バンタムMGLの飛距離ってどうなの?飛ぶの?
気になっている人もきっと多いハズ。
今回はバンタムMGLの飛距離についてお伝えしたいと思います。
シマノ バンタムMGLと言えば、2018年に登場したベイトリールで注目度Nô1と言ってもいいんじゃないかと言うベイトリールです。
剛性にとことん拘って、それでいてコンパクトと言う、シマノのベイトリールラインナップの中で唯一無二的な存在であり、やっぱりみんな気になりますよね。
僕の印象ではシマノのベイトリールってあまり剛性剛性って言ってこなかった気がするんですね。
恐らくそれはシマノのベイトリールを使ったことがある方ならわかると思うのですが、あえて剛性感を謡わなくても安価なモデルも含めて凄いかっちり感がある、つまり、”剛性”の基準が元々高かったのかなと。
過去のシマノのベイトリールを使った時の記憶を辿っても、それこそ20年以上前の「バスワン」とか、特に安価なモデル程その差が他社のベイトリールに比べて顕著に出ていたイメージがありました。
で、剛性に拘ったベイトリールと言えばもちろん、カルカッタシリーズが君臨していた訳ですけど、丸形ベイトリールってやっぱり好きな人もいれば嫌い、苦手な人もいるのは間違いないです。
ですからバンタムMGLのフルソリッドボディ(金属の塊)と言う、誰が見ても明らかに剛性の高さをイメージ出来るボディに、メタニウムMGLより一回りコンパクトなボディと言うのだから、そら注目する人も多くなりますよね。
注目する人が多くなれば当然気になる人も増えてくるのが、”飛距離”ではないでしょうか。
前置きが長くなってしまいましたが、今回はバンタムMGLの”飛距離”に着目してお伝えしたいと思います。
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目次
バンタムMGLの飛距離ってどうなの?飛ぶの?
結論から単刀直入に言ってしまえば、「十分に飛ぶ」と言っても良いと思います。
最新のMGLスプールを換装し、金属の塊と言える剛性の高いボディにがっつりとスプールがサポートされていれば、それはもう、飛ばない理由は無いと言ってもいいでしょう。
厳密に飛距離にどの程度影響を与えるかは流石にちょっとわかりませんが、「ボディ剛性」と言うのは少なからず飛距離に影響を与える要素の一つです。
スプールの回転数はフルキャスト時には30,000回転を超えると言われています。
1分間に30,000回転も回る構造物はそうそう存在しません。
ましてやベイトリールと言うのは、水に触れるわゴミにも触れるわはガンガンに引っ張られるは、上下前後左右、3Dに振り回されて相当過酷に使われているモノです。
ここまで過酷に使うモノで、「剛性なんてスプールの回転に関係ないよ」とは言えないでしょう。
スプールを支えるハウジングが少しでも歪めば回転に影響を与えるでしょうし、過酷に使っていればボディに歪みが出ないとも限りません。
そう言う意味ではボディ自体を支える部品点数自体が少なく、一つの”塊”であるバンタムMGLは「歪む」と言う場所さえも限りなく少ない訳です。
リーリング時ばかりに注目されがちなその剛性の高さは耐久性も向上させ、ボディの歪みを抑え安定的にルアーの飛距離を確保してくれる、そう言っても間違いは無いでしょう。
剛性の高さが飛距離に影響を与える、僕は初めて丸形ベイトリールを使用した時に驚くほどの体験したのを記憶しています。
丸型ベイトリールはレベルワインダーの位置関係上、飛距離に関してはどうしても不利になるのですが、その時はダイワのリョウガでしたが、かっつりとしたキャストフィールに、静かに高速で回り続けるスプール、ルアーがシュパッと着水点に向かって飛んでいく様子は感動すらした程でした。
シマノも「S3Dスプール」など、スプールの重量バランスや寸法精度にはとことん拘り、安定したキャストが出来るようにしています。
ガタつきや回転ムラを極限まで抑えるスプールを剛性の高いボディで支える事が出来れば、相乗効果で飛距離の影響を与える、こうイメージするのはそれほど難しい事では無いと思います。
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じゃあ、飛距離はどの程度飛ぶの?
僕がここで実際にキャストして「○○m飛びました!」と言っても正直あまり参考にならないと思います。
ベイトリールの飛距離は、各々のキャストスキルと言う要素が多くを占めているからです。
ですからここでは感覚的な部分は極力排除し、他のベイトリールと比較しながら飛距離に関して「バンタムMGLはどの位置にいるか」と言うのを検証してみたいと思います。
メタニウムMGLとの比較
まず同じような価格帯のベイトリールで、どっちを購入しようか迷っている方もいると思われるベイトリール、メタニウムMGLとの比較検証です。
まず、スペック的な違いを見るとその違いは糸巻き量の違いくらいであり、それはつまり、スプールの重量の違いという事です。
バンタムMGL
12ld-130m
スプール重量 13グラム
メタニウムMGL
12ldー100m
スプール重量 12.4グラム
スプール重量は夢屋スプールに記載されている両者の深溝、浅溝スプールの数値から抜粋しているため、正確には違うかもしれません。
ですので、仮にここでは空の状態のスプール重量は「ほぼ同じ」と仮定してお話しますね。
で、糸巻き量の違いから分かるのが、スプールを満タンにラインを巻き付けた際のラインも含めたスプール重量の差です。
同じ12ldラインで比較した場合、バンタムMGLが130m、メタニウムMGLが100m,、つまり空のスプール重量がほぼ同じだとしても、バンタムMGLはラインの重量がメタニウムMGLより30%以上も重くなる、という事です。
「飛距離を出す」という事においてスプール重量が影響してくるのはご存知だと思いますが、スプール重量が重くなるという事は、スプールを回転させるのに大きなエネルギーが必要となり、重いと慣性力も大きくなり回り続けようとする力も強くなるので、制御するのにも大きなエネルギーが必要になります。
つまり、エネルギーの小さな軽量ルアーを使用するとスプールの立ち上がりが鈍くなりレスポンスが落ち、失速しやすい軽量ルアーはブレーキも強くしてやる必要があるので飛距離も落ちてしまう、と言う事に繋がっていきます。
そしてその差は、ルアーの重量が軽く空気抵抗が大きいほど大きくなり、ルアーの重量が重く空気抵抗が小さいほど小さくなります。
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じゃあ、10グラム程度のルアーだとどうなの?
バンタムMGLとメタニウムMGLはお互いにΦ34のスプールを採用しています。
Φ34と言うのは約10グラム前後のルアーが最も扱いやすいスプール径とされています。
で、10グラム程度のルアーだとその差はどのくらいになるのか、正直数字で出すのは難しいですが、やはり多少なりとも差は出ると思います。
かと言ってその差は、それほど大きなものではないと思います。
ロッド、ルアー、ラインを全く同条件で投げ比べれば、スプールレスポンスの違いは分かるかも知れませんが、ほとんど違いは分からないと言っても良いと思います。
とは言えバンタムMGLは16ldが100mとなっており、それなりにヘビーな使い方を想定されています。
つまり、それなりに重めのルアーを使う事も想定されている訳です。
重めのルアーでヘビーな使い方という事も考えると、メタニウムMGLのライン重量のアドバンテージは小さくなり、バンタムMGLが剛性面で有利な面も出てきます。
要は、お互いの使用用途を考えると「飛距離は対して変わらない」と思ってもいいんじゃないかと思います。
スプールとレベルワインダーとの距離の影響は?
メタニウムMGLより一回りコンパクトになっているバンタムMGL。
コンパクトなのはもちろん喜ばしい事ではあるのですが、メリットばかりではなくデメリットも出てきます。
それはコンパクトになった分、スプールとレベルワインダーとの距離が短くなってしまうという事です。
出典:シマノ
丸型ベイトリールに比べればまだ距離は確保されてはいるものの、ロープロファイルリールとしては比較的短いです。
距離が短ければ短いほどスプールから放出されるラインの角度が急になってしまい、これがそのまま抵抗に繋がります。
とは言え、実際にのところこれがどの程度飛距離に影響を与えるかはなんとも言えませんが、少なからず抵抗になってしまう事は間違いありません。
で、実際のところ同じロープロベイトリール同士で違いを体感できるかと言えば、それほど体感できるものではないと思います。
ただ少なからず、レベルワインダーとスプールに距離があった方がラインの放出抵抗は小さい、と言う事です。
バンタムMGLの飛距離を検証してみた結果・・・【まとめ】
なんかバンタムMGLに対するネガティブインプレッションになってしまいましたが、実際は恐らくそれほど体感できないほどの差だと思います。
ただあえて「飛距離の出る出ない」に序列をつけるなら、
バンタムMGL ≦ メタニウムMGL
と言った感じでしょうか。
やはり少なからずメタニウムMGLの方が10グラム程度のキャストはし易く、飛距離は稼ぎやすいかなと言う事です。
ただ本当に「あえて言うなら」と言うレベルのお話ではありますので、「メタニウムMGLより飛距離出ないから買わない」では凄くもったいなく、バンタムMGLはバンタムMGLの活きる道と言うのがありますので、それを活かしていくのが一番だという事です。
バンタムMGLは十分に飛ぶベイトリール、と言うのが今回のお話でした。
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