまうと、
遠投を意識するなら、ベストとしては14~30gくらい。
「余裕で投げられる」と言う実用範囲で言うなら、適正ルアーウェイトである7~45g。
投げ方次第では2オンス(56g)くらいのビッグベイトも全然安心して投げられます。
下限はベイトリールにもよりますが、スプール径Φ34mmクラスのベイトリールを使えば7gくらいのミノーもフツウに投げられます。
強いロッドなのですが、しなやかな分ちゃんと曲げてやることを意識すれば、ルアーウェイトの下限に対して懐の深いロッドです。
ちなみに冒頭の写真のブラウントラウト、スプール径Φ36mmの初代ジリオンに6gのミノーです。
6gのミノーから56gのビッグベイトまでフツウにキャスト出きるって、フィッシュマンロッドを使ったことがない方はイメージしにくいかも知れません。
けれどコレがfishmanロッドの不思議。
ただまあ、ベンダバールらしく遠投を意識するなら、14~30gくらいのシンキングペンシルやバイブレーションの様な空気抵抗の少ないルアーをオススメします。
思ったよりも軽い力で遥か彼方へぶっ飛びます。
どんなベイトリールを合わせればいいのか
結論から言ってしまうと、
スプール径Φ36mm以上の大口径ベイトリール。
コレがベストです。
具体的な機種を挙げると、
【ダイワ】
- ジリオンTW(HLC、HD)(Φ36)
- キャタリナTW(Φ36)
- スティーズA TW HLC(Φ36)
- ダイワZ2020(Φ38)
【シマノ】
- アンタレスDC(Φ37)
- エクスセンスDC(Φ37)
- アンタレスDCMD(Φ38)
この辺りのベイトリールは間違いなく相性抜群です。
けっこうビックリだったのが、ダイワのHLCシリーズがめっちゃ使いやすかったこと。
ジリオンTW HLCやスティーズA TW HLCって、ハイパーロングキャストよろしく、フルキャスト専用ベイトリールなんですね。
▶21スティーズA TW HLC【実物インプレ】もう一声欲しかった…
▶【え!?】21スティーズA TW HLCとジリオンTW HLC【飛距離】比較してみたぞ!
要は中途半端なスイングだとスプールの回転数きわ上がらずに、ブレーキが作動しないんです。
ですが、ベンダバールって、ロッド自体はとてもしなやかなんですね。
ガチガチの高反発ロッドでズッバーンと飛ばすロッドではありません。
硬くて高反発なロッドっで確かに飛距離は出ますが、使い手を選ぶと言うか、キャストがピーキーだったりします。
ハマった時の飛距離は気持ちいいのですが、その分、ロッドを曲げるのに力が必要になるんですね。
けれどベンダバールは、軽い力でロッド全体が鞭のようにしなってルアーをシュートしてくれます。
ですから、スプールの回転数を上げるのにそれほど力が要らないんです。
要は「軽い力でフルキャスト出来る」と言えば良いでしょうか。
力まなくていい分、イージーと言うか扱いやすいんですね。
(要はピーキーではないと言うことが言いたい)
で、カンタンにスプールの回転を上げることが出来るからブレーキが作動しやすく、HLCのピーキーさがずいぶん解消されてしまうんです。
実際に合わせてみると、「HLCってこんな優しかったっけ?」と感じるほど使いやすかったです。
どんなシチュエーションが適しているのか
間違いなく、重めのルアーを遠投をしたいとき。です。
ロッドも8.9フィートと意外とオールラウンドに使えるのですが、小規模河川や港湾部ではちょっと持て余す感が否めません。
僕は本流トラウトでも使っていましたが、向いているかと言われれば、あまり向いていないです。
それだったらクローラの方が断然使いやすいでしょう。
けれど重めのルアーで思いっきりフルキャストをしたときは、このロッドはきっと日頃のウップンまでも遥か彼方へ吹き飛ばしてくれるでしょう。
もちろん、10g前後の軽いルアーをキャストすることは出来ます。
ただその場合は、スプール径Φ34mmクラスのベイトリールの方が使いやすいです。
その方が軽量ルアーは間違いなく投げやすいです。
けれど、アリと言えばアリだけど、僕としてはオススメはしません。
なぜなら、ベンダバールの持ち味が活きないからです。
僕も実際に6g程度のミノーを投げてはいましたが、やはりロッドの特性上、繊細に扱うことが出来ません。
そのクラスのルアーだったら、クローラを使った方が間違いなく扱いやすいです。
要は、ベンダバールは重めのルアーの遠投専用と割り切った方が持ち味が活きると言うことです。
逆に言えば小技を活かしたことは苦手です。
例えば細かいトゥイッチを入れたり繊細にルアーを動かしたり。
そんなときはクローラのほうが間違いなく使いやすいです。
- 14g以上のルアーの遠投専用にベンダバール
- 7~18g程度のライトプラグ用にクローラ
こんな感じで使い分ければ、間違いなく気持ちよく使えます。
Fishman ブリストベンダバール89M 【インプレ】まとめ
さて今回は、Fishmanのブリストベンダバール89Mのインプレッションをお伝えしました。
どんなベイトロッドか一言で言ってしまえば、
「14g以上のルアーをかっ飛ばしたい時に使うベイトロッド」
です。
合わせるベイトリールは、スプール径Φ36mm以上の大口径タイプがベスト。
ベストルアーウェイトは、14~30g。
守備範囲は7~56g。
意外とオールラウンドの使えるロッドではあるのですが、小場所ではちょっと持て余してしまうので注意が必要です。
ただ、パワーは間違いなくあるので、近距離のパワーフィッシング用としても使えると思います。
PS ブリスト ベンダバール10.1M【インプレ】
ベンダバール10.1M、購入したけどまだ使用していません。
(シーバスになかなか行けないのよ…)
触った印象としては、ベンダバールよりクローラに近いかも知れません。
多分、89Mより繊細さがグッと増しているからだと思います。
あー、楽しみ♪
使用したらガッツリインプレをお伝えしますね^^