シーバスをベイトリールでやってるんだけど、ハイギアとノーマルギアとどっちがいいの?
最近のベイトリールって、ギア比のラインナップが格段に増えましたよね。
HGクラスはおろか、ハンドル一回転メーターオーバーと言う超XGと言えるクラスまでラインナップされている機種もあります。
そうなると、選択肢が増えれば逆に迷ってしまうというのが人間というモノで、これまでは「これしかないなら仕方ないか~」と使っていたモノが、急に選択肢が増えてしまうと途端に迷ってしまいます。
まあ、仕方がない事ではあるのですが、実は使用用途などを考えるとそれ程迷うほどの事でもないのです。
今回はシーバスをベイトリールでやりたいあなたが、ギア比の選択に迷いが無くなる様、僕なりの考えをまとめてみました。
あなたがもしギア比で悩んでいるのでしたら、良かったら参考にしてください^^
目次
【シーバス ベイトリール】ギア比はハイギア一択である理由
出典:ダイワ
結論から言いますとベイトリールでのシーバスゲームにおいて、僕はローギアと使い分ける程でもなくほとんどの釣り方でハイギアの方が適切であり、間違いなくハイギア一択だと思っています。
具体的にはハンドル一回転あたり90cm前後、広く言えば80cmから100cmくらい、つまり最低でも80cm以上は欲しい、と言う事です。
もちろんそこには僕なりの根拠もありますので、それをこれから説明していきたいとと思うのですが、その前に同じハイギアと言っても各社で違いはあると思いますので、まずは一応この場での”ハイギアの定義”を明確にしておきたいと思います。
僕がこの場でのハイギアと言うのは、「ハンドル一回転あたり90cm前後」としたいと思います。
要はXG(超ハイギア)クラスですね。
これをハイギア、それ以下をローギアとして説明させて頂きますね。
何故シーバスにはハイギアが適しているの?
まずハイギアの大きな特徴として次の点が挙げられます。
・ラインの回収速度が速い
・巻き感度が良い
・巻き重りがする
カンタンではありますが、ざっくりとこんなところです。
メリット、デメリットを含めて僕はこのくらいを「ハイギアの特徴」として考えています。
「たったのこれだけ?」とも思われるかもしれませんが、「たかがこれだけ、されどこれだけ」と言えるくらい重要な要素として僕は捉えています。
順に説明しますね。
ラインの回収速度が速い
正直、僕としてはハイギアを使う理由として、この「ラインの回収速度が速い」と言う理由が一番大きいです。
シーバスは基本的に”巻き”の釣りです。
「巻きの釣り」の釣りと言えば、特にブラックバスやっている人からすれば、どちらかと言えばローギアのイメージが強いかと思います。
確かに間違いではないのですが、いかに巻きの釣りであろうとも、ことシーバスフィッシングにおいては僕はハイギアの方が適していると思っています。
まず、シーバスは基本、遠投の釣りです。
まあ、フルキャストしなければ釣れないとか、そんなことは全くないんですけど、ブラックバスに比べて圧倒的に長距離キャストが基本になってくることが多いです。
それも、超オープンエリアである大海原や対岸の人が見えないような大河川でのフルキャストも、普通によくあるシチュエーションです。
で、そんな超オープンエリアに吹き付けている強烈な風に煽られて出てしまうラインスラッグと言うのも、結構な量になってしまうんですね。
そんな時にラインの回収速度が速いハイギアは、想像以上に重宝します。
特に夜間での釣りはどれだけラインスラッグが出たかも分かり辛いですし、少しでも早く回収しなければ余計なトラブルを生むことににも繋がりかねません。
更にフルキャストした先でラインが大量に放出されて、ただでもスプール軸が細くなって巻き取りスピードが落ちてしまっていますので、その時にローギアだとそれだけでも結構な労力になりますしロスも大きくなってしまいます。
「フルキャスト→他の場所でボイルがあった→回収」なんて時もハイギアはとても助かります。
そして、シーバスはかなり遊泳力の強いサカナです。
ランカークラスと言わなくとも、例えぎりぎり”スズキクラス”だっとしてもドラグを使ったやり取りはまず避けられないと思います。
ブラックバスの様に「ドラグガチロックでゴリ巻きブッコ抜き」、なんて事はまずやらないでしょう。
(中には「それが俺のスタイルだ!」という人もいるかも知れませんが)
ラインの巻き取りスピードが速いと、出されたラインをポンピングで回収するにも楽ですし、遠くで掛けたサカナの向きを変えるのにも、手前に向かって走ってきたサカナにも、非常に対応しやすいです。
それともう一つ、これはシーバスフィッシングに限らずなのですが、バックラッシュからの修復がとても速いです^^
僕がで初めてギア比7を超えるベイトリールを使用した時に、まず一番最初に感じた事です。
バックラッシュしてラインを引き出して、引き出したラインを回収する巻き取りスピードが、ハイギアだと本当に早いのです。
もしあなたがギア比7を超えるベイトリールを使ったことが無いのなら、是非一度使ってみて下さい。
バックラッシュからの回復スピードは軽く感動する程です^^
巻き感度が良い
シーバスフィッシングにとって巻き感度と言うのは、重要な要素の一つになって来ます。
巻き感度と言うのは、その名の通りハンドルを回転させていて感じ取る事が出来る情報の事です。
先程シーバスは「巻きの釣り」という事を述べましたが、目に見えるストラクチャーを撃っていくというより、夜間、目に見えない潮の流れを探してサカナを探していくという、「目に見えない状況からイメージを膨らませていく」、という事も重要な要素になって来ます。
その時に「巻き感度がいい」という事は、目から伝わってこない情報をハンドルを巻いている手から感じてイメージを膨らませていくのに、非常に役に立つわけです。
何も情報が無いと何かをイメージする事は難しいですが、何か一つでも情報があればそこからイメージを膨らませていく事は可能ですし、一つのキッカケが大きな取っ掛かりに繋がるなんて事は、あなたも釣りに限らず経験したことがあるんじゃないかと思います。
そう言う意味でも目からの情報を得にくいシーバスフィッシングは、「巻き感度」は重要な要素と言っても過言では無いと思います。
で、「巻き感度が重要なのはわかったけど、何故ハイギアは巻き感度が良いの?」と言うお話をしますね。
ベイトリールは基本的に巻き感度が良いリールです。
それは構造上の特徴で、ハンドルの回転とスプールの回転の向きをスピニングリールの様に変換する必要もなく、ダイレクトにスプールに巻きつけていく事が出来るからです。
ですからその分巻く力も強く、加えて巻き感度も良くなるんですね。
そう言う意味でも実はベイトリールは、「巻きの釣り」としてシーバスフィッシングに合っていると言ってもおかしくはないのです。
で、ハイギアによる巻き感度の向上についてですが、ハイギアと言うのは少しのハンドルの回転でラインをたくさん巻きとる事が出来る分、少しハンドルを回すスピードが変化するだけでラインの回収スピードが大きく変化します。
自転車のギアをイメージして貰うと分かりやすいかも知れません。
ギア比が低いと多少の登り坂であっても足にかかる負担はほとんどが変わることなくグイグイ登っていく事が出来ますが、ギア比を高くしていると足にかかる負担は大きくなりますよね。
ローギアとハイギア、どちらが登り坂に差し掛かったという変化を感じ取りやすいかと言うのは、目をつむっていても分かるくらい変化を感じ取る事が出来ると思います。
要はギア比が高いという事は、それだけハンドルを回すあなたへの「ダイレクト感」が強い訳です。
話を戻しますとそれはつまり、ハイギアは引いているルアーの「変化を感じとりやすい」という事なのです。
目からの情報に乏しいナイトシーバスにおいて、「ハンドルを巻くことによって多くの情報が手に入り状況をイメージし易くなる」という事に繋がるというのは、結構重要な事である事はお分かりいただけると思います。
実際に使用してい見るとよくわかるのですが、一見何の変化も見られない大海原にキャストをしてみても、引き抵抗の強いところ、弱いところの判別がつきやすい事が分かります。
引き抵抗が大きい所は潮の流れが強くなっているところなので、シーバスがいる可能性、もしくは回遊してくる可能性が高い所です。
そして、引き抵抗が軽くなればルアーを回収、引き抵抗の強い所が見つからなければ移動、と言う判断の材料になります。
特に目に見えない夜の釣りにおいて「ハンドルから伝わってくる情報」と言うは、「状況をイメージし仮説をたて検証する」と言う釣りの基本とも言える事に、非常に強力な武器になるという事は言うまでもありませんよね。
巻き重りがする
ギア比が高い事によって心配される事の一つに、「巻き重りが大きくならないか?」と言う事がありますよね。
確かにギア比が高いとラインを多く巻き取れる分、ルアーを引く抵抗が強くなってしまうので、ハンドルが重くなって余計な疲労に繋がりますし、ハンドルが重くなるという事はその分、力が必要となって来ますので”力み”が生じ、それを支えるロッドを持つ方の手にも必要以上の力が必要となって来ます。
つまり余計な力みによって、「感度の低下」という事も出てきてしまう訳です。
事実、バスフィッシングでは、ガンガンに引き抵抗のあるディープクランクをハイギアで引く、という事はまずありませんよね。
話にならないくらい力が必要ですし、とてもじゃないけど「グリグリ巻く」なんて事は出来ません。
やったととしても恐らく、ハンドルを巻いたりロッドを支えるのに、釣りにならないくらい力が必要になって来るというのはイメージ出来ると思います。
「え?それじゃあ、ハイギアで巻き感度が良くても抵抗が強すぎて逆に感度が悪くなるじゃん!」
と思われた方もいると思います。
はい、実際その通りです。
ですが、確かにその通りではあるのですけど、シーバスフィッシングにおいてクランクベイトの様な引き抵抗の強いルアーを使う事はまずありません。
(使う使わないは人それぞれですけど)
シンキングペンシルやミノーの様な引き抵抗の弱いルアーが中心になりますので、巻き重りに関しては実はそれ程心配する必要は無いのです。
確かにバイブレーションの早引きなんかをすると、流石に重いなと感じる事はありますけど出来ないほどではありませんし、そのバイブレーションを早引きする様な使い方にそこまでの感度を求める訳でもありません。
ですから実際のところシーバスフィッシングにおいて、「いかにハイギアを使おうともストレスを感じる程巻き重りを感じる事は無い」と言うのが僕の意見です。
「ハイギアは巻いていて重い」と言うのは間違いはないモノの、シーバスフィッシングでよく使うルアーでは気にする程ではないという事ですね。
ただし、小径スプールは避けた方が無難
ハンドル一回転あたり80~100cmくらいは巻きたい、と言っても、小径スプールでは流石に止めておいた方が良いです。
小径スプールと言うのは、スプール一回転あたりの糸巻き量が少ないです。
ですから「ハンドル一回転あたり80cm巻く」と言う事でしたら、スプール径が小さければ小さいほどギア比が高くなっていきます。
いかにシーバスフィッシングがあまり拭き抵抗の大きなルアーを使わないとは言っても、流石にスプール径が34mm未満のリールでは役不足と言うか、パワー不足を感じてしまうと思います。
飛距離的にも小径スプールでは不利になってしまいますしね。
ですからせめて、最低でもΦ34以上のスプール径のモノを使いたいところですね。
個人的にはシーバスフィッシングではΦ36くらいのスプール径が最適かなと思っていますが、それはまた別の機会にお話します^^
Φ34くらいでハンドル一回転あたり80~90cmくらい巻くことが出来れば、まあ、十分だと思います。
ただし、剛性の有るベイトリールをオススメはしますけどね。
Φ34であってもリール自体にパワーが無いと、バイブレーションなんかは少ししんどくなってきます。
まあ、それでもメリットデメリットを考えるとハイギアであるメリットの方が大きくはなって来ますけど^^
【シーバス ベイトリール】ギア比?そんなのはハイギア一択である理由【まとめ】
今回はシーバスフィッシングにおいてのギア比は、ハイギア(ハンドル一回転あたり80~100cm)が最適ですよ、と言うお話をさせて頂きました。
いささか強引と言うか傲慢にも感じ取れるような説明だったかも知れませんが、シーバスフィッシングでは複数タックルを持ち歩く事ってあまりありません。
と言うか、少なくとも僕は何か理由がない限りあまりしたくありません。
理由としてはロッドが基本的に長い為、複数本のロッドを持ち歩くのは邪魔であるという事と、辺りがほとんど見えない夜間であると、ぶつけて破損させたりうっかり置き忘れてしまう可能性も出てきてしまうからです。
シーバスロッドって長い分、高価になってしまいますので、リール+ロッドで軽く10万円を超える様なタックルを使っている様な人も、実際けっこう居ますよね。
そんなタックルを置き忘れて、戻ったら既になかったなんて事になったら目も当てられません。
ですから、エリアによって持ち出すロッドを使い分ける事はあっても、ルアーチェンジによってリールを使い分ける事ってあまりしません。
もちろん、”僕が”そう言った使い方をしているという訳ではあるのですが、複数本持ち歩くことのデメリットを考えると、やはり1タックルで行きたいですし、メリットの方が大きいと考えるハイギア一択でいいのかなと言うのが僕なりの意見ではあります。
ロッドを変えた時に、ルアーを巻くスピード感覚を狂わせたくないというのもありますけどね。
もちろんハイギアにもデメリットはあるのですけども、あまり引き抵抗の大きいルアーを使わない、大きなエリアでロングキャストをすることが多い、という事を考えると、ハイギア一択でもほとんど事足りると僕は思っています^^
追伸 シーバスにローギアはアリ
最近の気付きとして、シーバスにローギアはアリかなと思っています。
よかったら参考にしてください。
▶シーバスでベイトリールを使うなら、実はローギアが向いている本当の理由【最新】
本文中のリンク、こちらにまとめておきますね。