シーバスでベイトリールを使うなら、実はローギアが向いている本当の理由
と言うテーマでお話しします。
最初に言っておきますが、基本的にシーバスフィッシングはハイギアの方が向いています。
コチラでも書いてあるように、僕もコレまでシーバスには完全にハイギア一択でした。
▶【シーバス ベイトリール】ギア比?そんなのはハイギア一択である理由
「なんだ、ハイギアが良いって言ったりローギアが良いって言ったり、言ってることがメチャクチャじゃないか」
もしかしたら、そう思われた方もいるかも知れません。
もちろん、今現在も
「シーバスフィッシングはハイギアが向いている」
と言う主張は変わりません。
けれど、最近の新たな気付きとして、
「シーバスにもローギアのメリットってあるな」
と思うようになったんですね。
特に、ベイトリールを使うことによって、ローギアのデメリットも帳消しにしてくれる側面もあり、
「シーバスにローギアってけっこうアリなんでね?」
と思うようになったワケです。
結局は、「使い分け」や「スタイル」の問題と言うことです。
それではシーバスでローギアを使う理由、メリットについてお話しします。
目次
シーバスでベイトリールを使ったとき、 ローギアのメリット
では、結論から。
僕が最近の新たな気付きとして思うローギアのメリットは、「リズム」です。
- 一定のスピードで巻く
- 自分が快適なリズムでテンポよく巻く
コレはハイギアではやりにくく、実はローギアの大きなメリットなんですね。
ローギアリールのメリットって一般的には、
「巻き取りパワーがある」
とされています。
けれど、基本的に引き抵抗の少ないルアーを使うことの多いシーバスフィッシングでは、
巻き取りパワーと言うメリットは正直あまりありません。
(だからこそ、ハイギアがより活きるのですが)
なぜなら、シーバスでよく使われるルアーは、主にミノーやシンキングペンシルなど引き抵抗が小さなルアーがほとんどだからです。
ブラックバスの様にディープクランクやスピナーベイトをごりごり巻く、なんてこともありません。
引き抵抗の強いルアーと言ったら、せいぜいバイブレーションくらいです。
けれど、スプール径Φ34以下の小口径でギヤ比XGクラスのベイトリールじゃなければ、
巻き取りの重さでそれほど苦になることではありません。
ですから、ことシーバスフィッシングにおいては、やはりハイギアの方がメリットは多いんですね。
そんなハイギアのメリットを考慮したとしても、「ローギアの方がリズムが取りやすい」
と言う気付きがあったワケです。
では詳しく説明していきたいと思うのですが、その前に一つ確認だけしておきます。
一言にローギア、ハイギアと言ってもどの程度なのか、メーカーや機種ごとで違います。
ですから、読み手それぞれで曖昧になってしまいますよね。
なのでここでは、ハンドル一回転当たりの巻き取り量を、
- 80~90センチをハイギア
- 70~80センチをローギア
と言うように定義しますね。
なのでローギアと言っても、実際はハイギアクラス、機種によってはエキストラハイギアクラスになります。
当記事を読むにあたり、その様に理解していただければと思います(^^)
では本題の方、詳しく説明しますね
一定のスピードで巻く
ローギアというのはハイギアより、巻き取りスピードがブレずに一定のスピードで巻くことが出来ます。
なぜならハイギアは、少しハンドルを動かしただけで、より大きくルアーが動いてしまうからです。
ですから巻き取りスピードのブレ幅が同じなら、
ローギアよりハイギアの方がルアーの動くスピードのブレ幅がより大きい、
言うことです。
例えば仮に、あなたがハンドルを回すスピードが、7~10と言う範囲内だったとします。
そこで仮に、
ローギアが1対2、ハイギアが1対3
だとしますね。
するとローギアだと、14~20と言うスピードのブレが生じます。
ブレ幅は「6」ですね。
この場合ハイギアだと、21~30、ブレ幅は「9」になります。
つまり、同じように巻いていてもハイギアの方がルアーの動くスピードがブレやすく、ローギアの方が一定の速度で巻いてくることが出来る。
と言うことです。
一定のスピードが良いとか悪いとかは、とりあえずここでは置いときますね。
つまり、「スピードのコントロール」と言うことに関しては、ハイギアはローギアよりシビアである。
と言うことなんです。
特に「スローで一定のスピードで」と言うと、ハイギアはけっこうやりにくいです。
なぜなら、ゆっくりスピードキープと言うのは、想像以上に難しいからです。
抜き足 差し足 忍び足で歩くより、自分のリズムで歩いた方が、一定のスピードで歩くことが出来ますよね。
それと同じです。
そら理屈だけで言えば、ハイギアは「ゆっくり巻くだけ」です。
誰でも出来ると言われれば、誰でも出来ます。
ですが、「超デッドスローで巻く」と言うのは、ハイギアだと意外と難しいのです。
機械なら早くても遅くても定速で動くことが出来ますけどね。
ですが、実際に動いて見ればわかりますが、人間はゆ~っくり動き続けるのって意外と難しいんですよね。
実際、ヨガや体操でも、早く動くよりゆっくり動くことを苦手とする人が多いそうです。
ですから、タダでも「ゆっくり動く」と言う行為はブレやすく、ブレ幅自体が大きいハイギアは、
ほんの少し巻きスピードが変化しただけでグンとルアーのスピードが変わってしまうのです。
もちろん、その変化を許容範囲とするかどうかは人それぞれですし、
「おれは何時間でも超スローリトリーブが可能だぜ」
と言う強靭なメンタルを持っている人なら問題ないです(^^)
自分が快適なリズムでテンポよく巻く
先ほどの
「ハイギアだと超デッドスローで巻くのが難しい」
と言う理由がハード(肉体)的な問題だとすると、
ソフト(精神)的な理由からも超デッドスローで巻くのは難しかったりします。
超ゆっくり巻こうと思ったら、ローギアよりハイギアの方がよりゆっくり巻かなくてはならない。
と言うのは分かりますよね。
実は僕、その超デッドスローと言うのが、どうにも苦手なんです。
ある程度の速度でタッタカと巻いていった方がリズムが良くて、テンポがいいから気持ちよく釣りが出来るんですね。
せっかちと言うか短気と言うか、テンポが悪い釣りとか苦手なんです。
ですから僕は「投げて巻く」釣りや、ポンポンポンポンとスピーディにピンを撃って行く釣りが好きなんです。
シーバスも基本タダ巻きであること多いので、投げて巻くと言うリズムが性に合っていました。
けれど、巻き取り量100cmと80cmのベイトリールを持ち替えながら使っていたときに、違和感に気がついたんです。
「おれはゆっくり巻くより、早く巻いてリズムを取った方が気持ちいいぞ」
と言うことに。
ですから、個人のリズムと言うのは人それぞれだと思います。
デッドスローの方がリズムを取りやすい人もいれば、僕の様に早めに巻いた方が気持ちがいい人もいる。
バラードが好きな人もいれば、アップテンポな曲が好きな人もいる。
ヒップホップが好きな人もいれば、ロックが好きな人もいる。
「自分が快適なリズム」と言うのは、人それぞれと言うことですね。
例えば、田辺哲男さんがローギアのカルカッタでスピナーベイトを投げ倒しているのも、永年積み上げて染み付いた自分のリズムなのだと思います。
ちなみに僕は、ナイトゲームでスローに巻いていると、すぐに眠くなる。(笑)
基本、朝型タイプの人間ですので、実は夜は苦手なのです。
若い頃はシーバスも根性で夜通しやっていましたが、歳を取ったら眠さに勝てなくなって来ました。(笑)
疲労感はけっこう頑張れるんですけどね。
眠気には勝てない。。。
で、
「自分が心地良いリズムは、もっと早いテンポ」
と言うことに気がついたんです。
ですから、これまでハイギアの特性によるメリットに着目してオススメして来ましたが、
「自分のリズム」と言うことを考えると、ローギアも視野に入れるのもアリかなと考える様になったんですね。
ローギアのデメリットを補う方法
リズムがいいからと言っても、もちろん、なんでもかんでもローギアが良いと言うワケではありません。
ローギアにはローギアのデメリットが存在します。
ローギアは、
- 巻き感度が悪くなる
- ラインスラッグの回収が遅くなる
と言ったデメリットがあります。
逆に言えば、コレを解消するのがハイギアであり、だからこそシーバスゲームには僕はハイギアをオススメしてきたワケなのです。
ただ、ベイトリールには、上記にに挙げたデメリットを解消する方法があります。
巻き感度に関しては、方法と言うよりベイトリール自体が構造上、巻き感度が良いです。
ですから多少ギア比が低くても、まだ優位性は十分にあります。
もちろん、巻き感度だけを言えばハイギアに越したことはないのですが、巻き取り長さ70~80㎝くらいなら許容できる範囲だと僕は考えています。
ラインスラッグの回収の遅さは、ショートハンドルを使用する事である程度 解消することが出来ます。
ロングハンドルよりショートハンドルの方がハンドルを一周回す距離が短くなるので、基本的に早く巻くことが出来るんですね。
大きな円を描くか、小さな円を描くか、です。
小さな円の方が、円周の距離は短いですよね。
しかも単純に、大きく回すより小さく回した方が早く回すことが出来るので、
ショートハンドルで小さく回した方がより早く回すことが出来ます。
要は、「腕全体で回すか手首の回転だけで回すか」と言う様なモノです。
ちょっと例が極端過ぎかもしれませんが、特に手の小さな人にとってはハンドルの回転半径は小さい方が回しやすく、早く回すことが出来るハズです。
つまり、
「ショートハンドル装着することによって、ラインスラッグの回収速度が上がる」
と言うことです。
具体的なハンドルの長さとしては、全長80~90mmくらいで良いと思います。
出来れば90mm未満かな。
シマノさんの表記だと軸からの長さになるので、40~45mmくらいでOKです。
最近のベイトリールはハイギア化に伴い、ロングハンドルが標準装備されているモノが多いんですよね。
当たり前の様に全長90mm、機種によっては100mm、110mmなんてハンドルが標準で装着されています。
確かに、ギア比が高くなるにつれて巻き重りがキツなります。
ですから、巻き重りをロングハンドルで解消しようと言うことなのですが、ちょっと本末転倒なところがあるんですよね。
なぜならロングハンドルにすると、ハイギア化でせっかく上がったライン回収速度や巻き感度が落ちてしまうからです。
まあ、とは言え逆に言えば、ハンドルの長さを変えることによって、多少はギア比や巻き取りスピードを調整が出来るということです。
例えば購入したリールがハイギア過ぎたのならロングハンドルを装着する、
ローギア過ぎたのならショートハンドルを装着する。
と言う様にある程度は調整が出来ます。
そう言う意味では、ハイギア過ぎるのもデメリットが出てきますよね。
巻き重りに耐えかねてロングハンドルにした場合、「長すぎてやりにくい」と言う弊害が出てきます。
あと見た目。
まあ、やりやすさや見た目については個人差がありますし、やってみないとわからないところでもあります。
と言うことで、ローギアのデメリットである、
- 巻き感度が悪くなる
- ラインスラッグの回収が遅くなる
と言うことは、
- ベイトリールを使用する
- ショートハンドルに換装する
と言うことである程度解消することが出来ます。
で、上記の方法で解決したとして、デメリットを許容出来るボーダーラインが、僕的には巻き取りスピード75cm、少なくとも70cmがギリ。
と言った感じです。
【シーバス ベイトリール】実はローギアが向いている本当の理由【まとめ】
さて今回は
シーバスでベイトリールを使うなら、実はローギアが向いている本当の理由
と言うテーマでお話ししました。
基本的にシーバスゲームは、ハイギアの方が絶対的に向いていると思います。
理由は良かったらコチラを読んで下さい。
▶【シーバス ベイトリール】ギア比?そんなのはハイギア一択である理由
ですが、ローギアにはローギアのメリットがあり、考え方や人によってはローギアの方が向いているのかなと思います。
「自分のリズム」と言うのは人それぞれですが、ハイギアをゆっくりゆっくり巻くより、サーっと早く巻いてしまった方がリズムがいい人もいますよね。
とは言え、やはりシーバスにはハイギアの方が向いていますので、クランキング専用みたいなギア比5クラスだとサスガに低すぎます。
ですから、
ハイギアとローギアのメリット・デメリットをどこまで許容出来るか?
と言うことです。
僕としては具体的に、ハンドル一回転あたり70~80㎝くらいの巻き取り長さは確保したいと思っています(^^)
今回のお話をまとめますと、ローギアのメリットしては、
- 一定のスピードで巻く
- 自分が快適なリズムでテンポよく巻く
こう言ったことがハイギアよりやりやすい。
ローギアのデメリットは以下の通り。
- 巻き感度が悪くなる
- ラインスラッグの回収が遅くなる
このデメリットを解消する方法として、
- ベイトリールを使用する
- 全長90mm未満のショートハンドルに換装する
以上になります。
確かにハイギアはハイギアでメリットは大きいのですが、あまり盲目的に「絶対にハイギア!」とならない方が良いと思います。
きちんと「なぜハイギアが良いのか」「なぜローギアが良いのか」と言うことを理解して、自分のスタイルに合った選択をすることが重要です^^