ベイトリールに糸を巻く際に、テープを使って糸を固定している人も居るようですが、スプールにテープを使って固定するのは絶対にNGです。
確かに結び目を隠すためにテープを使ったり、最初に巻くときにスプールから糸がすべってしまい、ついついテープを使ってしまいたくなる気持ちは分かるのですが、スプールにテープを貼っては絶対にいけません。
これは折角の高性能ベイトリールのメリットを殺してしまう事に繋がってしまいます。
今回は「何故、ベイトリールの糸巻き時にテープを使ってはいけないのか?」と言うお話をします。
何故ベイトリールに糸巻き時にテープを使ってはいけないの?
出典:ニチバン
ベイトリールの糸巻き時にテープを使ってはいけない理由は、
ベイトリールのスプールバランスを超絶狂わせてしまうから
です。
たかがスプールと思われるかもしれませんが、最近のベイトリールのスプールの高性能化は凄まじいモノがあり、各メーカー、様々な工夫をこらせてスプールの軽量化や高機能化を進めています。
ダイワのSVスプールやシマノのMGLスプールはその最たる例だと思います。
新素材によってスプールの強度を上げて肉薄にし軽量化を図ったり、ブランキング(スプールに空いている穴)の位置をより円の中心より外に持っていく事で慣性力を抑えたり、「ただのスプール」にも様々な工夫が凝らされています。
そのスプールにテープを張り付けてしまうというのは、メーカーが心血注いで作り上げたスプールの機能を殺してしまう事に繋がってしまうのです。
スプールに糸を巻いた後、糸がほつれていかない様にテープで固定したことはありませんか?
その時にメカニカルブレーキをゼロ以下にして、ようくスプールを見てみて下さい。
スプールが回転してテープを張り付けた部分が下に回り込んでいくと思います。
つまり、「テープは非常に重い」という事なのです。
スプールを全く動かしていない状態で、これだけバランスが狂っているのが分かるのです。
毎分30,000回転と言われるキャスト時のスプールの回転に、影響を及ぼさない訳が無いのです。
クルマのホイールも必ずバランサーをつけてバランスを取ります。
昨今のベイトリールの超絶軽量高性能のスプールなら、「たかがテープ」と言えど、その影響はかなり大きいモノとなり、キャスティングにも多大な影響を及ぼしてしまいます。
スプールの重量バランスが崩れれば、キャスト時の振動の発生の原因となり、当然のことながらキャストフィールは最悪のモノとなり、飛距離の低下やアキュラシー性の低下に繋がってしまうのです。
下手をすればキャスト時に体感できるくらい振動が出る事もあります。
特にクチャって握りつぶせてしまうんじゃないかってくらい軽量化してあるベイトフィネス用のスプールなんかだと、その影響度はもっと凄いモノになってしまいますよね。
ですから、「ベイトリールの糸巻き時にテープは絶対に使ってはいけない」のです。
追伸 だからと言ってこんな方法はやめた方が良いです・・・
そんなこと言ってもテープ使った方がラクじゃん!バランスが崩れるって言うのならスプールに一周巻いてしまえばいいんでしょ?
これは絶対にやめた方が良いです・・・。
何故なら、超絶高次元で、おそらく100分の1グラム、もしくはそれ以下(実際はどのくらいか知りませんが)のレベルでバランス取りされているであろうスプールに、そんな事でバランスが取れるとは思いませんし、そもそもわざわざスプールの重量を増やしてやる必要性が全くないからです。
鉛の重りを遠投するキャスティング競技ならいざ知らず、空気抵抗もあり、重さもマチマチであるルアーをキャスティングするのに、スプールは軽量であるのに越したことはないのです。
スプールが軽量であれば軽いルアーをキャスティングした時のスプールの立ち上がり、慣性力が低くなることによるブレーキの効きの良さ、最後のルアーのひと伸びの良さなど、あらゆる運動性能を向上させ、尚且つバックラッシュも低減してくれます。
ですから、「ちょっとくらい・・・」なんて思わず、「たかがテープ」と言えど気にしてやれば、ベイトリールの性能をより引き出す事も出来るのです。
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