出典:ダイワ
2022年、ダイワベイトリール新製品として登場したタトゥーラ TW 80。
今回はそのタトゥーラ TW 80のファーストインプレッションをお伝えしたいと思います。
今のところ購入予定なので、実釣インプレはまたお伝えしますね。
とりあえずどんなベイトリールなのか、最初に僕が感じた結論を簡潔にお伝えしておきますね。
- 超ハイコスパベイトリールであり、
- 太いラインを使用して比較的軽めのルアーから重めのルアーまで扱いやすく、
- 近・中距離距離キャストに最適なベイトリール
僕はこんな感じだと思います。
言うならば、
- 野池などの小規模なフィールドで使いやすく、
- 予算の限られた学生や「ちょっとベイトリールをかじってみたい」と言う方が、
- 「とりあえず触ってみる」には最適なベイトリール。
と言った感じです。
どんな釣り方か具体的な例に挙げると、
「12~16lbラインを使用して、5~20gくらいのルアーを近・中距離キャストがメインの釣り」
こんな感じの釣り方にはジャストマッチなんじゃないかと思います。
僕は最近、ミドルクラスのベイトリールをよく使います。
以前はハイエンドにこだわっていた部分もあったのですが、最近のミドルクラスのベイトリールって全然ハイエンドクラスに負けていないんですね。
ただタトゥーラってミドルクラスと言えど、価格帯的に少し廉価的な位置にあります。
正直言うと、僕はあまり使わないポジションなんですね。
なぜなら、位置的にもう少しお金を出せばジリオンやアルファスが買えちゃうからです。
ジリオンクラスになるとスティーズともスプールに互換性があるし、ノーマル状態でもハイエンドクラスと全然遜色ないんですね。
しかもタトゥーラって代々スピードシャフトは採用されておらず、スプールの互換性が少ないんですよね。
※スピードシャフトと言うのは、ダイワが採用しているシャフトレススプール。
ですが今回登場した22タトゥーラ TW 80は、
「それでもこのベイトリールは使ってみたい」
と思わせてくれるベイトリールでした。
ただ、22タトゥーラ TW 80の特徴はちゃんと理解した方がいいです。
じゃないとせっかくポテンシャルの高いベイトリールを使っても、全然活かせないことになっちゃうんで^^
それではインプレッションをお伝えしますね。
▶【結論】22タトゥーラTW80 or 20タトゥーラSVTW、どっちを買ったらいいの?
目次
22タトゥーラ TW 80【インプレ】
冒頭で説明した「22タトゥーラ TW 80はどんなベイトリールなのか」の理由、
それは22タトゥーラ TW 80が持っている特徴にあります。
僕が22タトゥーラ TW 80に感じている大きな特徴は以下の通り。
- スプール径Φ32mm深溝ナロースプール
- クラス最高峰と言える高剛性
- ビビるくらいの超ハイコストパフォーマンス
以上の特徴を総合的に加味すると、
- 比較的軽めのルアーを太いラインで使用し、近・中距離距離キャストに最適なベイトリール
&
- 「ちょっとベイトリールをかじってみたい」、「とりあえず触ってみる」には最適なベイトリール
と言う結論に至ったわけです。
では順に詳しく説明しますね。
スプール径Φ32mm深溝ナロースプール
スプール径Φ32mm深溝スプールと言うのは、22タトゥーラTW 80最大の特徴と言えます。
このスプールの特徴を言うならば、
「小径で幅が狭く、太いラインが使えるスプール」
と言うスプールです。
一般的にバスフィッシングで多く使われるスプール径はΦ34mmです。
メタニウムやスティーズと言ったフラッグシップモデルも、Φ34mmがメインモデルなんですね。
Φ34mmスプールの特徴としては、10g前後のルアーが扱いやすいスプールになります。
スプール径の大きさの違いの特徴をざっくり言ってしまうと以下の通り。
- スプール径が小さいと軽いルアーが扱いやすいけど、飛距離が伸びにくい
- スプール径が大きいとラインキャパが増えて、重いルアーの飛距離が伸びやすい
スプール径には大きさによってこんな感じの特徴があります。
ブレーキ特性とかスプールの材質とか色々ありますけど、コレはもう物理的な特徴です。
大は小を兼ねるとか、ベイトリールには物理的にあり得ないんですね。
もし「大径スプールで軽量ルアーが扱いやすい」ってベイトリールがあったら、
「それで小径スプールならもっと軽量ルアーが扱いやすい」と言うことです。
ですから、
「使うルアー、シチュエーションによってベイトリールは使い分ける」
と言う使い方がより快適に釣りが出来るワケなのです。
で、スプール径Φ32mmである22タトゥーラ TW 80が使いやすいルアーウェイトは、7g前後、5~20gといったところでしょうか。
もちろん、もっと重いルアーも扱えますが、先程も言ったように小径スプールなので飛距離が落ちてしまいます。
飛距離が出る重いルアーを使っても、スプール径が小さいとキャストの際に回転が上がり過ぎて、どうしても飛距離がスポイルされてしまうんですね。
単純な話、スプールが同じ一回転するなら、スプール径が大きいほうが放出されるラインの量は多いですよね。
ですから基本的にスプール径が大きいベイトリールの方が飛距離が伸びて、
小さいベイトリールは、飛距離をあまり求めない軽めのルアーの扱いが得意なんです。
けれど、22タトゥーラ TW 80はスプール径が小さい割に、比較的重めのルアーも視野に入れてあります。
なぜなら太いラインが扱えるように、このクラスとしてはラインキャパが多い深溝スプールを採用しているからです。
アルファスSV TWなんかも同じスプール径ですが、22タトゥーラ TW 80の方がたくさんラインを巻く事ができる様になっているんですね。
コレは明らかにタトゥーラの方が重めのルアーも視野に入れていると言っていいでしょう。
太いラインが扱えるということは、重めのルアーも扱えると言うことです。
この辺のタックルバランスって、実はとっても重要なところです。
いくら飛距離が出るからって重いルアーを細いラインでキャストをしていたら、カンタンに高切れが起こってしまいます。
「高切れが頻発するー」
て言っている人の多くは、タックルバランスの問題だったりするんですね。
ほっそいラインで重いバイブレーションをフルキャストしたら、そらカンタンにパッツーンって行っちゃいますよ。
ですから重めのルアーを扱う時は、ちゃんと太めのラインを使ってやらないとマズいワケなのです。
かと言って逆にラインキャパがメチャクチャ多くてもスプール重量が増加してしまい、軽量ルアーが扱いにくくなってしまいます。
22タトゥーラ TW 80は適度な深溝スプールに加え、さらにナロー(幅が狭い)スプールを採用することで、スプールレスポンスを確保しているんですね。
ですから、深溝小径ナロースプールの22タトゥーラ TW 80に合っている使い方として、
- 近・中距離をメインとして、軽めの5gくらいのルアーも扱いやすく、
- 20gくらいまでの重めのルアーも快適に扱うことが出来る。
と言った感じなんですね。
もちろん先ほども言ったように小径スプールですので、どうしても飛距離がスポイルされてしまう側面はあります。
それは小径スプールの宿命なので、ある意味仕方がありません。
ただその代わり、小径スプールはトラブルが起こりにくいと言う特徴があります。
「ラインを適正量より少なめに巻くと、ライントラブル(バックラッシュ)を抑えられるよ」
て聞いたことありません?
もしくはラインを巻いたばかりの頃はバックラッシュが頻発したけど、
使っていくうちにバックラッシュの頻度が減っていってキャストがしやすくなった。
なんて経験ありませんか?
それはなぜかと言うと、使用していくうちにスプールに巻かれているラインが減っていったからなんですね。
つまり、スプールに巻かれているライン量が減ることで、スプールが小径化していっているワケなのです。
極論、以下の画像の様に半分くらいまで減っちゃうと、バックラッシュをしない代わりに、全然飛距離が伸びません。(笑)
けれど、軽量ルアーへの対応度は増します。
そのベイトリールの持っているポテンシャルを活かすには、基本的にラインは、そのリールの適正量を巻くのがベストです。
ベイトリールはメーカーがあらゆるテストを繰り返し、適正量でベストパフォーマンスを発揮するように設計してあります。
ですからやはり、基本的には適正量がベストなんですね。
けれど逆に、ラインが適正量より減っていくことでバックラッシュが少なくなるがためにストレスなくキャストすることができる。
そして結果、むしろ飛距離が伸びる。
ということもフツウにあります。
ちょうど最近、実際当サイトの読者様からそう言ったコメントを頂いたことがあります。
ベイトの糸巻き量については、適正値以下だと飛距離が落ちると、ありますが、結論から申し上げて、飛ぶんですよ(^^)
どちらにも100メ―トルしか巻きません。
それは、トラブル防止以上に、ストレスなく飛んでいくからです(^^) 理論上はアナタの言う通りだと思いますが(笑 |
↑↑↑こんな感じのコメントをいただきました。
(こう言ったコメントは他の読者様のの参考になりますので、感謝しかありません^^)
適正量がベストだと言っても、自分に合った使い方なら、結果としてそれがベストなんですね。
ほら、SVスプールってめちゃくちゃトラブルレスだけど、飛距離がちょっと物足りないところがあるじゃないですか。
けれど、向かい風や空気抵抗の大きなルアー、失速しやすい軽いルアーを投げるなどの悪条件下のキャストだと、
むしろ飛距離が伸びたりします。
ダイワさんも公式サイトでSVコンセプトについてこう謡っています。
マグダイヤルだけで向かい風を恐れずキャスト可能。 むしろ悪条件下ではノーマル(マグフォースV、Z)より飛ぶ。
出典:ダイワ
なぜならストレスなく投げることが出来るから、むしろ飛距離が伸びちゃうんですね。
ですから、
「小径スプールは飛距離が伸びにくい」
というのは確かに事実ではあります。
ですが事実ではあるのですけども、場合によっては非常に使いやすく、むしろ飛距離が伸びるケースもあるワケです。
とは言えやはりポテンシャルと言う意味では、そこまで飛距離は期待しないほうがいいと思います。
もう、「物理的な意味で」ですね。
マグフォースZが採用され、確かに飛距離は伸びると思います。
けれど、あくまでも「このクラスとしては」と言う理解にとどめておいた方がいいと思います。
ですから
「思ったより全然飛距離が伸びる」
そんな印象は受けるかも知れませんね。
ですが「飛距離が伸びやすい」と言うのはその分、余計な力を入れる必要がないということです。
MAX30mしか飛ばないベイトリールで30m先を狙うより、
MAX50m飛ぶベイトリールで30m先を狙ったほうがラクに飛距離を出せますよね。
ラクに飛距離が出せるということはアキュラシー(キャストの正確性)も上がります。
そういう意味でも22タトゥーラ TW 80は、「近・中距離メイン」と考えるのが最もパフォーマンスを発揮すると僕は思います。
クラス最高峰と言える高剛性
本場アメリカでも評価を得ているタトゥーラシリーズの剛性の高さは、今さら多くを語るまでもありませんよね。
で、さらに、22タトゥーラ TW 80は近年ダイワが提唱しているタフコンセプトである、ハイパードライブデザインが採用されています。
出典:ダイワ
ハイパードライブデザインと言うのは、要はボディや駆動系が強化され、剛性感や耐久性が大幅に上がる設計がされていると思っていただければ良いと思います。
もちろん、上のクラスのジリオンやスティーズにも採用されています。
言っちゃなんですが本音を言うと、
「このクラスのベイトリールに採用されるのも凄いな~」
て思います。
確かにタトゥーラは元々剛性感に定評のあるベイトリールですよ?
けれど、22タトゥーラ TW 80は定価22,000円です。
税込みの実売価格は恐らく18,000円前後くらいでしょうか。
そのクラスのベイトリールってコストダウンの為に、耐久性や剛性感はある程度犠牲になってもおかしくないと思うんですよ。
けれど22タトゥーラ TW 80は、むしろ剛性感がウリのベイトリールです。
そして更に、ハイパードライブデジギア、アルミハウジング、タフクラッチと言った「剛性」に関わる部分はしっかりと強化されています。
コレはホント嬉しい。
ベイトリールの剛性感て、数字じゃ見えないけどめっちゃ重要です。
やっぱり剛性感の高いベイトリールは、カッチリしてて使っていて気持ちがいい。
ほんとストレスなく使うことが出来ます。
剛性感が低いと、どうしても「ひずみ」が出ちゃうんですよね。
「イヤイヤ、そんなハードな使い方しないよ?」
「と言っても相手は所詮サカナでしょ?」
そんな風に思う方もいるかも知れません。
けれど、一度高剛性なベイトリールを使ってみれば分かる。
剛性、マジダイジ。
僕も昔はベイトリールの剛性感なんて気にしていなかったんですよ。
「別にマグロを釣ろうってワケじゃないし、サカナ相手にぶっ壊されることなんてないでしょ?」
て。
ですからむしろ剛性感なんかより、軽量であることの方が余程重要視していました。
もちろん、剛性が低いからと言っても、あからさまにグニャリと歪んでしまうワケではありません。
けれど、ハイギアを使いだしてから「ひずみ」を痛感するようになったんですね。
ハイギアって早く巻ける分、巻き抵抗は大きくなります。
そうすると、バイブレーションやクランクベイトなどの引き抵抗の大きなルアーだと特に、リールの方にも負荷がかかるんですね。
ちょっと想像してみてください。
極端な例ですが、グニャグニャな柔らかいベイトリールと金属質なカッチリしたベイトリール、
どちらが力強く巻けると思いますか?
当然、歪まない金属質なベイトリールの方が力のロスがなく、巻き取りパワーもあるワケです。
ですから、カッチリした剛性の高いベイトリールは、それだけで気持ちよくグリグリ巻く事が出来るんですね。
その剛性感をこのクラスのベイトリールで体感することが出来る。
コレって実は凄いことだと僕は思うのですよ。
もちろん上を見ればキリがありません。
確かにもっと凄いベイトリールは存在します。
今年モデルの22ジリオンTW HDなんて、もはやスティーズクラスになっちゃってます。
(あれはあれでスティーズA TWとして出して欲しかった)
けれど、実売税込で二万切っちゃうくらいよ?
諭吉さん2枚出せば、ラインも買えてお釣りが出ちゃうくらいよ?
このパフォーマンスはホント凄いと思います。
しかも本場アメリカでしっかりと評価されている剛性です。
そのパフォーマンスをこの価格帯で体感出来るなんて、
「学生でカネねーんだよ」
「お年玉もコロナ禍で上がったりだ」
「会社員のお小遣いナメんな」
と言う方にはめっちゃ嬉しいベイトリールだと思います。
あ~、て言うか、
「今さらタトゥーラの剛性で語ることはない」
なんて言ってたのに、めっちゃ語ってしまった。(笑)
まあ、最近のベイトリールって、露骨な軽量化より剛性感を重視しているところあるじゃないですか。
それが僕は何より嬉しいのです(^^)
剛性の高いベイトリールは使っていて気持ち良いのですよ。
という事でこの項でコスパについても語っちゃんたんで、
「ビビるくらいの超ハイコストパフォーマンス」は割愛させていただきますね。
僕は22タトゥーラ TW 80でどんな使い方をするのか?
僕は基本的にトラウトメインになると思います。
ブラックバスにも使いたいのですが、山間部という事もあって近くにあまりフィールドがないので、どうしてもトラウトがメインになっちゃいます。
もしくは5~20gのルアーをメインとしたチニングやロックフィッシュって感じかな。
まあ、でも海無し県在住なので、メインとなるのは近場の河川中心ですかね。
(子供が小さいうちはしゃーないっす)
合わせるロッドはfishman BEAMSローワー7.3L、もしくは場所によってはBEAMSクローラ9.2L。
とりあえずライトからミディアムくらいのロッドが合わせやすいかなと思います。
もしくは太いライン、重たいルアーを使うならミディアムヘビーでもいいと思います。
で、ラインはPE1~1.5号、もしくは近距離メインなら2号くらいでガッツリって感じもアリだと思います。
「太いラインでライトルアーを扱いやすい」
と言うのが22タトゥーラ TW 80の特徴でもあるので、このくらいガッツリでも良いかもですね。
剛性感も文句無しですし、思い切ったパワーフィッシングにも使えそうです(^^)
22タトゥーラ TW 80【インプレ】まとめ
さて今回は22タトゥーラ TW 80のインプレッションをお伝えさせていただきました。
どんなベイトリールなのか、結論を簡潔にお伝えしますと、
- 超ハイコスパベイトリールであり、
- 太いラインを使用して比較的軽めのルアーから重めのルアーまで扱いやすく、
- 近・中距離距離キャストに最適なベイトリール
僕はこんな感じだと思います。
言うならば、
- 野池などの小規模なフィールドで使いやすく、
- 予算の限られた学生や「ちょっとベイトリールをかじってみたい」と言う方が、
- 「とりあえず触ってみる」には最適なベイトリール。
と言った感じです。
使い方の具体例を言うと、
「12~16lbラインを使用して、5~20gくらいのルアーを近・中距離キャストで扱うような釣り」
こんな感じの釣り方にはジャストマッチなんじゃないかと思います。
それにしてもこの価格帯で手に入るなら、お小遣い制オヤジUターンバサーも復帰しやすいんじゃないでしょうか^^
多分、昔と比較して性能にビビると思います。(笑)
「この価格帯でこの性能が手に入るのか!」
て。
それくらい最近の釣り具はミドルクラス以下の性能が上がっていると感じています。
けれど、ベイトリールに限らずですけど、ロッドも含めて釣り具の値段て昔と比べてめっちゃ上がったことないですか?
ただの物価上昇とは言い切れないレベルです。
だって、メタニウムとか、僕は高校生の頃にバイトでお金貯めて買いましたけど、確か2万円台で買えたと思います。
それがハイエンドクラスです。
今となってはハイエンドクラスなんて倍ほどの価格になっていますもんね。
ロッドもハイエンドで3万円前後だったような…
まあ、それだけ付加価値もついたんでしょうけど、
「実売3万円前後のミドルクラスのベイトリールも悪くないよ?」
て、今だからこそ僕は言いたい。(笑)
▶【結論】22タトゥーラTW80 or 20タトゥーラSVTW、どっちを買ったらいいの?
▶【20タトゥーラ SV TW】軽量ルアーの飛距離を測定してみた
ちゃんと物理を学んだほうが良いと思うよ。
適当なことをもっともらしく言うのは良くない。
最後まで記事を読んでくださりありがとうございました。
読んでくださる読者様一人一人に支えられてベイトリール大百科を運営しております。
この度はご指摘ありがとうございます。
私もまだまだ勉強不足ですので、これからも精進して参ります。
より良いサイト作りのためにもまたご指摘いただけると幸いです^^