さて今回は、
「初めてベイトリールを使用するんだけど、サーフで使いやすいベイトリールって何かな?」
と言う疑問にお答えします。
と言うのも今回、Nさんからこんな質問をいただきました。
Nさんからの質問はコチラ。
はじめましてNです。
今回の相談なんですが、初めてベイトリールを使用することを前提で、サーフで使用しやすいベイトリールは何が良いのでしょうか?
教えて下さい。
ルアーは20~40g前後、 ロッドはヤマガのアリーフォーサーフEARLY 105MMH/BaitModelを 考えています。 |
Nさん、メッセージありがとうございます。
サーフで20~40g程度のルアー、ロッドはヤマガのアリーフォーサーフEARLY 105MMH/BaitModelとのことなので、
基本的にメタルジグやバイブレーション、ミノーなどの飛距離を出す釣りで、ヒラメやシーバスを狙うって感じでしょうか。
それを前提でお答えさせていただきますね。
目次
サーフで使うベイトリール、おすすめ2選
ベイトリール初心者がサーフで使うベイトリールとして、僕はコチラの2機種をオススメします。
ダイワ Zブラックリミテッド
シマノ アンタレスDCMD
以上の2機種がベイトリール初心者でも扱いやすく、サーフでも不満なく思いっきり使用できると思います。
選定理由は次の通りです。
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以上の理由で、上記の2つの機種を選定しました。
では詳しい理由を説明しますね。
スプール径Φ38と言う大口径
使用ルアーが20~40gとなると、Φ38の大口径スプールがベストマッチします。
基本的にベイトリールのスプール径って、大きければ重いルアーが適していて、小さければ軽いルアーが適しています。
大は小を兼ねるとか、そう言うことはないのです。物理的に。
もちろん、使えなくはないです。
- 大きなスプール径で軽いルアーを投げることは出来る。
- 小さなスプール径で重いルアーを投げることは出来る。
ただ、「適していない」ということです。
つまり、投げにくい、パフォーマンスが発揮できないということなんです。
例えばΦ32のスプールで28gのバイブレーションをフルキャストした場合、Φ38に比べると飛距離が著しく低下します。
コレは、スプール径が小さいとスプール一回転辺りのラインの放出量が少なくなり、重いルアーをフルキャストしたときの回転数についていけなくなるからです。
そうするとスプールが唸る様に過剰回転になり、結果として飛距離が落ちます。
実際に同じベイトロッドでベイトリールだけを交換して、Φ38とΦ34スプールで比較したことがあります。
ルアーは24gのシンキングペンシル。
かっ飛ぶ系のルアーです。
結果、Φ38スプールの方が20%ほど飛距離が伸びました。
スプールのブレーキ特性などの要因もありますが、Φ34スプールでは明らかに回転数が上がり過ぎて唸るような音も出ていました。
ノイズが出ること自体、基本的に抵抗ですからね。
なにより飛距離はともかくとしても気持ち良くないですし、パワー不足になります。
逆にスプール径の大きなルアーで軽いルアーを投げるとき、もちろん投げられなくはないです。
けれど、スプール径が大きければ物理的に重たいので、軽量ルアーが持つエネルギーではスプールを回転させにくいのです。
要は、重たいボールを非力な人が、頑張って転がそうとしている様なイメージです。
当然、気持ち良くないです。
ですから、ベイトリールは使うルアーにマッチしたサイズを選ぶのが、一番気持ちよく使えるんですね。
で、20~40gのルアーにちょうどいいスプールの大きさが、Φ38ということです。
PEライン2号が200m巻けるラインキャパ
ZブラックリミテッドとアンタレスDCMD、どちらもPEライン2号を200m以上巻く事が出来ます。
- Zブラックリミテッド PE2号ー230m
- アンタレスDCMD PE2号ー200m
サーフで20~40gのルアーをフルキャストするなら、PEラインは最低でも2号以上は欲しいですし、ラインキャパとしては最低限150~200mは必要だと思います。
プラグメインなら150mでもいいと思いますが、40gのメタルジグをフルキャストと言うと100m超えのキャストになってきます。
そうなると150mはちょっとキツイかな。
使えなくはないけどギリ。て感じでしょうか。
ですから、メインがプラグなら150m、メインがメタルジグなら200m、このくらいは必要と考えればいいと思います。
となると巻くラインは具体的に、PE2号なら200m、2.5号なら150mと言った感じですかね。
どんな状況でもマルチに対応出来る
ZブラックリミテッドとアンタレスDCMDの優れているところは、どんな状況でもマルチに対応できるベイトリールだということ。
例えば、追い風でメタルジグをフルキャストしたいとき、
向かい風で空気抵抗の大きなプラグをキャストしたいとき、
どちらにも対応出来るブレーキシステムを兼ね備えているということです。
Zブラックリミテッドはマグフォース3Dと言って、
最初から最後までブレーキ力がかかるMAXブレーキモード、
キャスト終盤ではほとんどブレーキ力がかからなくなるロングキャストモード、
その中間の特性のオールラウンドモードがあります。
出典:ダイワ
例えば向かい風のときはMAXブレーキモードで使用し、
ミノーなど、そこそこ空気抵抗のあるルアーはオールラウンドモード、
メタルジグやバイブレーションはロングキャストモード、
と言った使い分けがカンタンに出来るんですね。
ダイワZは実際に僕も使っています。
主にシーバスで、PE2号でフィッシュマンベンダバール89M、エクスセンスジェノスB108Mと言った磯ヒラを狙う様なタックルです。
Nさんが使おうと思っているような感じのタックルですね。
まあ、ほとんどオールラウンドモードで使っていましたけど。(笑)
向かい風のときはサミングで対応して、ここぞって言う飛距離が欲しい時にロングキャストモード、と言った感じです。
3モード×20段階の60段ブレーキって言う触れ込みでしたけど、ぶっちゃけそこまで全然使わないです。(笑)
とは言え、使いやすかったことには違いまりません。
軽いルアーでは10gくらいのミノーを使っていましたが、問題なく投げることは出来ます。
ただ、先ほども言いました様に、10gのミノーならΦ34スプールのベイトリールの方が投げやすいことには違いありません。
サーフで使うにしてもパワー、ギア比、耐久性も問題ないでしょう。
アンタレスDCMDは使用したことはありませんが、同様に問題なく使えると思います。
Zブラックリミテッドとの大きな違いはブレーキシステム。
アンタレスDCMDは電子制御で、コチラの方がブレーキ調整はカンタンかも知れません。
なぜなら、サーフで使う場合、ほとんど場合がXBモードでこと足りそうだからです。
出典:シマノ
基本的に4くらいのブレーキにしておき、バイブレーションやシンキングペンシルなどの遠投系のルアーを投げるときは3、もしくは2。
メタルジグの投げるときや追い風いっぱいの時は、1。
向かい風になってきたときは5以上。
と言った感じで。
ただ、4~5の間が大きな設定なので、そこでちょうどいいところを見つけようと思うとプレート外してモード変更をしなければならなくなります。
そう考えるとZブラックリミテッドと比較しても一長一短ですよね。
他のベイトリールはどうなのさ?
スプール径Φ38以上ののベイトリールでPEライン2号が200m以上巻けるベイトリール、余り少ないんですよね。
例えば次の機種。
- 21カルカッタコンクエスト200
- 21スコーピオンMD300XG
- 21タトゥーラ300XG
この辺りは候補になります。
ただ21カルカッタコンクエスト200はSVSインフィニティと言って、遠心力ブレーキなんですよね。
遠心力ブレーキがダメと言うワケではなく、ベイトリールを初めて扱う人が気持ちよくセッティングを出せるか?
と言われれば、「出来る!」とは言い難いのです。
SVSインフィニティって、内部ブレーキと外部ブレーキで調整を行います。
ベストセッティングを出すのがちょっと手間なんですよね。
一緒に教えてくれる人が横にいれば良いのかもしれませんが、もしベイトリール初心者のおひとり様釣行だと、苦戦するかもしれません。
あと、ギア比が低すぎなのも気になります。
ナロースプールなので、遠投するともっと巻き取り長さが少なくなりますからね。
使えないとかではないので、「どうしてもカルコンでやりたい!」と言うのなら止めはしませんが、あまりオススメは出来ないかな。
あと、21スコーピオンMD300XG、21タトゥーラ300XG。
使ったことがないのでスペック比較になりますが、
- キャストの気持ちよさでは21スコーピオンMD300XG
- トラブルレス性では21タトゥーラ300XG
と言った感じです。
21スコーピオンMD300XGは遠心力ブレーキになりますが、旧タイプのSVSになります。
内部ブレーキのみのオン、オフで調整していくので、シンプルで調整はしやすいと思います。
僕もビギナー時代に使っていましたが、初心者でもシンプルで使いやすかったです。
で、21タトゥーラ300XG、コチラはブレーキがマグフォースとなっていて、一番トラブルレス性は高いです。
言うならば、Zブラックリミテッドで言うところのMAXブレーキモードです。
とは言え、飛距離が出ないというワケではありませんよ^^
飛距離と言う意味では伸びはないですが、全然悪くないブレーキです。
価格帯も考えると、本当は初心者にはコチラの方が向いているのかもしれませんが、なんせデカい。
スプール径がΦ43あり、本格的なショアジギまで対応できます。
20~40gのルアーと言うと、どちらかと言うとライトショアジギクラスになります。
例えばこのベイトリールで20gのプラグをどこまで快適に投げることが出来る?
と言われれば、正直分かりません。
使ったことがないので。
悪くはないかも知れないけど、快適ではない。
ということが今のところ僕の印象です。
ただ、もし今後PE3号クラスで青物とかも狙っていきたいと思っているのなら、思い切ってこのクラスもアリだとは思います。
ですが先ほども言った様に、ベイトリールは大は小を兼ねません。
本来なら使用状況に合わせて使い分けるのがベストです。
1機種でやるのなら、その辺りをどう割り切るか、です。
サーフで使うベイトリール、おすすめ2選【まとめ】
さて今回は、
「初めてベイトリールを使用するんだけど、サーフで使いやすいベイトリールって何かな?」
と言う疑問にお答えしました。
結論、この2機種。
- ダイワ Zブラックリミテッド
- シマノ アンタレスDCMD
この2機種なら、どちらを選んでも間違いは無いでしょう。
じゃあ、どっちを選べばいいの?
ん~、迷うところですが、僕はZの方は持っているので、設計の新しいアンタレスを選ぶかな^^
ちなみに以前、
「サーフでヒラメを釣りたいんだけどどんなベイトリールが良いかな?」
と質問された方にもこの2機種をオススメしたところ、Zブラックリミテッドを買うとおっしゃっていました。
ま、好みで良いと思います^^
ただ、ハイエンド機種なので、ぶっちゃけ高いです。
21スコーピオンMD300XG、21タトゥーラ300XG、この辺りはお手軽なのですが、使い方を考えると正直、ちょっと大き過ぎだと思います。
本格的にショアジギを考えているのならアリですが、20gのプラグはちょっと投げにくいと思います。