2018年にダイワから登場したベイトリールの一つに、SV ライトリミテッドと言うベイトリールがあります。
最初にダイワのホームページで見かけたとき、「え?何コレ?要るの?」と言うのが正直な感想でした。
SVライトと言うだけあっては、SVスプールよりよりライトな領域をカバーできるというコンセプトという事は分かりましたが、SVスプール自体すでにベイトフィネスの領域に片足突っ込んでいる様なモノでしたから、それ以上軽いルアーを使うには必要性を感じなかったというのが正直な最初の印象です。
このベイトリールのポジションとしてはSVコンセプトとベイトフィネスの中間と言ってしまえば、まあ、分かりやすくはあるんですけど、よ~く紐解いていくと「そう単純な話では無いな」という事が分かってきました。
SVライトリミテッドと言うベイトリールは、実はここに来て「唯一無二とも言えるポジションを得ているんじゃないか」、と言うのが僕の今の印象です。
今回はSV LIGHT LTD(ライトリミテッド)のインプレッションと共に、どの様に使っていけばいいのかと言うお話をしたいと思います。
目次
ダイワ SVライトリミテッド(LIGHT LTD)【インプレ】
出典:ダイワ
まず、このSVライトリミテッドと言うベイトリール、ベイトフィネスとSVコンセプトの中間と言うポジションではある事には違いは無いのですが、単純に「中間の重さのルアーが使いやすい」、と言う程薄いポジションではありません。
じゃあ、どうやって使うの?と言う事ですが、一言で言ってしまえばパワーフィネスと言ってもいいでしょう。
パワーフィネスと言っても一昔前に流行った、スピニングリールにPEラインを巻いて・・・と言うやつではありません。
僕としては特にショートキャストを多用する場合のバスフィッシングでは、PEラインは向いていないと思っています。
▶ベイトリールでPEラインを使いたい方必見
このお話はまたどこかでしようと思いますが、このSVライトリミテッドと言うベイトリールはカンタンに言ってしまえば「太いラインが使えるベイトフィネス」と思ってもらえればいいんじゃないかと思います。
もちろん、太いラインを使う分スプールが重くなりますからフィネス性(軽量ルアーへの対応度)は落ちてしまいますが、それでもSVスプールよりは十分フィネス寄りに使える、と言った感じです。
ラインキャパを見て貰えれば分かると思うのですが、
SVライトリミテッド
8ld-40~80m
10ld-30~65m
SS エア(ベイトフィネス用ベイトリール)
8ld-50m
と、ベイトフィネス用のベイトリールより2倍近いラインを巻くことが出来ます。
これによって太いラインでよりヘビーなカバーへのアプローチ、更にこれまでよりも距離を取ってアプローチできるようになったという事です。
つまり、これまでより必要以上にサカナにプレッシャーを与える必要がなく、プレッシャーの低いサカナにアプローチ出来るようになったという事は容易にイメージ出来ると思います。
ベイトフィネスリール並の軽量ルアーのキャストフィールを確保しつつも、SVスプール並みの強度も確保した、そんなベイトリールがSVライトリミテッドと言う訳です。
ですから例えば、同じ3.5~5グラム程度の軽量ルアーを投げたとしたら、キャストフィールとしてはベイトフィネス用に近く、使いどころとしてはよりタフな使い方が出来るSVに近い、と言ったイメージでいいんじゃないかと思います。
つまり、確かにベイトフィネスとSVコンセプトの中間と言えど、このベイトリールの持つポジションと言うのは単純に”中間”を埋めるものではなく、唯一無二とも言えるニッチなコンセプトを埋めるポジションと言うのが分かるんじゃないかと思います。
▶ダイワ ジリオンSV TWを意地でもベイトフィネスで使いたい”あなた”へ
意外にも高剛性ボディを採用
出典:ダイワ
フィネス寄りのリールってその使用用途からもリールそのものの重量にもこだわっている事が多く、樹脂製のボディで軽量化が図られている事が多いです。
ですが、このSVライトリミテッドはエアメタルハウジングと言う金属ボディで作られています。
マグネシウム合金なんで流石に淡水専用ではありますが、メインハウジング(要はボディのメインとなるフレーム)に金属を使用して、150グラムを切るボディ重量は流石にちょっと驚異的です。
ダイワお得意の樹脂であるザイオンボディを使わずに、あえて金属ボディにするあたり、このベイトリールの”タフコンセプト”が伺えますよね。
SVライトリミテッドの使い方は?
使用するルアー重量として最も使いやすいのはやはり5グラム前後でしょう。
まあ、使用するルアー重量で言ってしまえばベイトフィネスとSVの中間とも言える訳ですが、もっとフィネス寄りで使いたければハーフラインで糸巻き量を押さえておけば、専用のベイトフィネスリールとほとんど変わらないフィーリングで使用できると思います。
スプール満タンまで巻けば8ldラインが80m巻ける訳ですから、ライトルアーをラインキャパを気にすることなく使う事も出来ますし、ライトルアーの使用感としてはノーマルのSVスプールを超えるくらいになるんじゃないかと思います。
ですから、5グラム前後のミノーやシャッドも使いやすいし、3.5~5グラム位のライトテキサスやダウンショット、ジグ等をいつもよりヘビーなポイントへ、もしくはいつもより距離を取ってアプローチと言う事もやりやすいと思います。
こうやって考えるとニッチなポジションと言っても、意外と使用用途も広く、「このリールでしか埋められない」と言う釣りも出てきますよね^^
ダイワ SVライトリミテッド(LIGHT LTD)【インプレ】まとめ
冒頭で「このリールって要るの?」ってめっちゃ失礼な事を言ってしまいましたけど(ダイワさん、すみません)、釣りを細分化していくとニッチとは言えやはり必要なポジションでしたね。
確かにSVスプールでもカバーできない領域ではない、けれどやっぱり快適には使えない。
かと言ってベイトフィネスリールでは太めのラインを使えないし、強度的にも不安が残る。
今までありそうでなかった、そしてその必要性を見出したというのは凄い事だと思います。
バスフィッシングにしてもベイトリールにしても、既に熟成期に入っていると言っても良いと思います。
けれどもそんな中からでも問題を提起し解決策を提案する、そういった力があればこれからも釣り業界はまだまだ伸びていく可能性があると思いますし、自然を相手にする無限の可能性がある業界だと思いますので、メーカーさんにはがんがん頑張って欲しいです^^
SVライトリミテッドは、ベイトフィネスリールよりもパワーフィネス的な使い方でこそ活きる、と言うお話でした。
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