ベイトリールって本当に星の数ほど世に出回っていて、どれを選んだ方が良いか本当に迷ってしまいますよね。
自分の使い方に合わないベイトリールや、使用用途に合わないベイトリールを選んでも、正直使いにくいだけです。
中でもベイトフィネス用のリールと言うのはかなり専用性の高いベイトリールで、間違ったリール選びをしてしまうと使いにくいどころか「使えたもんじゃない」という事にもなりかねません。
ベイトフィネスリールと言うのは、言ってしまえば「専用のチューニングが施されたベイトリール」と思って貰っても良いと思います。
極端な事を言えば、軽量ルアーを投げる為に一般道を走る普通のクルマを、サーキットを走る為にチューンされたクルマくらい特化させたベイトリールと言っても過言では無いでしょう。
ですから、下手に安いベイトフィネスリールを購入してしまうと「使いにくい」どころか、「使えたもんじゃない」という事になってしまいかねないのです。
もちろん、安いベイトフィネスリールが全て悪いなんて事を言うつもりはありませんが、安いベイトフィネスリールであってもきちんとポイントを押さえて、コストを注ぐところには注がれて、抑えるところは抑えている、と言うリールがベストな訳です。
ですから、下手に安いベイトフィネスリールを購入するくらいなら、自分できっちり”ポイント”を押さえてチューニングしてやると言うのが、失敗することなく最も安くベイトフィネスリールを手に入れる事が出来る、と言う訳です。
今回は、あなたのお手元のベイトリールをベイトフィネスリールとして十分に通用する様にするチューニングのポイントと、具体的な方法をお伝えしたいと思います。
目次
最も安くベイトフィネスリールを手に入れる方法
冒頭でもお伝えしました様に、安くベイトフィネスリールを手に入れようと思ったら下手に安いベイトフィネスリールを購入するより、きっちりポイントを押さえてチューニングをした方が安く出来ますし、間違いがありません。
では、まずはきっちりと押さえておきたいポイントの説明をしたいと思うのですが、ポイントは以下の”2つ”になります。
・スプール
・ボールベアリング
以上の2つを押さえておけば、ハイエンドクラスのベイトフィネスリールと巻けず劣らずの遜色のないキャスティング性能を発揮する事が出来ます。
更なるチューンのポイントとして”ブレーキ”もあるのですが、それは補足的に考えても良いと思います。
この記事内でもきちんと説明しますので、是非最後までご覧になってください^^
まずは最初に”スプール”と”ボールベアリング”について説明しますね。
ベイトフィネスチューンのポイント ”スプール”
出典:シマノ
ベイトフィネスリールが専用リールと呼ばれるのは、まず”スプール”がほとんど専用パーツとなってしまう所にあります。
ベイトフィネスと言うのはご存知の通り「極端に軽い」ルアーをベイトリールで投げる事を言います。
極端に軽いというのは具体的にはまあ、5グラム以下くらいを思って貰えればいいんじゃないかと思います。
この「極端に軽い」ルアーを投げる為に絶対的に必要になって来ることが、”スプールの軽量化”です。
確かに最近のベイトリールのスプールは非常に高性能で、チューニングを施さなくてもかなり高性能なモノも多いです。
ダイワのSVスプール、シマノのMGLスプールとかいい例ですよね。
新素材が使われていたり、技術的に難しいとされるスプール側面にブランキング(穴あけ加工)されていたりと、メーカー純正品としてかなり高性能なスプールです。
ですが、2グラム、3グラムと言うプラグやリグを投げようというベイトフィネス用のスプールと言うのは、”もっと極端に”軽量化されたスプールが必要になって来ます。
ですから、スプールを軽量にするだけでは無く、”スプールに巻くラインの量”にも気を配る必要があります。
実はスプールに巻かれたラインと言うのは非常に重く、下手をしたらスプールの重量が2倍にも3倍にもなってしまう事も普通にあるのです。
このスプールにストックされるラインの量さえも”必要最低限”にしてしまうというのが、ベイトフィネスリールが専用品と言われる大きな理由の一つなのです。
具体的には、ほとんどベイトフィネス用リールは8lbラインが50m程しか巻けないスプールがほとんどです。
もちろん各ベイトフィネスリールで糸巻量は違いますが、ほぼほぼこのくらいのベイトリールが多いです。
8lbラインが50m程しか巻けないという事は、3号、12ⅼbラインだと30m程しか巻けません。
ちょっと強めにキャストしたら、スプールに巻かれたラインはすぐに全て出切ってしまいます。
ハッキリ言って、いや言わなくても釣りにならないのはカンタンにイメージ出来ると思います。
ですから、ベイトフィネスリールと言うのはほとんどベイトフィネス専用、要はライトラインでのショートレンジ専用のベイトリールとなってしまうのです。
逆に言えば通常のベイトリールであっても、スプールを”専用スプール”に入れ替えてやれば、それだけでもかなりベイトフィネス専用リールに近付くという事なのです。
現在、ベイトフィネスで使える超軽量のカスタムスプールは様々なベイトリールに対応しており、かなり豊富なラインナップがあります。
それこそシマノで言うならば40年前のバンタム100から最新のバンタムMGLまで、流石に全てとは言いませんがラインナップはかなり豊富にあります。
つまり言ってしまえばスプールを入れ替える事によって、40年前のベイトリールであるバンタム100でさえも、最新のベイトフィネスリールと遜色のない軽量ルアーのキャスティング性能を手に入れる事が出来るという訳です。
実際に僕も一番最初のベイトフィネスリールは、手元に合ってそれほど出番がなかったスコーピオンXT1000へのカスタムスプールの導入でした。
僕はベイトフィネスと言うより渓流ベイトとして、主に3~4グラム程度のプラッキングに使用していましたが、わざわざ数万円出して新たにベイトフィネスリールを新規購入しなくても十分に満足できるキャスティング性能を得る事が出来ました。
もちろん、現在も現役バリバリです。
コチラで各社のカスタムスプールを豊富に取り扱っています。
もしあなたのお手元にあまり使われていないベイトリールがありましたら、ベイトフィネス専用機として復活させるのも面白いと思います。
ベイトフィネスチューンのポイント ”ボールベアリング”
メーカー純正ベイトフィネス専用リールが他のベイトリールと最も大きく違うポイントとしてはスプールではありますが、ベイトフィネス専用機には必ずと言ってもいいほど専用のボールベアリングが装着されています。
通常のベイトリールと何が違うのかの言いますと、ボールベアリングに内蔵されているボールの”径”が違うのです。
要は、ベイトフィネス用のボールベアリングと言うのは、直径の小さいボールが入っていて、径が小さいと単純にボール一つ一つの重量が軽くなり回りだしが軽くなるのです。
イメージとしてはこんな感じですね。
出典:ヘッジホッグ
ボール自体が小さく軽い力で回りだしやすいという事は、ベイトフィネスクラス、5グラム以下くらいの軽いルアーの小さなエネルギーでも回りだしやすい、と言う事なのです。
つまり、ボールの径が小さなボールベアリングを使用する事によって、軽量ルアーのスプールレスポンスが向上する、という事です。
ですから、メーカーが販売しているベイトフィネス専用言うベイトリールと言うのは、まず間違いなくベアリングは専用品を使っていると言っても良いと思います。
「え?スプールレスポンスが上がるのなら通常のベイトリールにも装着すればいいじゃん!」
と思われる方も居ると思いますが、ただ、逆にこのボール径の小さなボールベアリングにも欠点はあります。
それは、ボール径が小さいという事はルアーをキャストして同じ飛距離を出そうとすると必然的にボールの回転数が上がってしまいますので、その分回転するボールの抵抗が大きくなってしまうのです。
スプール径が大きくなると飛距離は伸びるけど重くなるので、軽量ルアーが投げにくいというのと同じ理屈ですね。
要は、頭打ちになって飛距離が伸びにくい、という事が言える訳です。
ですからやはりボール径の小さなベアリングと言うのは、「ベイトフィネス専用」という訳なのです。
そう言う意味では、もしスプールを入れ替えてベイトフィネスと通常使用と両方使いたいと言う方にとっては、どちらか優先させる必要が出てきてしまいます。
流石に使い分ける為にベアリングをイチイチ入れ替えるというのは、余程マメな方でもない限りあまり現実的とは言えません。
ただやはりこのベイトリールでは「ベイトフィネスと通常使用両方使いたい」という方は、ベイトフィネスと通常使用、両方に高次元で対応できるというボールベアリングもちゃんと存在しますから安心してください。
両刀使いであるあなたに向けたボールベアリングがコチラです。
※リンク先の機種があなたのベイトリールに合わない場合、コチラであなたのベイトリールを選定してください。
3グラム程度のベイトフィネスから200グラムオーバーのジギングまで対応してくれるという、セラミックボールベアリングです。
セラミックボールベアリングと言うのは非常に回転性能の高いベアリングです。
その理由の一つに「硬度の高さ」と言うのがあります。
基本的に硬度が高ければ摩擦抵抗は低くなるのですが、ご存知の通り鉄より陶器(ガラス)の方が硬いですよね。
一般的に使われている鋼球の硬度に対してセラミックボールは硬度がなんと2倍ほどあります。
つまり摩擦と言う意味では、2倍ほど回転しやすいという事が言える訳です。
ここで心配なのは耐久性ですよね。確かにセラミックの方が硬い分割れやすく、そう言う意味では弱いと言えるかもしれません。
ですが、僕も一時はメインで使うベイトリール全てのスプールボールベアリングをセラミックボールベアリングを入れ替える程、スプールレスポンス向上の気持ち良さの虜になっていましたが、実際に割れたという事は一度もありません。
まあ、そこは言ってしまえば”所詮釣り”、とも言えると思います。
工業用と比べれば負荷は断然低くなりますし、200グラムオーバーのジギングでも対応して問題が無いと言うのならば、数グラム~20、30グラム程度のルアーのキャスティングくらい、特に問題は無いのでしょう。
耐久性と言う意味でも「かっ飛びチューニングキットAIR HD」を使用しておけばまず問題ないと思います。
もし完全にベイトフィネス専用機として割り切って使用するというのなら、コストとパフォーマンスが両立したコチラが良いと思います。
主に1~14グラムに特化した、正にベイトフィネス専用ボールベアリングです。
特化した分耐久性が劣るという部分は否めませんが、軽量ルアーのみと言う割り切った使い方をすれば、逆にコストとパフォーマンスを高次元で両立で来ているベアリングと言えるでしょう。
補足 ブレーキについて
カスタムスプールに変更する際には全てではありませんが、基本的にブレーキは元々スプールに装着されているブレーキを取り外し、変更するカスタムスプールに取り付ける必要があります。
全てのベイトリールではありませんが、シマノのSVSインフィニティなんかはパーツで別売していませんので、付け替える必要が出てきます。
ちなみにノーマルのSVSだと、4点式の遠心ブレーキが装着されているスプールもあります。
実は遠心ブレーキと言うのはそのユニット自体に重量があり、かつキャスト後半でブレーキ力が低下するという特性がありますので、ベイトフィネスには若干不向きではあるのです。
不向きと言うよりは、飛距離は伸びるがテクニカルになる、と言った方が良いかも知れません。
ちなみにシマノのベイトフィネスリールも、最近はマグネットブレーキを装着しています。アルデバランBFSやカルカッタコンクエストBFS等そうですよね。
遠心力ブレーキユニットが無い分軽くなるというのは分かりやすいと思うのですが、何故マグネットブレーキがベイトフィネスに向いているの?と思いますよね。
それはブレーキの特性にもよりますが、マグネットブレーキは軽いルアーのキャスティングを非常にイージーにしてくれるのです。
軽量ルアーは軽い分、空気に対抗するエネルギーも小さくなります。
要は軽量ルアーと言うのは空気抵抗が大きくなりやすく、キャスト後半で失速しやすくなります。
ですから、キャスト後半でブレーキ力が落ちてくる遠心ブレーキの場合、空気抵抗によって失速しやすい軽量ルアーはバックラッシュが起こりやすくなってしまうのです。
通常この場合、メカニカルブレーキなどで対応する事が一般的なのですが、ベイトフィネスにおいてメカニカルブレーキを締めるという事はスプールの回転を妨げる事になりますので、致命的となるのです。
もちろん使うルアーにもよりますし、使用するロッド、サミングやキャスティング方法等の技術的な部分でカバー出来る問題でもあります。
事実、僕がカスタムして使用していたスコーピオンXT1000は特にテクニカルな技術も必要なく、難なく軽量ルアーを投げる事が出来ていました。
ですがやはりそう言った遠心力ブレーキの特性を考えると、ベイトフィネスに向いているというか投げやすいのがやはりマグネットブレーキなのです。
それがコチラです。
※スプールによってユニットも変わってきますし、スプールもマグネットブレーキに対応している必要があるので、要確認です。
全てのスプールに対応している訳ではありませんが、シマノのSVSをマグネットブレーキに変更するという事も可能です。
遠心力ブレーキのユニットが無くなる分スプールが軽量になりますし、軽量ルアーは投げやすくなると思いますので、ベイトリールの扱いに慣れていない方でも安心です。
【ベイトフィネス リール】安いリールを買うくらいなら○○した方が10倍いい!【まとめ】
今回は、下手に安いベイトフィネスリールを買うくらいなら、チューニングした方が断然やすくつくよと言うお話でした。
そのポイントとして、
・スプール
・ボールベアリング
この二つを押さえておけばハイエンドクラスまでとはいかなくとも、負けず劣らずの遜色ない性能が体感できると思います。
もちろんベイトフィネスをやりたいのなら専用のベイトリールを購入するのが間違いありませんが、ちょっとやってみたい、手元に使わないベイトリールが余っていると言う方でしたら、まずはそのベイトリールをチューニングしてベイトフィネス仕様にした方が安くつくと思います。
その後ベイトフィネス専用リールを購入したとしても、スプールとボールベアリングを交換したベイトリールもサブ機として十分に使えるパフォーマンスはありますので、ムダになる様な事は無いでしょう。
専用機を購入する前にチューニングしてみるというのも一つの手段だと思います^^