当記事では
「21カルカッタコンクエスト100HGをシーバスで使いたいんだけど、どうかな?」
「シーバスで使うなら100番と200番、どっちがいい?」
と言う疑問にお答えします。
2021年春に実に7年ぶりのモデルチェンジをしたカルカッタコンクエスト。
14(15)カルカッタコンクエストは欲しいと思いながらも微妙に一歩踏み込めず、
購入をためらっていました。
けれど、最新テクノロジーをまとった21カルコンは旧カルコンの僕が不満だった部分を気持ちよく解消してくれ、登場してソッコー購入させていただきました^^
僕は基本的には本流のトラウト中心の使用だったのですが、今年はメインタックルとしてガッツリ使い込みました。
そして先日シーバスに使ってきましたので、それも踏まえて
「21カルカッタコンクエスト100HGをシーバスで使いたいんだけど、どうかな?」
と言う疑問にお答えしたいと思います。
早速ですが結論からお伝えしますね。
正直、21カルコンはシーバスにはそれほど向いていない。
迷っているのならやめておいたほうがいい。
とは言え機能的には最高品であることには違いないので、「カルコンを使いたい」という人は至高のヌメヌメ感を味わえばいい。
シーバスで使うなら100番or200番?という疑問に対しては、
どちらか1台ということだったら200番、使用用途が決まっているのなら次の通り。
7~18gくらいまでのルアー中心ならカルコン100
14g以上のルアー中心ならカルコン200
と言った感じです。
決して21カルコンが悪いわけではないです。
けれど、シーバスで21カルカッタコンクエストを使うにはどうしてもデメリットが存在するんですね。
そのデメリットを許容できるかどうか?
という事になります。
まあ、カルコンを使いたい人って基本的にメリットとかデメリットとかどうでもいい人が多い気がしますけど^^
「使いたいから使う」「かっこいいから使う」
それで正解だと思います^^
では詳しく説明しますね。
目次
21カルカッタコンクエストがシーバスに向かない5つの理由
今年一年それなりに使い込んできて僕が思う「21カルカッタコンクエストがシーバスに向かない理由」は、ざっくりと5つあります。
- PEラインがそれほど向いていない
- バックラッシュが直しにくい
- スプール経(ラインキャパ)が微妙
- ブレーキが調整しにくい
- ギア比が低い
逆に言えばこれらを許容できれば、特に問題なく21カルコンをシーバスで使用しても問題ないと言うことです。
順に説明しますね。
PEラインがそれほど向いていない
基本的にシーバスフィッシングはPEラインを使用すると言うことを前提でお話しますね。
21カルコンはほとんどをPEラインで使ってきましたので、その実体験に基づいてお話させていただきます。
正直言うと、21カルカッタコンクエスト言うかそもそも丸形ベイトリールは、あまりPEラインの使用に向いているとは言えないベイトリールです。
なぜなら、スプールとレベルワインダーの距離が近すぎるから。
近いと何がダメなかと言うと、レベルワインダーの位置でラインの放出抵抗が大きく変化してしまい、ナイロンやフロロカーボンに比べキャストがシビアなPEラインだとラインの放出が安定せず、バックラッシュしやすいからです。
PEラインはナイロンラインのように
「スプール上でラインが多少膨らんでも、ルアーがラインを引き出してくれることでバックラッシュが収束していく」
ということがありません。
もちろん絶対に無くないのですが、しなやか過ぎるPEラインはスプール上でラインが膨らんだ時点で絡みつくようにバックラッシュしてしまいます。
PEラインのバックラッシュってナイロンラインと全然違いますよね。
ブワッとラインが膨らむのではなく、いきなりガツンとロックするようにバックラッシュしてしまいます。
コレはスプール上でラインが膨らんだ際にライン同士が絡まってしまうから起きてしまうのです。
ですからナイロンラインとPEラインは、バックラッシュしてスプールの回転が停止するメカニズムが基本的に違います。
で、PEラインはスプール上でラインが膨らんだ際に、バックラッシュに至るまでの許容範囲が小さいんです。
要はナイロンラインが10膨らんでも大丈夫なら、PEラインは3膨らんだ時点でアウト。
みたいなイメージです。
(数字は適当です)
つまり、ラインを「放出しやすい位置」と「放出しにくい位置」の違いによってバックラッシュのしやすさが変わってしまうんですね。
「それってどんなベイトリールでも起こるんじゃないの?」
確かに、どんなベイトリールでも起こります。
けれど、ロープロファイルベイトリールに比べるとスプールとレベルワインダーの位置が近い丸型ベイトリールでは、「レベルワインダーの位置によるラインの放出しやすさ」が全然違うんですね。
コレは多分、あなたが思っている以上に違います。
もしお手元にPEラインを巻いた丸形ベイトリールがあったら、次のことを試してみてください。
レベルワインダーを端まで移動させ、そこでラインを手で引っ張って引き出せるくらいドラグを緩めます。
ラインが反対サイドに行くにつれてラインが引き出しにくくなりませんか?
コレはレベルワインダーとラインの角度、そしてスプール上でのライン同士の摩擦によって放出抵抗が大きくなって行っているんです。
そうなるとただでもキャストがシビアなPEラインは、放出抵抗が大きくなった際にラインが放出されにくくなりラインが絡んでしまってバックラッシュしやすいんですね。
キャストする際にレベルワインダーの位置を確認しても分かりやすいです。
レベルワインダーが端にある場合と真ん中にある場合とでは、キャストのしやすさが全然違います。
レベルワインダーを真ん中まで移動させてキャストをすると、驚くほどスムーズにキャストが出来ます。
こう考えるとレベルワインダーの抵抗って大きいんですね。
単純にレベルワインダーからの糸抜けだけでなく、スプール上のラインとの接地面積も大きくなります。
ただ、実を言うと21カルカッタコンクエストは、他の丸形ベイトリールに比べるとこの「丸形ベイトリールの弱点」を軽減してくれているんですね。
それはナロースプールによってラインの角度が小さくなり、放出抵抗の差を小さくしてくれているからです。
ですから「丸形ベイトリールはPEラインが使いにくい」とお伝えしましたが、実は21カルカッタコンクエストはPEラインとの相性は悪くはないんです。
まあ、ロープロファイルに比べると使いにくいことには違いありませんが、この辺の弱点を軽減していることには違いありません。
とりあえず僕はこの一年ほぼPEラインを巻いて使用しましたし、今後もPEラインを巻く予定です。
つまり、気になる欠点ではあるけど、僕の中では許容は出来る範囲、と言うことです。
確かに、例えばダイワのTWSとかと比べるとPEラインは使いにくいんですけど、実際に使ってみるとその弱点は他の丸形ベイトリールと比較するとかなり解消出来ていると感じています。
バックラッシュが直しにくい
コレは意外な弱点でした。
特にPEラインを使用したときですが、21カルカッタコンクエストはバックラッシュが直しにくいんです。
特にシーバスでナイトゲームをやるときは強く感じました。
なぜPEラインが直しにくいのかと言うと、ナロースプールによって幅が狭く、ここの部分の土手が高いんです。
要はここの面積が小さく、そして深い。
同じサイズ感のジリオンSVTWと比較してみるとよくわかります。
PEラインのバックラッシュを直す際は、ラインを摘んで解くように直していきます。
ナイロンラインのように
「スプールをを指で抑えてハンドルを回して…」
というやり方では直らないんですね。
そのラインを解くときに思った以上にラインを摘みにくい。(笑)
(僕が不器用なだけというのは置いといてください)
僕はナイトゲームでバックラッシュをしても、ちょっとしたバックラッシュくらいなら基本的にライトは点けずに直します。
右手で手探りでラインを摘んで引き出していって、スプールに当てている左手親指で直った感触を確認します。
けれど21カルコンではムリでした。(笑)
もちろん、程度によってはライトは点けますよ。
無理に引っ張ってもラインが食い込んでしまい重症化してしまいます。
けれど21カルコンはすぐにライトを付けるハメに…
ナロースプールはPEラインと相性が良いというメリットがありましたが、バックラッシュが直しにくいというデメリットもありました^^;
▶【驚愕】21カルカッタコンクエストでPEラインを使ってみたメリット・デメリット
スプール経(ラインキャパ)が微妙
21カルカッタコンクエスト100のスプール経はΦ33mmです。
正直、シーバスをやるのならちょっと小さいです。
ただ、リール自体にパワーがあるので、小さくても「パワー不足」は十分に補ってくれます。
けれど、小径スプールによるラインキャパが、シーバスをやるには少しモノ足りないんですね。
21カルコン100のラインキャパは「ナイロンライン12lbー100m」です。
コレをPEラインに換算すると、おおよそですが「1.5号ー150m」です。
ん~、ちょっとモノ足りないんですね。
シーバスで使うなら「PE2号ー150m」くらいは欲しいと僕は思っています。
「PE2号ー150m」と言うと、「ナイロンライン16lbー100m」ですね。
PE1~1.5号くらいを使ってライトルアー専用と割り切るならまだいいのですが、シーバスのメインタックルとしてはちょっとラインキャパが少ないと僕は思います。
実は旧カルカッタコンクエスト100を購入に踏み切れなかったのは、「スプール経とラインキャパ」だったんですよね。
旧カルコン100はスプール経Φ36mmで「ナイロンライン12lbー100m」だったんですね。
コレが実に中途半端。
「大口径スプールで重いルアーをぶっ飛ばしたいのにラインキャパが足りない」
「細めのラインでライトルアーを快適に使いたいのに大口径過ぎる」
という状態だったんです。
ですからライトルアー中心で使うことを考えていた僕にとっては、21カルコンの100のΦ33mmナロースプールはソッコーバイトしてしまったワケです。
ですから正直カルコンに150番くらいの設定があって、
「スプール経Φ36mm ナイロンライン16lbー100m」
なんて設定があればシーバスにドンピシャだったと思うんですけどね。
というワケで21カルカッタコンクエスト100のスプール経とラインキャパは、ライトルアー専用でやるのなら良いけどシーバスにはちょっとモノ足りない、といった感じです。
ブレーキが調整しにくい
コレは基本的に「ナイトゲームに限り」ですね。
ご存知21カルカッタコンクエストのブレーキシステムは、SVSインフィニティを搭載しています。
SVSインフィニティをカンタンに説明すると、内部のブレーキブロックで大まかに調整し、外部のダイヤルで微調整をする、といった感じです。
SVSインフィニティ以前ののSVSはサイドハッチを開けてブレーキ調整って感じでしたから、それに比べれば外部ダイヤルで調整できるのは随分ラクになりました。
実は僕もダイワのベイトリールの使用が多くなったのは、ナイトゲームでわざわざライト点けてSVSを調整するのが煩わしくなったからです。
マグネットブレーキでしたらダイヤルをカチッと回せばいいだけですから、わざわざ手元を見なくても「1段階ブレーキを強くする」「1段階ブレーキを弱くする」と言うことが出来ますからね。
で、外部ダイヤルで調整する最新版SVSインフィニティを楽しみにしていたんです。
が、ないじゃん!クリック音!
そう、過去のモデルはわかりませんが、現行最新のSVSインフィニティの外部ダイヤルって「無段階調整」なんですね。
無段階だとナイトゲームでライト点けずに「1段階ブレーキを強くする」という事が出来ません。。。
デイゲームで手元を確認しながら調整するなら問題はないんですけどね。
イヤまあ、個人的にはデイゲームにしてダイヤルのクリックはあったほうが良いと思います。
なぜならブレーキの再現性が高くなるから。
無段階調整だとめっちゃ細かく調整できるのですが、その分、再現性が難しくなります。
あのミノーはダイヤル5だった、あのバイブレーションはダイヤル3だった。
てわかればブレーキ調整の再現性が高いですよね。
ここは気になる人と気にならない人がいると思いますが、特にナイトゲームでは僕は気になりました。
ギア比が低い
カルカッタコンクエストHGは丸型ベイトリールの中でもギア比は高いほうです。
それでもHGクラスじゃまだまだ低いと思います。
21カルコン100HGはハンドル一回転あたりの糸巻き量が77cmなんですね。
ギリ許容しなくもないけど、シーバスやるなら最低でも80cmは欲しいと言うのが本音です。
せめてXGクラスで、ハンドル一回転あたりの糸巻き量が85~90cmがあればな~、と思います。
シーバスでギア比が高いことによるメリットは次の通りです。
- リーリングによる感度が上がる
- 遠投中心の釣りなので回収が早い
- 走る魚なので対応しやすい
ナイトゲームで情報量が少ない釣りにおいて、リーリングから伝わる情報は貴重です。
基本的にギア比は高いほうが水の流れが掴みやすく、「流れ」が重要なシーバスにはハイギアが使われることが多いです。
ライン回収量77cmも決して少ないわけではないのですが、遠投中心のシーバスフィッシングにとってやはりもう一クラス上のギア比が欲しいところです。
それにナロースプールは遠投するとラインのヘリが早く、スプール軸が細くなっちゃうんですね。
つまり、ハンドル一回転あたりの糸巻き量がまだ少なくなる。
そう言うことを踏まえても、本音を言えばやはりXGクラスは欲しいんですね。
実際に使ってみると巻き感度という意味では良いんですけど、巻き心地が良すぎると言うか、抵抗がなさ過ぎて無重力空間でフワっとしている感じです。
(無重力体験したことないけど)
タダでもパワーのベイトリールですので、ハイギアでもう少しハンドルに抵抗を持たせた方がシーバスでは使いやすいと思います。
2022年モデルでXGとか出ないかな。。。
ぶっちゃけ本流トラウトでHGクラスのギア比ではやはりモノ足りなくなっていますので、XGが出たら買い直したいと言うのが本音です。
21カルカッタコンクエストはシーバスで使うなら100番と200番、どっちがいい?
「どちらか1台」と言われれば、正直ちょっと迷うところです。
中間があればいいのですが、現状で選ぶとしたら僕なら
シーバスで使うなら200HGを選びます。
100番と200番の違いはスプール経とラインキャパなんですね。
両機の違いは次の通り。
- 21カルコン100 スプール経Φ33mm PEライン1.5号ー150m
- 21カルコン200 スプール経Φ38mm PEライン2.5号ー150m
このスペックで見ると100番はやはり軽量ルアー中心になります。
200番は使ったことはないのですが、スペックだけを見ると10gクラスのルアーはちょっと投げにくそうなんですよね。
実際に僕も、リョウガ2020やダイワZ2020でスプール経Φ38mmのベイトリールをシーバスで使っていました。
タマにイレギュラー的に10g程度のルアーも投げることはありましたが、正直快適とはいい難いものがありました。
僕としては下限14g程度で、主に18g以上のルアーを中心に使うときにこのクラスのベイトリールを使っていたんですね。
それを踏まえると200番では「ちょっと大きすぎかな」と思うのですが、そこはMGLスプールⅢに期待したいところです。
ですから、100番と200番を使い分けるのが一番有効です。
- 7~18gのルアー中心なら100番
- 14g以上のルアー中心なら200番
こんな感じ使い分けると快適に使えると思います^^
【結論】21カルカッタコンクエスト100HGをシーバスで使ってみたお話【まとめ】
さて今回は
「21カルカッタコンクエスト100HGをシーバスで使いたいんだけど、どうかな?」
「シーバスで使うなら100番と200番、どっちがいい?」
と言う疑問にお答えしました。
結論、
21カルコンはシーバスにはそれほど向いていない。迷っているくらいならやめておいたほうがいい。
ただ、機能的に劣っているわけではないので、デメリットを許容出来るのなら全然問題なし。
100番or200番という疑問に対しては、
どちらか1台ということだったら200番
使用用途が決まっているのだったら以下の通り。
- 7~18gくらいまでのルアー中心ならカルコン100
- 14g以上のルアー中心ならカルコン200
こんな感じです。
今回お伝えしたデメリットはカルカッタコンクエストだからと言うより、どちらかと言えば丸型ベイトリールの特徴とも言えるものです。
むしろその中では、21カルカッタコンクエストは使いやすいと言ってもいいと思います。
「そんなのデメリットのうちに入らねーよ!」
という方はぜひ世界最高峰のヌメヌメ感を味わってください^^
僕は今年一年至高のヌメヌメを満喫してきました♪
あ、とりあえずシーバスでカルコン使うなら間違いなくHGをオススメします^^
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