今や星の数ほどの種類のPEラインが世にリリースされている訳ですが、それぞれのPEラインにはそれぞれ様々な特徴があります。
そして、確かにベイトリールに向いているPEラインと言うのも存在します。
ですが、同じPEラインでも評判は賛否両論で、「このラインはクソだな!トラブルばかりで使えねえ」という人もいれば、「最高のラインです!耐久性もあるし糸がらみも少ない」と、意見が真っ二つに分かれる事もよくあります。
それは何故かと言うと、結局のところ「使い手の使い方に合っているか」と言う部分が大きいからです。
これはベイトリールに限らず、スピニングリールにおいても同じです。
使う人が違えば、当然使い方も十人十色です。
ですから、「売れているライン程、酷評も好評も多い」となる訳です。
んじゃ結局何を選べばいいのよ?? となりますよね。
言ってしまえば、「とりあえず色々と試してみれば?」と言うのが一番なのですが、それじゃあまりにも冷たいですよね^^;
ですので今回は、10年以上ガッツリベイトリールでPEラインを使用してきた僕がオススメする、「ベイトリールに向いているPEラインの特徴と選び方」をお伝えしたいと思います。
オススメする理由が分かれば、あなたがPEラインを選ぶ一つの基準が出来ると思いますので、良かったら参考にしてください。
目次
どんなPEラインがベイトリールに向いているの?
僕が考える「ベイトリールに向いているPEラインの特徴」と言うのは、
・安価である ⇐重要!
・ラインそのものにハリがある
・ノンコーティング
ざっくり言うとこれだけです。
耐久性がどうこうと言うのも入れたいところですが、耐久性なんてのは使用状況にもよりますし、明確に耐久テストをやるか、長期間同じ条件で使い比べ無いと判断は難しいです。
ですので今回、耐久性を特徴には入れませんでした。
「ベイトリールにオススメPEライン」はコチラに書いてあります。
「僕なりの使用感、耐久性」をお伝えしていますので、良かったら参考にしてください。
そして、以外かも知れませんが、実は安いPEラインの方が強度があるのです。
では理由を順にお伝えしたいと思います。
安価である
PEラインて高いものだと10,000円を超える様な高級品も存在します。
(最近はPEラインの価格はビックリするくらい下がっていますね^^;暫く同じラインばかり使っていたのでちょっと驚きです)
高価なラインはそれはそれで性能が凄かったり強度が凄かったり、良いところがたくさんあるんですけど、僕は絶対的に安価なPEラインをオススメします。
もちろん安ければ良いというモノではありませんが、150m巻きで2,000円から3,000円程度のもので十分だと思っています。
150mなら裏返して2回使えますので、上手く使えば1シーズン1,000円から1,500円と言う破格のラインコストになります。
財布にも優しい安価なラインですが、実はそれ以上に「安い方がいい」と言う理由があります。
それは、「強度が低下しない」という事と「釣り(キャスト)が上手くなる」という事です。
釣り(キャスト)が上手くなる
10,000円クラスの高級ラインがトラブってしまったら、意地でも修復しようとしませんか?
安いラインだったら割り切ってとっとと切ってしまいませんか?
安価なPEラインだとトラブルを恐れず思い切ったキャストも出来ますし、最早釣りをしている時間からして違ってくるのです。
当然、思い切ってキャストが出来る、釣りをしている時間が長いと言う方が釣果に繋がりますし、上達にも繋がってくるというのは、誰が考えても分かる事ですよね?
と言うより、精神衛生上優しいです^^
強度が低下しない
そして何より、実は安いラインの方が強度があるのです。
10,000円のラインだと2,000円のライン5個分の値段です。
つまり、10,000円のライン1回使用している間に2,000円のラインだと5回新品のラインを購入できる訳です。
ラインは消耗品ですので当然、使っていれば強度は落ちてきます。
特にPEラインは摩耗に極端に弱いので、どこかに擦れたり傷が入ったりしたら極端に強度が落ちてしまいます。
という事は同じラインを長く使っているより、5回新品になっていた方が5回目の時には明らかに強度は上という事は分かると思います。
イメージだとこんな感じですね。
5回新品になるという事はその都度強度もリセットされる訳ですから、安定の強さですよね。
特にベイトリールはバックラッシュと言うトラブルは付き物です。
ラインが膨らめばリールとの摩擦も発生してしまいます。
高価なラインを長く使うより、安価なラインをこまめに交換した方がいい、と言うのが僕の「安いラインの方が強度がある」と言う理由です。
ラインそのものにハリがある
ベイトリールはハリがある方が使いやすい、と言うのは聞いたこともあるんじゃないかと思います。
なぜハリがあった方が良いのかと言いますと、バックラッシュのメカニズムと深い関係があります。
バックラッシュと言うのはキャストしたルアーがラインを引っ張っていく量より、スプールが放出しようとするラインの量が上回った際に発生します。
ルアーが引っ張り出すライン量 < スプールが回転して放出するライン量
こういう事ですね。
で、バックラッシュに至らずとも、キャストをしたスプール上では僅かながら「スプールが回転して放出するライン量」が上回る事はよくあります。
スプール上でラインが軽く膨らんでいる状態と言うのは、「スプールが回転して放出するライン量」が上回っている状態なんですね。
これは「悪い状態」と言う訳では無く、状況によっては「無重力」とも言われる、最も飛距離が伸びる状態でもあるのです。
ですが、PEラインと言うのはしなやか過ぎるその特徴から、スプール上でラインが膨らんでしまうと、すぐにラインが絡まってしまうのです。
先にスプールから放出されたラインが、後から放出されたラインに追い越されてしまうと巻きつく様に絡んでしまい、すぐにガツンとロックが掛かる様にバックラッシュしてしまう訳です。
ラインにハリがあると少し追い越しただけでは絡みつくことがありませんので、バックラッシュまでの許容度が広くなるのです。
しなやかなPEラインはバックラッシュまでの許容度が狭い
⇓
すぐにキャスト直後の最も速度が高い状態でガツンとロックバックラッシュ
⇓
伸びの少ないPEラインはショックを吸収できずラインブレイク(高切れ)
となり、「ベイトリールでPEラインを扱うのは怖い」と言う人が出てくる訳です。
正直、キャストの仕方でどうとでもなるし、PEラインの特性を知っておけばバックラッシュなんて特に恐れるモノでもないし、むしろ重症になる前にすぐにバックラッシュする分、直しやすいくらいです。
僕はミスキャストによる修復不能的なバックラッシュは、ナイロンラインやフロロカーボンラインに比べるとPEラインは圧倒的に少ないです。
と言うかあまり記憶に無いくらいです。
話がちょっと反れ気味だったので戻しますが、ハリのあるPEラインと言うのはバックラッシュまでの許容度が広く、キャストがその分イージーになる、という事です。
そして、しなやか過ぎるラインは、ラインがスプールにブレーキを掛けてしまう事があります。
雨や汗で濡れたTシャツがペトーンと肌に張り付いてしまった経験は誰しもが一度はあると思います。
乾いているときはシルキーで滑りも良く、非常に「いい感じ」に感じるのですが、いざ使っていて水に濡れてしまうと、肌に張り付いたTシャツの如くラインがスプールに張り付いてしまうのです。
その結果どうなるのかと言うと、キャストをして僅かでもラインが膨らんだ際にキューッとブレーキが掛かってしまうのです。
この現象は特にシマノの遠心ブレーキや、ダイワのマグフォースZ、特にHLCスプールでキャスト後半のもう一伸び、と言う時によく発生していました。
バックラッシュではないんですけど、ロックではなく、キューッとスプールにブレーキが掛かってしまうのです。
スピニングリールで言うと「糸離れの悪さ」という事と同じだと考えても良いと思います。
まあ、その現象を僕が経験したのはこのPEラインだけですが、そのPEラインについてはコチラで詳しく説明しています。
ハリが欲しいと言ってもフロロカーボンライン程ゴワゴワなのもまた考え物ですが、本当のところナイロンライン並みのハリがあれば文句は無いという事です。
そんなPEラインは存在しないと思いますが、「ある程度ハリのあるPEライン」と言うのがベイトリールにとっては使いやすいPEラインとなるという事ですね。
ノンコーティングのPEライン
最近はノンコートのPEラインは探す方が難しいかも知れませんが、僕は出来る事ならベイトリールで使用するPEラインはノンコートの方が望ましいと思っています。
以前ダイワさんからベイトリール専用PEラインとか出ていましたけど、ヘアスプレーでがちがちに固めた様なゴテゴテにコーティングしてあるPEラインでした。
けれどもコーティングラインて、ラインの性能自体は向上しるのですけど、それはつまり、コーティングが剥がれていけば必ず性能が落ちるという事を意味している訳です。
それはコーティングの性能が良ければ良いほど、ラインの性能、強度の落ち方も激しくなります。
そして、がちがちに固められたラインはバックラッシュによりキンクもしやすくなります。
当然、キンクした一部分だけがコーティングが剥がれやすくなり、一部の弱いところに伸縮性の無いPEラインは負荷が集中しやすくなります。
そうなれば、バックラッシュなどの瞬間的に負荷が掛かった時にラインブレイク、高切れ、という事に繋がっていく事になるのです。
もちろん、コーティングが悪いという訳ではありませんが、コーティングにラインの機能的な部分を頼り過ぎているラインは要注意です。
特にベイトリールで使用していると、釣りをしている最中に「使用感」が変わってしまと、それがバックラッシュなどのトラブルに直結しやすいからです。
ですから、コーティングをすることによってPEラインの性能を上げるというのは良いのですが、「コーティングに頼り過ぎている」と言うPEラインは注意が必要と言う事です。
最初はめっちゃ良かったけど、急に強度が落ちてきた、急に飛距離が落ちてきた、と言う事がありましたら「コーティングに頼り過ぎている」ラインと思ってもいいかも知れません。
その時点で満足する程使用していれば問題ないんですけど^^
【保存版】ベイトリールにおすすめするPEラインの特徴、選び方【まとめ】
今回のお話をまとめますと、ベイトリールで使いやすいPEラインは、「コーティングされていなくて、適度なハリがあるライン」という事になります。
「そんなPEラインあるんかい!」と言われそうですが、実はあったんですよ。
そのラインがコチラです。
タイプ2となってコーティングされているようですが、僕が求めるベイトリールに適したPEラインの条件に高次元で対応しています。
とは言え、もちろん欠点も存在します。
詳しいレビューについてはコチラで書いていますので、参考にしてください。
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▶【シーバス】ベイトリールでPEラインはむしろスピニングより向いている理由