シマノの人気ベイトリールシリーズであるアルデバランに、遂にMGLスプールが搭載されて登場しました。
アルデバランと言えばアルデバランBFSと言ったベイトフィネス専用モデルもありますが、やはり軽量コンパクトなベイトリールに軽量ルアーのキャスティングにずば抜けていると言う特徴は、登場した当時から変わっていません。
僕的にはφ32のスプールってなんだか中途半端に感じて「どうなの?」と言う感じでしたが、いざ使ってみるとベイトフィネスリールとφ34スプールのオーソドックスなリールとの間を埋める絶妙なポジションになっているというのが体感できると思います。
そのアルデバランが注目のMGLスプールを搭載して2018年、モデルチェンジをした訳です。
これは注目と言えますよね。
という訳で、今回は生まれ変わったアルデバランMGLの特徴を深堀するとともに、アルデバランMGLを有効に使うにはどう使い分けたら良いのか等をお伝えしたいと思います。
目次
アルデバランMGL【インプレ】 最大の特徴は?
アルデバラン登場時からのコンセプトである、軽量コンパクトなベイトリールでベイトフィネスを扱う様にテキサスリグやヘビーダウンショットリグを扱える、と言うのは一切ブレることなく、更に正統進化を遂げたアルデバランが今回のMGLスプール搭載モデルです。
・トップクラスの”軽量”を誇るベイトリール
・軽量ルアーに特化したφ32MGLスプール ⇐注目
アルデバランMGLが他のベイトリールにない最大の特徴と言ったら、やはりこの2点だと思います。
この2点においてはアンタレスDCであろうともメタニウムMGLであろうとも、2018年に同じく登場したバンタムMGLであろうとも太刀打ちできない領域であり、「このルアーをキャストしたい!」と言うピンポイントでは類まれなキャスティング性能を誇るベイトリールと言っても良いと思います。
特に注目はやはりφ32のMGLスプールでしょう。
これまでもアルデバラン以外には、スコーピオン70などにも搭載されて定評があったφ32の軽量ルアー用スプール。
このスプールがMGLとなってアルデバランに搭載されたんですね。
僕はここには特に注目したいと思います。
では順に説明しますね。
トップクラスの”軽量”を誇るベイトリール 135グラム
軽量ベイトリールの代表格であるダイワのスティーズでも最軽量モデルで148グラム、シマノのフラッグシップモデルであるメタニウムMGLでも175グラム。
まあ、十分すぎる程軽量ではあるのですが、アルデバランMGLはちょっと次元を超越してしまっている135グラムです。
もちろん、ベイトリールは「ただ軽量であればいい」というモノではありませんが、軽量であるという事のメリットは計り知れないモノがあります。
僕が初めて軽量をウリにしているベイトリールを使ったのが、ダイワのTD-Zだったのですが、確か170~180グラムだっと思います。
それでもやはりキャスティング、感度、ロッドワーク、あらゆる釣りが”異次元”に感じ、「タックルが軽量になるというのはこういう事なんだ」と感動した覚えがあります。
この”軽量”であるという特徴は扱うルアーが「軽量であればあるほど」活きてきて、軽いルアーを「フッとリフトしてストンと落とす」と言った挙動が手に取る様に伝わってきます。
そう言う意味でも「アルデバラン」と言うベイトリールのコンセプトを考えると、ベイトリールの本体自体が軽量である事は必須の項目であるのですが、アルデバランと言うベイトリールはそれを遥か高次元で実現しているという事です。
まあ、それがアルデバランが登場時から人気である理由なんでしょうね。
軽量ルアーに特化したφ32MGLスプール ⇐注目
出典:シマノ
最近のシマノのアッパーミドルクラス以上のベイトリールでは最早必須となりつつあるMGLスプールですが、僕はこのアルデバランに搭載された意味は大きいと思います。
MGLスプールとはご存知の通り、スプールの側面にブランキング(穴あけ加工)が施されたスプールです。
これまでは技術的に難しかったそうですが、「スプール側面」がブランキングされ軽量化が図られるというのは、これまでの様にスプールの底にブランキングがされる事に比べて意味が随分と変わってくるのです。
※他のインプレでも近い事を書いていますので「知ってるよ!」と言う方は読み飛ばしてくださいね^^
回転する物体は、円の外側に行くほど慣性力が大きくなります。
ちょっとイメージして欲しいのですが、水平に持った1メートルくらいの棒の先に1㎏の重りを付けたとします。
この棒を50cmの棒に持ち替えたときと「重さの感じ方」を比べてみて下さい。
棒の重さは置いといて、同じ重さの重りが付いているなら1メートルの棒の方が重く感じますよね。
要は、軸を中心に円が大きくなればなるほど慣性力(慣性モーメント)は大きくなります。
ですから、同じ重さを軽量化するなら軸から近い所より、”遠い所”を軽くした方が慣性を小さく出来るという事です。
つまり、例えば同じ1グラム軽量化するなら、チタンシャフトとかで軸を1グラム軽量化するより、MGLスプールの様に円の外側に近い所を1グラム軽量化した方が効果が大きい、という事なのです。
これがMGLスプールの凄いというか魅力的なところであり、シマノが追及している「キャストフィーリングの良さ」と言うのを実現している理由なのです。
で、アルデバランMGLと他のMGLスプールが搭載されたベイトリールとの違いは、スプール径がφ32であること。
基本的にスプール径は大きい方が、1回転あたりのラインの放出量が多くなるので飛距離が出ます。
が、スプール径が大きいと先ほどの慣性モーメントのお話になるのですが、円の外側の重量が増えて行くので慣性モーメントは大きくなっていきますし、当然大径化に比例してスプールそのものの重量も増えていきます。
スプールの重量が増えれば増える程動かすのに大きな力が必要、つまりスプール径が大きいという事は、「重いルアー」向けという事です。
バスフィッシングにおいて最もよく使われる3/8オンス(約10グラム)前後のルアーが最も扱いやすいスプール径と言うのが、φ34と言われています。
少し見渡せば、全体的にφ34のスプールが搭載されたベイトリールが圧倒的に多いという事が分かると思います。
で、アルデバランMGLのスプール径はφ32と、平均的なスプール径より小さくなっています。
つまり、軽量ルアーの扱いに長けているという事で、MGLスプールによって”より”その軽量ルアーが扱いやすくなったと言う事なのです。
ルアー重量で言えば1/4オンス(7グラム)前後、このクラスの重さのルアーのスペシャリストと言うのがこのアルデバランMGLのポジションと思えば良いと思います。
アルデバランMGLはどの様に使いと効果的?
1/4オンスクラスのスペシャリストと言いましたが、ベイトフィネスと呼ばれる領域にまで踏み込んでいるのもアルデバランMGLの特徴の一つです。
ただ、もちろん、5グラム以下と言った「ベイトフィネスの領域」と言えるルアー重量においてはベイトフィネス専用のベイトリールの方に分が出てきますし、重いルアーにおいても同様で、もちろん扱う事は十分出来るけどメタニウムなどのスプール径が大きなベイトリールに分が出てくる事になります。
最も活きてくるルアー重量の守備範囲を見てみると、
・~5グラム
ベイトフィネス専用機 アルデバランBFS、スコーピオンBFS等
・5~12グラム
アルデバランMGL、スコーピオン70
・7~20グラム
φ34スプール メタニウム、バンタム等
・14グラム以上
φ36スプール カルカッタコンクエスト100
こんなイメージで良いと思います。
つまりアルデバランMGLは5~12グラムクラスのルアーのスペシャリスト、と言うポジションのベイトリールという事です。
もちろん、5グラム以下、12グラム以上のルアーも問題なく扱う事が出来ます。
けれど、やはりその領域はそれぞれ専用のベイトリールの方が優れているという事ですね。
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アルデバランMGL【インプレ】まとめ
アルデバランMGLが得意なルアーとして、シャロ―クランクやミノーや小さめのトップウォーターなどの比較的軽量なプラグは非常に扱いやすいと思います。
他にはライトテキサスやヘビーダウンショットも快適に扱える守備範囲と言えると思います。
5~12グラムクラスのスペシャリストではあるモノの、ベイトフィネスの領域、20グラムクラスと言った領域も十分にカバーが可能です。
ボートの釣りだと何本も持っていけるので細かく使いわける事も可能ですが、オカッパリでタックルを1本だけ持っていくという状況において、「今日は軽めのルアー中心に行こう」と言う時にはベストなベイトリールと言えると思います^^
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